フランスチャンピオンのトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)が独走勝利を飾ったツール・ド・フランス第16ステージ。マイヨジョーヌを奪われたアンディ、マイヨジョーヌを奪ったコンタドール、それぞれのコメントを紹介。

トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)ステージ優勝
独走で超級山岳バレ峠を駆け上がるトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)独走で超級山岳バレ峠を駆け上がるトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム) photo:Cor Vos「ルッススキー場(第7ステージ)で4位に入ったときより調子は良かった。今年のツールでは本当に苦しい日があった。ギャップにゴールする山岳ステージ(第10ステージ)ではリタイアすることも考えた。でもこれまでグランツールを12回走った経験から、悪い日を乗り越えたらまた調子が戻ってくることを知っていた。悩める若手選手にもそう言い続けているんだ。今朝、(コフィディスの)クリストフ・ケルヌと会って、パリが近づいたことを話していた。今日は彼と一緒に序盤からアタック合戦を繰り広げたんだ。それがモチヴェーションになったよ。気付いたら脚は高速でまわり続けていた」

「今日自分が成し遂げたことを誇りに思う。フランス選手権で優勝したときは非常に感動したけど、そこで手にしたトリコロール(フランスチャンピオンジャージ)を着てツールでステージ優勝を飾るなんて驚くべき結果。ただ闇雲にアタックしていたわけじゃない。しっかりとステージ優勝を狙い定めてアタックした。自分は世界最強の選手ではない。だから何度も何度も成功するまでアタックするんだ」

アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)ステージ2位
「自分の調子は良かったけど、ヴォクレールが強すぎた。彼のアタックについていけず、自分のペースで走ることを決めたんだ。この調子が3週目まで続き、そしてツール後のレースの結果にも繋がることを願っているよ」

アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)マイヨジョーヌ獲得
マイヨジョーヌに袖を通したアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)マイヨジョーヌに袖を通したアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Cor Vos「総合争いにおいて良いシチュエーションだ。今の段階での30秒のタイム差は大きい。いつでも総合成績でトップに立つのは良いことだ。アンディ・シュレクの身に何が起こったのか知らなかった。トラブル発生時、すでに彼の前に位置していた。彼がアタックしたあとにスローダウンしたのは見えたけど、まさかバイクにトラブルを抱えていたとは知らなかった」

「自分はアンディがトラブルを抱える前にアタックを仕掛けた。彼とは良きライバル関係にある。スパのステージで彼が落車で遅れたときも自分たちは待った。とにかく今日のアタックは彼の弱みに付け込んだわけじゃない。彼はこれから攻撃を続けるだろう。今まで通り彼の走りには恐怖心を覚える」

(ホテル帰着後の公式ムービーインタビューにて)
「問題は自分がアタックした状況にあった。自分がアタックしたとき、アンディはメカトラを抱えていたんだ。レースは活性化していた。もしかしたら自分は間違いを犯したかも知れない。申し訳なく思う。あの状況では誰でもただ速く走ることだけを考える。スパのステージで見せたフェアプレーの精神が自分の走りに欠けていたことが残念だ」

アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)総合2位にダウン
コンタドールらから39秒遅れでゴールしたアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)コンタドールらから39秒遅れでゴールしたアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) photo:Cor Vos「今、大きな怒りを感じている。トゥールマレーではバイクから崩れ落ちるまで攻めてみせる。とても調子が良かったのに、大きくタイムを失う結果になってしまった。下りを攻め込んだ関わらずだ。今朝、兄のフランクと『下りで余計なリスクを負わないこと』を約束した。でも実際はかなりコーナーを攻めていたよ。そうするしかなかった。タイムを失いたくなかった。全ての事例には理由がある。スパのステージでアルベルト(コンタドール)が待ったことはフェアプレーの象徴だった。でも今日は違う。違うシナリオが描かれた。でもまだツールは終わっていない」

「今日起こったのは、いつでも起こりえること。自分が怒り散らしたところで状況は変わらない。バイクを投げつけて誰かを責めようとは思わなかった。こんな状況でも自分自身をコントロールする必要がある。ただ落ち着いて状況を見据えればそれでいいんだ。人々に怒鳴ったところで状況は変わらないから。ジャージを失ったことで涙に暮れている暇はない。これがロードレースというものだ。これから最後の闘いが始まる。まだやり残したことがある」

選手コメントはレース公式サイト、ならびにチーム公式サイトより。

text:Kei Tsuji
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