15年間に渡り活躍したヤン・バークランツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が現役引退を発表した。同選手は2013年ツール・ド・フランスで区間優勝し、2日間に渡りマイヨジョーヌを着用。2017年の大怪我から見事復活を遂げた。



今年7月のツール・ド・ワロニー第5ステージでスプリント勝利を飾ったヤン・バークランツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)今年7月のツール・ド・ワロニー第5ステージでスプリント勝利を飾ったヤン・バークランツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:CorVos
「プロ選手を辞め、その事実を公にする時がきた。簡単な決断ではなかったが、次第にその意思は明確となっていった。また家族と話し合い決めたことなんだから前向きだよ」と、ベルギーメディアSporzaのインタビューにヤン・バークランツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)はそう答えた。

ロンド・ファン・フラーンデレンの舞台であるオーデナールデ出身のバークランツは36歳。2008年にショコラデ・ジャック・Tインテリム(現スポートフラーンデレン・バロワーズ)でプロデビューし、レディオ・シャック時代に初出場した2013年ツール・ド・フランス第2ステージでは、迫りくる大集団から1秒差で逃げ切り勝利。2日間に渡りマイヨジョーヌを着用した。

2013年ツール第2ステージで勝利し、マイヨジョーヌを獲得したヤン・バークランツ(ベルギー、当時レディオシャック・レオパード)2013年ツール第2ステージで勝利し、マイヨジョーヌを獲得したヤン・バークランツ(ベルギー、当時レディオシャック・レオパード) photo:Makoto.Ayano
キャリアハイの成績を残したのはAG2Rラモンディアル(現AG2Rシトロエン)移籍初年度の2015年で、グラン・ピエモンテとサンルーカの激坂でお馴染みジロ・デッレミリアで優勝した。しかし2017年イル・ロンバルディアの下り坂で落車し崖下へ転落。肋骨と椎骨を骨折し、身長が1cm縮まってしまうほどの大怪我を負った。

その後無事に競技復帰を果たしたバークランツは、2020年に若手の指南役としてサーカス・ワンティゴベール(現アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)に加入。チームのワールドチーム昇格に貢献し、今年はツール・ド・ワロニーの第5ステージでプロ7勝目を飾った。

引退の理由についてバークランツは、「3年前、僕の活躍を信じてくれる同じ人たち(取材陣)の前に座り、その期待に走り(勝利)で答えることができた。今シーズンは自分の目標が定まっていなかったのだが、勝利を挙げて競技を辞めるには良い時期だと思ったんだ」と語った。

text:Sotaro.Arakawa

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