マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の来季所属チームがアスタナ・カザフスタンに決定した。移籍合意していたB&Bホテルズ KTMの解散後、長らく所属チームが決まらなかった現イギリス王者にツール最多区間勝記録更新のチャンスが訪れた。



アスタナ・カザフスタン仕様のイギリスチャンピオンジャージ姿を披露したマーク・カヴェンディッシュ photo:Astana Qazaqstan

「この新しい冒険にワクワクしているよ。GMのヴィノクロフとは何年も一緒にレースを走ったけれど、今度は彼の子供たち2人とチームメイトになる。彼らと同じ歳の頃、自転車選手になることを夢見ていたのを思い出すよ。アスタナ・カザフスタンはバイクの上では王者であり、バイクを降りればジェントルマンであるヴィノクロフが導く、成功を収めることのできる場所だ」と、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)はチームの移籍発表ニュースの中で話している。

アスタナ移籍の噂が流れて以降、チームキャンプに同行する姿が何度も目撃されるなど、その裏付けが繰り返されていたカヴェンディッシュ。長らく所属チームが決まらなかった現イギリス王者は、カザフチームの一員としてツール最多区間勝記録の更新を狙うこととなる。

「僕はもう長いことキャリアを楽しんでいるけれど、自転車に乗る楽しみ、そして勝利を狙うハングリー精神をできる限り長く輝かせたいと思う。だからこそ、チームの勝利のために戦い、そして自分自身が一番でフィニッシュするために戦い、チームメイトを応援するのが楽しみだ」とカヴェンディッシュは加えている。

カヴェンディッシュと同時に移籍が発表されたケース・ボル(オランダ、チームDSM)カヴェンディッシュと同時に移籍が発表されたケース・ボル(オランダ、チームDSM) (c)CorVos
アスタナはカヴ移籍に先んじてケース・ボル(オランダ、チームDSM)の獲得を発表。ボルは2021年のパリ〜ニースで区間優勝を挙げた194cmの長身スプリンターで、カヴェンディッシュと同じくB&Bホテルズへの移籍が一部で報道されていた。

2022年のアスタナはシーズン通算5勝と低迷し、13勝だった2021年からはもちろん37勝を積み上げた2019年からは年々勝利数が減少している。そのためチームは所属する半数の15名を入れ替える補強を実施。しかし今年は新戦力も振るわず、またヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)の引退やミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)の退団など中心選手がチームを去った。

ここまでは39歳のルイスレオン・サンチェス(スペイン)がバーレーン・ヴィクトリアスから復帰し、アジア選手権王者であるイゴール・チザン(カザフスタン)を獲得していたものの、多くの勝利が見込める補強はできないでいた。かつてツール総合優勝を果たした強豪チームが、創設18年目での復権を目指す。

text:Sotaro.Arakawa

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