アスタナカザフスタンをサポートするイタリアンブランド、ウィリエールが新型エンデュランスロードGranturismo SLRを発表した。進化したマイクロサスペンションACTIFLEX2.0や、ハイエンドのカーボンなどを採用した意欲作を紹介しよう。



ウィリエール Granturismo SLRウィリエール Granturismo SLR (c)wilier
2017年にユーロバイクアワードを獲得したウィリエールのエンデュランスレーシングバイク、Cento 10 NDR。シートステーとシートチューブの接合部にマイクロショックアブソーバーを備える事で、路面からの突き上げをカットしつつ、ペダリングを無駄にしないねじれ剛性を実現したモデルとして高い評価を得た1台だ。

Cento 10 NDRの登場より5年、このバイクの後継にあたるハイエンド・エンデュランスロードの新型がデビューする。モデル名はGranturismo SLR(グランツーリスモSLR)。これまでミドルグレードとして数多くのサイクリストに選ばれ続けてきた定番バイクの名前に、現在ウィリエールがハイエンドに与えるSLRの冠が載せられた最上位モデルに位置付けられる。

ACTIFLEX 2.0によって快適性を高めるACTIFLEX 2.0によって快適性を高める (c)wilier
トップチューブに接続するシートステーはブリッジで剛性を確保するトップチューブに接続するシートステーはブリッジで剛性を確保する (c)wilier
新型のキーテクノロジーはNDRシリーズに搭載されたシステムのアップデート版となる"ACTIFLEX 2.0"だ。3Dプリンターによる格子構造の新エラストマーとチューブ同士を繋ぐリンクシステムで、リアホイールが垂直方向に最大5mm動くマイクロサスペンションによって、Granturismo SLRはライダーに快適性をもたらし、荒れた路面でもトラクションが逃げにくい性能を実現。従来型と比較し20gの軽量化も果たし、システムとしてのアドバンテージを大きくしている。

サスペンションとしての機能はもちろんのこと、第2世代でサスペンションの配置が変更されていることも大きなトピック。これまではシートチューブとシートステー間に配されていたが、今作ではシートステーがシートチューブと接続せず、そのままトップチューブへと伸びる設計に。そのシートステーとトップチューブの間にサスペンション機構が搭載される。

ケーブルをフル内装式としてエアロを高めるケーブルをフル内装式としてエアロを高める (c)wilier
この配置と、左右のシートステーを繋ぐブリッジによって、Granturismo SLRはウィリエールのレースバイクと同等のねじれ剛性と反応性を獲得。ペダリングパワーが逃げずに推進力へと変換されることで、エンデュランスバイクながら軽快な加速感を味わえるバイクに仕上げられた。

ACTIFLEX 2.0の新配置はタイヤが跳ね上げた砂や泥が被りにくい位置でもあるため、長期間Granturismo SLRに乗り続けてもサスペンションシステムに不具合が発生しにくいことも大きなポイント。同時に4つのベアリングを採用する構造や、ダブルスクリューロッキングシステムによってメンテナンス作業の行いやすさが高められている。

最大32Cまで装着可能なワイドスタンスフォーク最大32Cまで装着可能なワイドスタンスフォーク (c)wilier
また、Granturismo SLRはFilante SLRやZero SLRと同様のHUS‐MODカーボンとリキッドクリスタルポリマーをフレーム素材に使用していることも大きな特徴だ。形状面もFilante SLRの開発で得たエアロダイナミクスの知見をエンデュランスロードに最適化し、空気を綺麗に後方へと流すためにワイドスタンスとされたフォーククラウン(最大タイヤ:32mm)や、ケーブル内装のZero BARなど一体型ハンドルバーを採用。空気抵抗低減によってライダーのパワーセーブに繋がるため、エンデュランスライドでもこのエアロ設計はアドバンテージをライダーにもたらしてくれる。

ジオメトリーもアップライトすぎず、前傾姿勢がきついレーシングジオメトリーとの中間に設定されている。ホビーライダーに適したポジションを導き出しやすく、プロ用レースバイクのようにコラムスペーサーを積み上げることもなく、バイクのルックスを維持できるのはメリットだとウィリエールは言う。

ACTIFLEX2.0が搭載されるリアセクションACTIFLEX2.0が搭載されるリアセクション (c)wilierゼロバーやフィランテバーを使い、ケーブルをフル内装とするゼロバーやフィランテバーを使い、ケーブルをフル内装とする (c)wilier


ACTIFLEX 2.0による反応性向上やフラッグシップの素材を使うなど、妥協なく開発が行われたGranturismo SLR。さらにフロントディレイラー台座は取り外し可能な仕様もウィリエールが今後1xのアセンブリが進むと考えてのこと。最新のエンデュランスロードとして開発されたこのバイクは注目だ。

国内での販売はフレームセット(781,000円)とDURA-ACE完成車(1,496,000円)、ULTEGRA完成車(1,050,000円)の3種類。カラーはレッド、シルバー、マットブラックの3色だ。

ウィリエール Granturismo SLR(レッド)ウィリエール Granturismo SLR(レッド) (c)wilier
ウィリエール Granturismo SLR(マットブラック)ウィリエール Granturismo SLR(マットブラック) (c)wilierウィリエール Granturismo SLR(シルバー)ウィリエール Granturismo SLR(シルバー) (c)wilier

快適にかつ、速く走るためのGranturismo SLR快適にかつ、速く走るためのGranturismo SLR (c)wilier


ウィリエール Granturismo SLR
フレーム:HUS-MODカーボン+L.C.P
BB:プレスフィット
ハンドルバー:ゼロバー
サイズ:XS、S、M、L、XL
カラー:レッド、シルバー、マットブラック
フレームセット:781,000円(税込)
DURA-ACE完成車:1,496,000円(税込)
ULTEGRA完成車:1,050,000円(税込)

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