2022/10/30(日) - 01:49
Jプロツアー最終戦となる「今治クリテリウム」は、序盤に飛び出したフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が逃げ切って優勝。小林海の個人総合優勝と、マトリックスパワータグのチーム総合優勝確定に華を添えた。
2022年のJプロツアー最終戦は、瀬戸内海に面する愛媛県今治市でのクリテリウム。翌日にサイクリングイベントの「サイクリングしまなみ」を控え、今治市内での連動したイベントの一環として開催された。四国でのJプロツアー開催は今大会が初めてとなる。
今治港に面した公道に設定された1周1.4kmのコースは、およそ500mのホームストレートと、計12のコーナーを組み合わせたパワー&テクニカルコース。集団は自然と一列棒状になり、後方では多発する中切れを埋めるために消耗を強いられる。周辺施設などの都合により、今大会では集団から遅れたら即除外というシビアな設定となったことから、サバイバルレースとなることが予想された。
レースは32周44.8km。1周のパレードを経てリアルスタートが切られた直後からペースが上がり、集団は早速長く引き伸ばされていく。集団後方では序盤から分断が進み、3つ、4つと分かれていく。
クリテリウムでの優勝を狙う愛三工業レーシングチームが主導権を取りに動き始めた10周目、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が単独で飛び出す。直後から愛三工業レーシングチームがメイン集団のコントロールに入り、先行するマンセボとの差を10秒前後に維持して周回を重ねていく。
独走するマンセボはレース中盤から終盤にかけて差をジリジリと広げていく。残り5周、入部正太朗を先頭に弱虫ペダルサイクリングチームが集団先頭に入ってペースアップを開始。これをきっっかけにマンセボと集団との差は一気に縮まりはじめ、残り2周の時点で6秒差となる。
しかし最終周回に入っても集団はマンセボを捉えられない。「このコースはホームストレートでしかチーム力が発揮できないから、逃げ切れると思っていた」と言うマンセボが、2022年のJプロツアー最後の勝者となった。2秒差で勝利に届かなかった岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が2位。しまなみ海道で今治市とつながる福山市出身の小森亮平が3位となった。
この最終戦をもって総合順位が確定。個人総合優勝は小林海、チーム総合優勝はマトリックスパワータグとなり、2019年以来4年連続でのダブルタイトルを達成した。
個人総合優勝 小林海コメント
「今日は実は肉離れしてしまっていたから、スタートはしたけれどすぐに止めようと思っていた。でもこんなにたくさんのお客さんが見てくれている中ではすぐに止めることは出来ないと思い、カッコつけて無理をしてみた。
今年はシーズン前半で勝てたけれど、経済産業大臣旗ロードが終わるまでは総合優勝が決まったとは思えなかった。いつ怪我をして勝てなくなるかもしれないと考えていて、実際そうなったし、かなりしんどい1年だった。シリーズ戦で結果を出し続けなければいけない中、全日本選手権など他の大会もあってオンとオフをうまく作るのが難しかった。うまくいったシーズンではあったけれど、気が休まる時がないので精神的につらいシーズンでもあった」
「今年これだけ勝てたのは、全てにおいて取り組み方を変えたことが大きいと思う。練習から私生活に至るまで、フィジカルやメンタルなどそれぞれのコーチについて自分のポテンシャルを100%発揮できる環境にしたいと取り組んできたことが結果に繋がったと思う。
僕はもう一度ヨーロッパに戻りたいと思っているけれど、今年後半上手くいかなかった点は今の限界なのだと感じている。(新城)幸也さんは、全日本直前に帰ってきてベストでなくても弱いところを見せず結果を出せる。だから長くヨーロッパで走れているのだと思うけれど、そこが自分に足りない部分であり課題だと思う。来年も最初から積極的に行って大事なレースも勝ちつつ、最後まで駆け抜けたい」
2022年のJプロツアー最終戦は、瀬戸内海に面する愛媛県今治市でのクリテリウム。翌日にサイクリングイベントの「サイクリングしまなみ」を控え、今治市内での連動したイベントの一環として開催された。四国でのJプロツアー開催は今大会が初めてとなる。
今治港に面した公道に設定された1周1.4kmのコースは、およそ500mのホームストレートと、計12のコーナーを組み合わせたパワー&テクニカルコース。集団は自然と一列棒状になり、後方では多発する中切れを埋めるために消耗を強いられる。周辺施設などの都合により、今大会では集団から遅れたら即除外というシビアな設定となったことから、サバイバルレースとなることが予想された。
レースは32周44.8km。1周のパレードを経てリアルスタートが切られた直後からペースが上がり、集団は早速長く引き伸ばされていく。集団後方では序盤から分断が進み、3つ、4つと分かれていく。
クリテリウムでの優勝を狙う愛三工業レーシングチームが主導権を取りに動き始めた10周目、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が単独で飛び出す。直後から愛三工業レーシングチームがメイン集団のコントロールに入り、先行するマンセボとの差を10秒前後に維持して周回を重ねていく。
独走するマンセボはレース中盤から終盤にかけて差をジリジリと広げていく。残り5周、入部正太朗を先頭に弱虫ペダルサイクリングチームが集団先頭に入ってペースアップを開始。これをきっっかけにマンセボと集団との差は一気に縮まりはじめ、残り2周の時点で6秒差となる。
しかし最終周回に入っても集団はマンセボを捉えられない。「このコースはホームストレートでしかチーム力が発揮できないから、逃げ切れると思っていた」と言うマンセボが、2022年のJプロツアー最後の勝者となった。2秒差で勝利に届かなかった岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が2位。しまなみ海道で今治市とつながる福山市出身の小森亮平が3位となった。
この最終戦をもって総合順位が確定。個人総合優勝は小林海、チーム総合優勝はマトリックスパワータグとなり、2019年以来4年連続でのダブルタイトルを達成した。
個人総合優勝 小林海コメント
「今日は実は肉離れしてしまっていたから、スタートはしたけれどすぐに止めようと思っていた。でもこんなにたくさんのお客さんが見てくれている中ではすぐに止めることは出来ないと思い、カッコつけて無理をしてみた。
今年はシーズン前半で勝てたけれど、経済産業大臣旗ロードが終わるまでは総合優勝が決まったとは思えなかった。いつ怪我をして勝てなくなるかもしれないと考えていて、実際そうなったし、かなりしんどい1年だった。シリーズ戦で結果を出し続けなければいけない中、全日本選手権など他の大会もあってオンとオフをうまく作るのが難しかった。うまくいったシーズンではあったけれど、気が休まる時がないので精神的につらいシーズンでもあった」
「今年これだけ勝てたのは、全てにおいて取り組み方を変えたことが大きいと思う。練習から私生活に至るまで、フィジカルやメンタルなどそれぞれのコーチについて自分のポテンシャルを100%発揮できる環境にしたいと取り組んできたことが結果に繋がったと思う。
僕はもう一度ヨーロッパに戻りたいと思っているけれど、今年後半上手くいかなかった点は今の限界なのだと感じている。(新城)幸也さんは、全日本直前に帰ってきてベストでなくても弱いところを見せず結果を出せる。だから長くヨーロッパで走れているのだと思うけれど、そこが自分に足りない部分であり課題だと思う。来年も最初から積極的に行って大事なレースも勝ちつつ、最後まで駆け抜けたい」
Jプロツアー第18戦 今治クリテリウム 結果(44.8km)
1位 | フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ) | 1時間7分29秒 |
2位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | +2秒 |
3位 | 小森亮平(マトリックスパワータグ) | +2秒 |
4位 | 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) | +2秒 |
5位 | 寺田吉騎(LEOMO Bellmare Racing Team) | +2秒 |
6位 | 横山航太(シマノレーシング) | +2秒 |
Jプロツアー2022年 総合順位
個人総合順位 | ||
1位 | 小林 海(マトリックスパワータグ) | 4543p |
2位 | 入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 3405p |
3位 | レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)3118p | |
U23個人総合順位 | ||
1位 | 山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling) | 1619p |
2位 | 佐藤 光(稲城FIETS クラスアクト) | 1232p |
3位 | 香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 1189p |
チーム総合順位 | ||
1位 | マトリックスパワータグ | 11622p |
2位 | 弱虫ペダルサイクリングチーム | 5746p |
3位 | 愛三工業レーシングチーム | 5509p |
text&photo Satoru Kato
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