パリで開催された2023年ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーション。「ロズ峠が鍵となる」と語るタデイ・ポガチャルや「大会序盤から総合チームが主導権を握るだろう」と予測するマーク・カヴェンディッシュなど、出席した選手たちのコメントを紹介します。



2020年、2021年総合優勝 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

コースプレゼンテーションに出席したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)コースプレゼンテーションに出席したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:A.S.O.
とても興味深いルートとなった。僕の好きなバスクが開幕地ということでとても嬉しい。そのままピレネー山脈に突入する厳しい第1週目となることだろう。またツールでは第3週目が最も厳しく、今回はアルプス山脈が舞台となり厳しい戦いが第20ステージまで続いていく。

コル・デ・ラ・ロズ(ロズ峠)が登場する(第17)ステージが勝負の鍵を握るだろう。とても長く厳しい登りだが、個人的には良い思い出のある場所。今年は更に厳しいレイアウトになっているようだが、クイーンステージなので注意したい。

個人タイムトライアルは1つしかないものの、登り基調なので好きなレイアウトだ。条件は全員同じなのでタイムトライアルが1つだろうが2つだろうが関係ない。僕向きのコースということができそうだ。

今年よりも2023年は山が多く、しかしストレスは少なそうだ。なぜなら今年の開幕地であったデンマークから北フランスでの戦いはストレスフルだったからね。もしヴィンゲゴーがツールに出場するならば、もちろんライバル選手の1人になる。だが来年は多くの総合優勝候補が出場する大会になるので、彼1人だけがライバルというわけではない。

2022年大会総合4位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ)

インタビューに応えるダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ)インタビューに応えるダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) photo:Équipe Cycliste Groupama-FDJ
総合4位という結果はさらなる高みへの欲求と、3週間を戦い抜けるという自信を与えてくれた。来年は安定した走りとより強くなったフィジカルで、4位以上より良い結果である表彰台に上がりたい。

2011年、2021年マイヨヴェール(ポイント賞) マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)

来季の所属チームが未定ながらも出場への意欲を語ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)来季の所属チームが未定ながらも出場への意欲を語ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:A.S.O.
ツール・ド・フランスはいつだって厳しい。なんたってそれが地球最大の自転車レースであるツールなのだからね。このツールとツール・ド・フランス・ファムは選手全員に開かれている大会で、どちらも残酷なほど厳しいステージとなっている。だが素晴らしいスプリントやタイムトライアルでの戦いが繰り広げられることだろう。

僕が出場したことのあるツールでは、今回が最も難易度が高いレイアウトだろう。とてもエキサイティングで素晴らしいショーが見られるはず。また総合優勝を狙う選手たちが大会序盤からレース展開を支配することになるだろう。しかしスプリンターにとっても山岳を耐え、集団スプリントの機会は十分に用意されている大会だ。フィニッシュ前の1kmに直線が伸びるようなスプリントステージもある。だから21日間に渡ってエキサイティングなレースが続くことだろう。

スプリント勝負と目されるステージが7、8つは十分な数と言えるよね。

2017年マイヨヴェール(ポイント賞)マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)

舞台袖でカヴェンディッシュにネクタイを結んでもらうマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)舞台袖でカヴェンディッシュにネクタイを結んでもらうマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) photo:A.S.O.
素晴らしいコースでワクワクする。開幕地であるバスクは自転車熱の高いファンがいつも沿道に詰めかけ、僕自身にとっても良い思い出がたくさんある場所だ。開幕からの数ステージは、マイヨジョーヌを狙うべく様々な脚質の選手が動いてくるクールな戦いが繰り広げられることだろう。だからファンには楽しみに待っていて欲しいね。

2022年第12ステージ優勝 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

2022年大会では区間1勝を挙げたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)2022年大会では区間1勝を挙げたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:A.S.O.
(初めての)コースプレゼンテーションはとても楽しかったし、やる気がみなぎってきた。来年のルートを見て概要を掴むことができた。もちろんスクリーンに映し出されたプロフィールだけを見て判断できないが、登りの多い厳しいステージが続くことだろう。また今年の大会よりもスプリントステージが多いので、より激しい戦いが繰り広げられるはずだ。

ステージ勝利を狙うことのできるステージはもっと細かく見てみないとわからない。だが、僕自身あまり馴染みのないバスクでのステージは、僕に向いた地形だと思う。(今年のラルプ・デュエズでの勝利は)僕に自信を与えてくれた。しかし今年はあくまでも学ぶ姿勢で臨んだ大会だった。だから来年に向けてよい基礎固めとなったよ。

text:Sotaro.Arakawa

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