自らのアタックでジャパンカップを動かしたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)のバイクを紹介。独走力とパンチ力を備える世界屈指のパンチャーらしいハンドルセッティングが施されたリドレーのエアロロード、Noah Fast Discだ。



ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)のリドレー Noah Fast Discティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)のリドレー Noah Fast Disc photo:So Isobe
史上稀に見るハイペースで進んだ2022年のジャパンカップ。レース前から優勝候補に挙げられ、1周目の集団分裂でも前に残り、後半戦では自ら攻撃を仕掛けるなど、アグレッシブな走りを披露したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)は、2日間どちらもリドレーのエアロロードNoah Fast Discを駆った。なおスペアとして軽量モデルのHelium SLX Discも持ち込まれているのが確認できた。

来季UAEチームエミレーツへの移籍が決まっているウェレンスのバイクは、なんと言ってもハンドル周りのセッティングが目を引く。STIレバーを思い切りハの字に倒し、上ハンドル部分にこんもりとパッドを盛り、その上からバーテープを巻いたセッティングは、UCIが禁じた「パピーパウポジション」に抵触しないポジションを取るための策。レバーの上端部を握り、手首付近をパッド部分に置くことで巡航時のエアロ効果を高めている。

独特なハンドルセッティングが施されたウェレンスのバイク独特なハンドルセッティングが施されたウェレンスのバイク photo:So Isobe
STIレバーは大きく内側に絞り込み、ハの字を切っているSTIレバーは大きく内側に絞り込み、ハの字を切っている photo:So Isobe肘が乗る上ハンドル部分にはパッドを盛っている肘が乗る上ハンドル部分にはパッドを盛っている photo:So Isobe


ウェレンスはかつてノーマルステム+ハンドルを使用していた際、非常に深い角度のステムを用いてハンドル位置を下げていたが、専用一体型ハンドルを使うNoah Fast Discでは限界がある模様。それでもSTIレバーを下向きにセッティングするなど工夫が見てとれる。

ロット・スーダルは今年カンパニョーロからシマノにスイッチし、コンポーネントを12速のR9270系デュラエースDI2で揃えている。ただしシマノのグローバルサポートチームではなく、チェーンはKMC、ペダルはルック(KEO BLADE CARBON)、ホイールはDTスイスとバリエーション豊かな構成だ。

ホイールはDTスイスのARC 1100 DICUT。ヴィットリアのCORSAチューブレスレディタイヤをセットホイールはDTスイスのARC 1100 DICUT。ヴィットリアのCORSAチューブレスレディタイヤをセット photo:So Isobe
チェーンはKMC。チェーンリングは54/40TだチェーンはKMC。チェーンリングは54/40Tだ photo:So Isobeリアカセットは11-30Tをセットリアカセットは11-30Tをセット photo:So Isobe

ペダルはルックのKEO BLADE CARBONペダルはルックのKEO BLADE CARBON photo:So Isobeボトルとボトルケージはタックスボトルとボトルケージはタックス photo:So Isobe


ホイールは50mmハイトのARC 1100 DICUTで、ヴィットリアのCORSAチューブレスレディタイヤを組み合わせて運用する。タイヤは25mmと今回参加した海外チーム勢の中では最も細身だった。

ギア歯数は前54/40Tで、後11-30Tというスタンダードな構成。4iiiiがサプライヤーに就いているが、ウェレンスはFC-R9200-P(シマノ)のパワーメーターを使用する。セバスティアン・グリニャール(ベルギー)のバイクにはローターのチェーンリングが組み付けられていた。

text&photo:So Isobe