2010年7月14日、ツール・ド・フランス第10ステージが行なわれ、逃げグループ内での闘いを制したセルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック)がツールのステージ初優勝を飾った。新城幸也(Bboxブイグテレコム)は序盤のアタック合戦に加わったが、決定的な逃げには乗れなかった。

逃げグループを率いるピエール・ロラン(フランス、Bboxブイグテレコム)逃げグループを率いるピエール・ロラン(フランス、Bboxブイグテレコム) photo:Cor Vos実質的なアルプス最終日の第10ステージ。選手たちはシャンブリからギャップまで179kmかけて南下する。後半にかけて1級、3級、2級と山岳が連続するが、「中級山岳ステージ」に分類されているだけに難易度は高くない。

気温35度を超える暑さの中、第10ステージはトニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)のファーストアタックで幕開けた。アタックと吸収を延々と繰り返すハイスピードな状態がしばらく続き、ユキヤの姿もこの中に。

マイヨジョーヌを着て走るアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)マイヨジョーヌを着て走るアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) photo:Cor Vos32km地点でマリオ・アールツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)、ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)、ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、ケースデパーニュ)、セルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック)の4名が抜け出すことに成功。すぐさま1分のリードを築いた。

フランス革命記念日にフランス人選手どころかフランスチーム所属選手が逃げに乗っていない危機的状況。フランスチームは攻撃の手を弱めずアタックを続行した。

メイン集団内で走る新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)メイン集団内で走る新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) photo:Makoto Ayanoユキヤらが再びアタックを仕掛けて追走グループを形成。しかしユキヤの動きは潰され、カウンターで飛び出したピエール・ロラン(フランス、Bboxブイグテレコム)とマキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル)の2人が先行。ロランとブエが67km地点で先頭グループに合流すると、ようやくレースは落ち着きを取り戻した。

総合争いにおける危険な選手が逃げていないとして、サクソバンクがコントロールするメイン集団はペースダウン。結局メイン集団は最後まで逃げ吸収に興味を示さなかった。

フランス革命記念日にフランス国旗が翻るフランス革命記念日にフランス国旗が翻る photo:Cor Vosこの日最初の1級山岳ラフレイはアールツが先頭通過。1級山岳では8番手通過の選手までポイントが与えられるため、集団先頭の2番手までポイントが与えられる。ここでマイヨアポワ争いが加熱した。

第9ステージで71ポイントを荒稼ぎしたアントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)は、同ポイントでジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)と並んで山岳賞トップに。しかしマイヨアポワを奪われた立場のピノーは、この1級山岳ラフレイでシャルトーを破って7番手通過を果たす。ピノーは一日でマイヨアポワを奪い返すことに成功した。

サクソバンクを先頭にノワイエ峠を上るメイン集団サクソバンクを先頭にノワイエ峠を上るメイン集団 photo:Cor Vos逃げグループとメイン集団のタイム差は、ラスト100km地点で9分、ラスト60km地点で11分、ラスト30km地点で11分30秒。ゴールまで20kmを切ると、逃げ切りが確定的となった6名の逃げグループの中でのアタック合戦が始まった。

アールツやデヴェナインスのアタックにフランス勢が脱落し、やがてパウリーニョとキリエンカの2人が先行。後続を1分引き離したこのポルトガルとベラルーシのコンビは、協力しながらラスト1kmのアーチを駆け抜けた。

スプリント一騎打ちを繰り広げるヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、ケースデパーニュ)とセルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック)スプリント一騎打ちを繰り広げるヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、ケースデパーニュ)とセルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック) photo:Cor Vos互いを警戒する牽制状態に入った2人は、ラスト200mを切ってからスプリント開始。付き位置をキープしたパウリーニョが先に仕掛けると一気に先頭へ。キリエンカの追い上げは僅かに届かず、パウリーニョがおしゃぶりをくわえるポーズでゴールに飛び込んだ。

2004年のアテネ五輪ロードレースで銀メダルを獲得したパウリーニョは、これがツールのステージ初優勝。ブエルタ・ア・エスパーニャでは2006年にステージ優勝を達成している。

おしゃぶりポーズでゴールしたセルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック)おしゃぶりポーズでゴールしたセルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック) photo:Cor Vos所属するレディオシャックはランス・アームストロング(アメリカ)の総合成績を第一目標にこのツールに挑んでいたが、肝心のアームストロングが第8ステージで失速。チームとして、ステージ優勝狙いに目標をスイッチしていた。

「際どいスプリントだったけど、これは自分にとってもチームにとっても重要な勝利。まだまだチームにはステージ優勝のチャンスがある。同時にチーム総合成績も視野に入れている。これはアテネ五輪の銀メダルよりも価値のある勝利だよ(レース公式サイト)」

マイヨアポワ奪回に成功したジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)マイヨアポワ奪回に成功したジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ) photo:Makoto Ayano最終的に14分以上遅れたメイン集団はマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)を先頭にゴール。ステージ11位のトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)がマイヨヴェールを守った。

ラスト10km地点でアタックを仕掛けたニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)は、メイン集団を1分21秒引き離してゴールし、総合17位から13位に浮上。それ以外の総合順位には大きな動きが見られず、初めてマイヨジョーヌを着て走ったアンディが総合首位の座をキープした。

アルプス山脈を抜けたツールは、難易度の低い数ステージを経てピレネー山脈に突入する。翌第11ステージは平坦なコースレイアウトであり、再びスプリンターにチャンスが回ってくる。いよいよツールも後半戦に突入だ。


ツール・ド・フランス2010第10ステージ結果
1位 セルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック)    5h10'56"
2位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、ケースデパーニュ)
3位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)      +1'29"
4位 ピエール・ロラン(フランス、Bboxブイグテレコム)
5位 マリオ・アールツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)      +1'33"
6位 マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル)        +3'20"
7位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)    +12'58"
8位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)            +13'57"
9位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア) +14'19"
10位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)
111位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)

第10ステージ敢闘賞
マリオ・アールツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)

マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)      49h00'56"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)           +41"
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)         +2'45"
4位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)             +2'58"
5位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +3'31"
6位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)     +3'59"
7位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)           +4'22"
8位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)      +4'41"
9位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)          +5'08"
10位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)             +5'09"
11位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)           +5'11"
13位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)      +6'31"
15位 カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)     +7'13"
16位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)         +7'18"
18位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)   +7'47"
107位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)            +1h16'51"

マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)138pts
3位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)      131pts
3位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)    116pts

マイヨアポワ(山岳賞)
1位 ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)     91pts
2位 アントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)  90pts
3位 クリストフ・モロー(フランス、ケースデパーニュ)     62pts

マイヨブラン(新人賞)
1位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)  49h00'56"
2位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)       +4'22"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)       +5'11"

チーム総合成績
1位 ケースデパーニュ  147h07'02"
2位 レディオシャック     +31"
3位 アスタナ        +14'54"

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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