フィニッシュ手前でサンルーカの激坂をクリアする女子ワンデーレース「ジロ・デッレミリア・ドンネ」。最終盤でのアタックを成功させたエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)が、2016年以来となる3度目の勝利を飾った。



実戦復帰したマルタ・カヴァッリ(イタリア)をエースに据えるFDJスエズ・フチュロスコープ実戦復帰したマルタ・カヴァッリ(イタリア)をエースに据えるFDJスエズ・フチュロスコープ photo:CorVos
エンリク・マス(スペイン、モビスター)がタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)を下し優勝したジロ・デッレミリアの同日、その女子レースであるジロ・デッレミリア・ドンネ(UCI.Pro)が開催された。コースは男子と同じくカルピからサンルーカまでだが、コース中盤の山岳は登場せず、最後のサンルーカの激坂(距離2km/平均10%)まで平坦路が続く89.7kmだ。

第9回目を迎えるワンデーレースには、地元のスター選手であるエリーザ・ロンゴボルギーニやエリーザ・バルサモ(共にトレック・セガフレード)などが集結。また今年躍進しながらもツール・ド・フランス・ファムでの怪我が長引いたマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJスエズ・フチュロスコープ)が約1ヶ月ぶりにレース復帰を果たしている。

女子レースの中でも比較的短い距離で行われたこの日、アリス・パラッツィ(イタリア、トップガールズ・トップガールズ・ファッサボルトロ)が単独で逃げを打つ。それをマティルデ・ヴィティーロ(イタリア、ビーピンク)が合流を目指したものの不発に終わり、パラッツィも残り15km地点で吸収された。

アタックするエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)アタックするエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
自身3度目の勝利を挙げたエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)自身3度目の勝利を挙げたエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
最大勾配20%のサンルーカの激坂に突入した集団先頭では、FDJスエズ・フチュロスコープやバイクエクスチェンジ・ジェイコがハイペースを刻む。このペースアップで人数が絞られ、先頭集団からは2度の優勝経験を誇るロンゴボルギーニが飛び出した。

イタリアTT王者の独走にカヴァッリやアマンダ・スプラット(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)らは遅れを喫し、食らいつくソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ)やタンジャ・エラト(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)を引き離したロンゴボルギーニが、2015年&2016年に続く自身3度目の優勝者に輝いた。

2位タンジャ・エラト(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)、1位エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)、3位ソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ)2位タンジャ・エラト(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)、1位エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)、3位ソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ) photo:CorVos
「最後にここで勝利したのは6年前。それからチームはもちろん私の選手としてのレベルなど様々な変化があった。そしてより強い選手となって再び優勝することができた。まぁそれだけ歳を取ったということなんだけどね」とロンゴボルギーニは勝利を喜びつつ笑いを誘った。

また「だけどもっと厳しくチャレンジなレースになってほしい。いつもは90km以上のレースを走っているから、この(サンルーカ)登りをもう2回登ってもいいと思う」と、ロンゴボルギーニはレースの改善点についても語っている。
ジロ・デッレミリア・ドンネ2022結果
1位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) 2:11:53
2位 タンジャ・エラト(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB) 0:03
3位 ソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ) 0:08
4位 アルレニス・シエラ(キューバ、モビスター) 0:09
5位 ヤーラ・カステレイ(オランダ、プラントゥール・プラ)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos