オーストラリアで開催された世界選手権に単騎参戦し、最後のセレクションまで耐えて39位に入った新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)。レースを楽しみつつベストを尽くした一方、僅かに2位グループを取り逃した悔しさを口にしている。



日本から1人で参戦した新城幸也日本から1人で参戦した新城幸也 Photo:Sprint Cycling
総距離266.9km、獲得標高差3,945mという難関コースで争われた世界選手権男子エリートロードレース。序盤の逃げ確定後も強豪国が積極的にペースアップを仕掛けたためレースは終始安定せず、周回ごとに選手が脱落していく気の抜けない展開が続いた。

昨年に自身が打ち立てた最多出場記録を更新し、14回目の世界選手権出場をマークした新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)。国別ランキングによって日本の出場枠1、そしてチームカーなしという条件だったものの、「今大会もスタッフのサポートのおかげで万全の状態でレースに挑むことが出来ました」と新城は振り返る。「ジュニア女子ロードで5位、アンダー23のタイムトライアルで21位と若者達が良い成績を残してくれたおかげで、自分自身も気合いが入った」と、良い心理状態でスタートを切れた、とも。

35位(3分1秒遅れ)でフィニッシュした新城幸也35位(3分1秒遅れ)でフィニッシュした新城幸也 Photo:www.sirotti.it
レース前に「自分の為に走って力を試せる数少ない機会」と話していた新城は、単騎出場もあって「とにかく無駄な動きをせずに最終盤に向けて温存する作戦」を採った。レース中盤までは集団最後尾という定位置をキープし続け、レースが動くたびにポジションを上げて中切れに巻き込まれないよう配慮。優勝したレムコ・エヴェネプール(ベルギー)が独走を決めた後も最終周回まで2位グループに残ったものの、最後の登坂区間でドロップ。マグナス・コルト(デンマーク)やジュリアン・アラフィリップ(フランス)と同じグループ内でフィニッシュにたどり着いた。

2位グループとの差は40秒。あと少しで上位入賞の可能性を取りこぼした新城は「最終周回、もう少しで2位集団に残れたが登りで遅れて、それが今の力なのだが、とても悔しかった。だって2位との差は40秒だったから...。」と残念がる。しかしその一方「集中して、楽しんで270kmを走る事が出来たし、今出来るパフォーマンスは全て出せたと思う」とも。

レース後に笑顔を見せる新城幸也レース後に笑顔を見せる新城幸也 Photo:Team JAPAN 浅田監督
新城の次なる目標は、10月14日〜16日に栃木県宇都宮市で開催されるジャパンカップ。全日本チャンピオンジャージを着ての凱旋は2007年以来(2013年は不参加)となる。

新城はプレスリリースの終わりを「全体的には日本チームの若い選手達の成長が見れてとても充実した世界選手権だった。日本からの応援、ありがとうございました!」と締めくくっている。

text:So Isobe

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