2年ぶりに走ってみっぺ南会津が、そして3年ぶりにその前夜祭が復活。感染対策にも気を使いつつ、ついに再開へ。ある意味本番、と呼ばれる魅惑のひと時、そして奇跡的な天気に恵まれた本大会の様子をレポートしていこう。



2年ぶりの開催となった「走ってみっぺ南会津」2年ぶりの開催となった「走ってみっぺ南会津」
2020年に始まったコロナ禍もワクチンの普及や人々の慣れもあり、だんだんと影響を薄くしてきている昨今。サイクルイベントにおいてもその変化は訪れており、多くのイベントが3年ぶりの復活を果たしてきている。

先日開催された走ってみっぺ南会津もまた、その例に漏れない大会……かと思いきや実は2020年大会はコロナ流行の谷間のタイミングで開催出来ていた強運なイベント。ただ、2021年はあいにく中止となっていたため2年ぶりの開催となった。

とはいえ、実は2020年大会も感染症対策として前夜祭は中止されていたため、フルスペックでの開催は実に3年ぶり。そして、走ってみっぺ南会津はこの前夜祭を抜きにしては語れない。それほど大切な位置づけの企画でもある。

3年ぶりの前夜祭。多くの人が集まった3年ぶりの前夜祭。多くの人が集まった
そんな前夜祭へ向け、台風14号が迫るなか一路東北道を北へ。途中かなり雨足が強くなる区間もあり、安全走行でそろそろと向っていく。本当に開催されるのか少し不安になりつつも西那須野塩原ICで下道へ。しかし、塩原温泉を越え峠を越えると、バラバラと大粒だった雨が急におとなしく。路面もところどころドライになっている。こ、これはもしかするともしかするかもしれない。そう、走ってみっぺ南会津は9回連続で晴れ続き、100%の晴れ大会なのだ。

そんな期待を胸に抱きつつ、前夜祭の会場となるたかつえスキー場のスキーセンタースペーシアへ。受付会場でもあるスペーシアには、既に多くの参加者が集っている。とはいえ、感染症対策もあってかあえて席数が抑えられており、3年前の半分ほどだが、それでも再びこの場所に多くの方が集まっている光景を見れたことが何よりもうれしい。

3年ぶりの鏡開き。久しぶりだったので、練習が必要でした3年ぶりの鏡開き。久しぶりだったので、練習が必要でした
那須ブラーゼンの選手たち那須ブラーゼンの選手たち 宇都宮ブリッツェンの選手たちも登壇宇都宮ブリッツェンの選手たちも登壇


それは、参加者の皆さんも同じ。そして、MCを務める棚橋麻衣さんと廣瀬さん、若杉さんも前夜祭の開催に嬉しさを隠せない様子。棚橋麻衣withB(ブリッツェン&ブラーゼンの頭文字、とのこと)のトークのキレは3年のブランクを経ても衰え知らず、むしろキレを増しているような。

ちなみに今回の前夜祭参加者、およそ半分の方がリピーターで残りの半分の方が初めての走ってみっぺ南会津なんだとか。和気あいあいとした雰囲気の中、宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼンの選手ら、ブリッツェンラバーズや地元栃木のフリーアナウンサーの山口あやさん、そしてサイクルライフナビゲーターの絹代さん&キナンレーシングの畑中夫妻という豪華なゲストたちが次々に登壇。それぞれの自己紹介を兼ねつつ、トークを繰り広げた。

皆さんでカンパーイ!皆さんでカンパーイ! スタッフの皆さんももちろん乾杯!スタッフの皆さんももちろん乾杯!


超エンジョイされているこちらの男性、走ってみっぺ南会津は初参加だそうです超エンジョイされているこちらの男性、走ってみっぺ南会津は初参加だそうです 地元の美味しいものがずらりとならんだビュッフェ方式の夕食地元の美味しいものがずらりとならんだビュッフェ方式の夕食


こちらは南会津名物、岩魚のから揚げこちらは南会津名物、岩魚のから揚げ まんじゅうを天ぷらにするという他ではあまり見ない郷土料理まんじゅうを天ぷらにするという他ではあまり見ない郷土料理


南会津の前夜祭として外せない地酒「花泉」の鏡開きを経て、皆さんお待ちかねの乾杯!今年も会津ラーメンや岩魚の甘酢あんかけ、饅頭天ぷらなどなど、地元ならではの味覚が盛りだくさん。ごはんが行き渡った後のしばらくは、皆さん食べるのに夢中で、会場が少しシン……、としてしまうほどだ。

その後もブリッツェンとブラーゼンの選手らによる走ってみっぺ南会津の思い出やコース攻略法、絹代さん肝煎り企画の「超MAXさぼってみっぺ!南会津」の紹介などが続き、お待ちかねの抽選会へ。え?「超MAXさぼってみっぺ!南会津」って何かって?それはこの走ってみっぺ南会津の最大の難所である最後の登りをスキップできるという秘密兵器のような取り組みなのだ。詳しくは後編レポートをお待ちください(笑)

様々な豪華景品が用意されていた抽選会様々な豪華景品が用意されていた抽選会
花泉をゲット!花泉をゲット!
抽選会では、鏡開きで使われた花泉をはじめ、地元のお米やトマトといった様々な産品、そして主催でもある会津アストリアホテルの招待券など豪華賞品が盛りだくさん。今年は感染症対策もあり参加人数が少なめだったこともあり、当選確率も高かったのは嬉しい誤算だったのではないだろうか。

そんなこんなで、大盛り上がりの中、走ってみっぺ南会津の夜は更け行く。ホテルまでは送迎バスも出ているので、飲酒運転の心配もご無用。とはいえ、翌日に備えてあまり深酒はなさらぬように。私も早々に眠りにつくのであった。



ステージとなったトラックの前に参加者が集まるステージとなったトラックの前に参加者が集まる
そして迎えた翌朝。果たして雨が降らない大会という伝説が、今年も続くのか。雨音は聞こえない。ドキドキしながらカーテンをめくると、快晴、という訳ではないが雨は降っていなさそうだ。

アストリアホテルでの朝食を頂き、準備を整えてメイン会場へ向かうと既に多くの参加者が駐車場に。このころには少し青空も見えてきていて、あちらこちらから聞こえてくるのは「晴れてよかったね」「絶対降ると思ってたよ」という言葉。これで10年連続の晴れ大会に。

金子選手を中心に記念撮影金子選手を中心に記念撮影
南会津のゆるキャラ「んだべぇ」と小野寺選手……と後ろにいるのは……??南会津のゆるキャラ「んだべぇ」と小野寺選手……と後ろにいるのは……??
周りを山に囲まれているという地形的な要素もあるのだろうけど、ここまで来るとやはり「持っている」大会なのだな、という思いを新たにしてしまう。この南会津の地に集まる皆さん、きっと日頃から良い行いをしていらっしゃるのでしょう!

スタート前には、昨晩も登場したゲストたちが勢ぞろい。棚橋麻衣withBのトークを軸に、和やかな雰囲気で開会式も進んでいく。ちなみに、自転車競技の解説で馴染み深いサッシャさんと栗村さんが「我らワールド」というコンビでM1に出場し、見事1次予選を突破したそう。棚橋麻衣withBも挑戦してみてはいかがだろうか。

2年ぶりの走ってみっぺ南会津!楽しんでいきましょう!2年ぶりの走ってみっぺ南会津!楽しんでいきましょう!
サポートライダーを先頭に、各グループがスタートしていきますサポートライダーを先頭に、各グループがスタートしていきます
ブリッツェンラバーズがんだべぇと一緒にお見送りブリッツェンラバーズがんだべぇと一緒にお見送り
さて、恒例の集合写真を撮り終えれば、いざスタートの時。最長距離の100kmコースから、20名ほどのグループごとに走り出していく。各グループにはゲストライダーが先導としてついてくれ、特に最初のダウンヒルを安全なペースで引率してくれるので安心だ。

そう、たかつえスキー場からは4kmほどの下りで、つまりこれは帰りに上ることになるのだけれど、ブレーキを離すとすぐに60km/hくらいは出てしまうほどの斜度である。しっかり減速しながら下っていけば、メインルートとなる舘岩川沿いの国道352号線へ。

そして、美しい舘岩川の流れと共にそのまま下流へ向かっていく。広々とした道幅の道路で、初心者の方も安心して走りやすいのがこのイベントの特徴でもある。もちろん行きかう車も少なく、またコース全体で見ても信号が1か所しかないというのも走ってみっぺ南会津の「ゆるーい」雰囲気を支えている要素だろう。

2年ぶりの走ってみっぺ南会津、思わず笑顔が溢れます2年ぶりの走ってみっぺ南会津、思わず笑顔が溢れます
そのままゆるーい斜度の川沿いの下り道をしばらく快走するとあっという間に第一エイドの舘岩広域観光案内所に到着。こちらではスポーツドリンクやコーラ、お茶、そしてもちろん水といったドリンク類と軽い補給として会津クッキーが用意されていた。

朝ごはんも食べたばかりなので、軽い補給内容はまさにピッタリ。ボトルに水を詰め、1枚クッキーを頂き、ポケットに忍ばせておいて、再出発。ここからもしばらく下り基調の道が続いていく。晴れ間も増えつつ、気温もちょうどいい。絶好のサイクリング日和となってきた!

text&photo:Naoki Yasuoka