3日連続でスプリント決着となったシマック・レディース・ツアー第3ステージ。普段ロレーナ・ウィーベスのリードアウトのを務めるシャーロッテ・コール(共にオランダ、チームDSM)が、ウェーベスのアシストを受けてワールドツアー初勝利を掴んだ。



笑顔でスタートを待つオランダ王者のリアンヌ・マークス(ユンボ・ヴィスマ)笑顔でスタートを待つオランダ王者のリアンヌ・マークス(ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
国土の4分の1が海面より低いオランダを舞台に開催中の第25回シマック・レディース・ツアー(UCIワールドツアー)。第3ステージはオランダ南東部ヘネプを発着点に、標高僅か90mの丘(距離2.1km/平均3.2%)を2度越える139.1kmコースで争われた。

3日連続の集団スプリントが予想されたフラットステージは、スタートから55km地点でようやく4名の逃げ集団が決まる。ワールドチームのUAEチームADQに所属するソフィー・ライト(イギリス)が入ったこの逃げに対し、メイン集団を牽引するチームDSMは1分以上の差を許さずコントロール。逃げグループは残り60km地点で早々に引き戻された。

ウィーベスの繰り下げでポイント賞ジャージを着用するカーリーン・スヴィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)ウィーベスの繰り下げでポイント賞ジャージを着用するカーリーン・スヴィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
序盤から中盤にかけて散発的なアタックが繰り返された序盤から中盤にかけて散発的なアタックが繰り返された photo:CorVos
再びひと塊になった集団では、ロレーナ・ウィーベス(オランダ)を擁するチームDSMのアシスト陣を削るべくアリス・バーンズ(イギリス、キャニオン・スラム)ら4名がアタック。その後アリソン・ジャクソン(カナダ、リブレーシング・エクストラ)などが散発的な攻撃を繰り返したもののレース展開に影響を及ぼすことはなかった。

大会初日から数えて3日連続となる集団スプリントでは、バイクエクスチェンジ・ジェイコやユンボ・ヴィスマ、チームDSMがトレインをぶつけ合った。バイクエクスチェンジ・ジェイコが主導権を握りながら最終ストレートに入ったが、それまでポジションを下げていたウィーベスが、普段はリードアウトの最終発射台を務めるシャーロッテ・コール(オランダ)を率いて一気に集団の先頭に出た。

ウィーベスのアーリースプリントとも呼べる爆発的な加速が、コールだけを引き連れてライバルたちを引き離す。最終的に圧倒的なリードを得たコールが、ガッツポーズするウィーベスに見送られながら先頭でフィニッシュラインを通過した。

シャーロッテ・コールの前を走るロレーナ・ウィーベス(共にオランダ、チームDSM)シャーロッテ・コールの前を走るロレーナ・ウィーベス(共にオランダ、チームDSM) photo:CorVos
ワールドツアー初勝利を飾ったシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)ワールドツアー初勝利を飾ったシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
自らの3連勝ではなく、同じ23歳のコールに勝利を譲った理由をウィーベスは「(コールとは)共に最高のシーズンを過ごしている。だからこそシャーロッテには来年に向けてステップアップする必要があると思った」と説明する。来Dワークスへの移籍が決まっているウィーベスが、来季よりチームDSMのエーススプリンターを務めるコールに勝利をもたらした。

「ロレーナ(ウィーベス)が他を圧倒するリードアウトをしてくれた。私は皆の素晴らしいチームワークによる走りを、勝利で報いるだけだった。チームとして3連勝かつ、ステージを通してレース展開をコントロールすることができた。この勝利を誇りに思う」と、ワールドツアー初勝利を飾ったコールは喜んだ。

勝利によって総合でも2位にジャンプアップしたシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)勝利によって総合でも2位にジャンプアップしたシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
区間2位で総合タイムを更に拡大したロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)区間2位で総合タイムを更に拡大したロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
シマック・レディース・ツアー2022第3ステージ結果
1位 シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) 3:16:44
2位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)
3位 ジョージア・ベイカー(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
4位 クララ・コッポニ(フランス、FDJスエズ・フチュロスコープ)
5位 タマラ・ドロノヴァ(ロシア、ローランド・コジャース・エーデルワイススクァッド)
個人総合成績
1位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) 9:28:36
2位 シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) 0:17
3位 タマラ・ドロノヴァ(ロシア、ローランド・コジャース・エーデルワイススクァッド) 0:18
4位 オードリー・コードンラゴ(フランス、トレック・セガフレード) 0:21
5位 ロンネケ・ウネケン(オランダ、SDワークス) 0:23
その他の特別賞
ポイント賞 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)
山岳賞 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)
ヤングライダー賞 ロンネケ・ウネケン(オランダ、SDワークス)
チーム総合成績 リブレーシング・エクストラ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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