全日本大学対抗選手権自転車競技大会(通称インカレ)が、鹿児島県根占(ねじめ)自転車競技場で開幕。初日は男子チームパーシュートと男女個人パーシュートの決勝が行われた。チームパーシュートは朝日大学が優勝。そのメンバーの安達光伸が個人パーシュートでも優勝し、初日にして早くも2冠を達成した。



2019年に333.33mバンクに改修された鹿児島県根占自転車競技場2019年に333.33mバンクに改修された鹿児島県根占自転車競技場 photo:Satoru Kato
鹿児島県の塩田康一知事が来場された鹿児島県の塩田康一知事が来場された photo:Satoru Kato2021年総合優勝の日本大学から優勝旗が返還される2021年総合優勝の日本大学から優勝旗が返還される photo:Satoru Kato

鹿児島県でのインカレ開催は2012年以来10年ぶり。今大会のトラック競技会場となる根占自転車競技場は2012年大会でも使用されたが、鹿児島国体開催決定を機に2019年に改修され、従来の400mバンクから333.33mバンクに生まれ変わった。しかし折からのコロナ禍により鹿児島国体は2020年から2023年に延期されることになったため、今大会が国体自転車競技のリハーサル大会を兼ねての開催となった。

開会式には鹿児島県の塩田康一知事や、開催地の南大隅町の石畑博町長らが出席。鹿児島国体とあわせ、今回のインカレ開催に対する熱量を感じさせた。

台風の接近により天候が危ぶまれたが、初日は晴れて残暑が厳しい1日。時々通り雨が強く降ったことで湿度が高くなる中で各種目が行われた。



個人パーシュート 男子は安達光伸が大会新記録で優勝 女子は渡部春雅が優勝

男子4km個人パーシュート 同組出走の伊藤恭(中央大学)を抜いていく安達光伸(朝日大学)男子4km個人パーシュート 同組出走の伊藤恭(中央大学)を抜いていく安達光伸(朝日大学) photo:Satoru Kato
女子3km個人パーシュート優勝 渡部春雅(明治大学)3分48秒814女子3km個人パーシュート優勝 渡部春雅(明治大学)3分48秒814 photo:Satoru Kato
初日最初に行われた決勝種目は個人パーシュート。予選を行わず、タイムトライアル形式の決勝のみで行われた。

男子4kmは、昨年12月の全日本選手権で学連新記録を出した安達光伸(朝日大学)が4分25秒台の大会新記録を出して優勝。2位以下に約9秒の大差をつけて圧勝して見せた。女子は渡部春雅(明治大学)がインカレ初優勝を挙げた。

男子4km個人パーシュート 表彰式男子4km個人パーシュート 表彰式 photo:Satoru Kato女子3km個人パーシュート 表彰式女子3km個人パーシュート 表彰式 photo:Satoru Kato

個人パーシュート 結果
男子4km
1位 安達光伸(朝日大学) 4分25秒912(大会記録)
2位 大仲凛功(早稲田大学) 4分34秒282
3位 岡本勝哉(日本大学) 4分36秒314
4位 佐藤 岳(慶應義塾大学) 4分38秒438
5位 伊藤 恭(中央大学) 4分39秒002
6位 津留 崚(鹿屋体育大学) 4分43秒976
女子3km
1位 渡部春雅(明治大学) 3分48秒814
2位 岩元杏奈(日本体育大学) 3分50秒244
3位 成海綾香(鹿屋体育大学) 3分51秒483
4位 太郎田水桜(法政大学) 3分55秒699
5位 大倉こころ(早稲田大学) 3分55秒887
6位 石田 唯(早稲田大学) 3分58秒716


朝日大学がチームパーシュート優勝 地元鹿屋体育大学が3位

男子4kmチームパーシュート優勝 朝日大学(日比野、安達、山本、長谷川)4分14秒084男子4kmチームパーシュート優勝 朝日大学(日比野、安達、山本、長谷川)4分14秒084 photo:Satoru Kato
男子4kmチームパーシュート2位 中央大学(馬越、中村、伊藤、山下)4分14秒662男子4kmチームパーシュート2位 中央大学(馬越、中村、伊藤、山下)4分14秒662 photo:Satoru Kato男子4kmチームパーシュート3位 鹿屋体育大学(古谷田、伊澤、津留、福迫)4分16秒144男子4kmチームパーシュート3位 鹿屋体育大学(古谷田、伊澤、津留、福迫)4分16秒144 photo:Satoru Kato


今年のインカレ総合優勝を占う上で重要となる団抜き=チームパーシュートは、予選・決勝を行わずタイムトライアル形式の決勝のみで行われた。

強めの風が影響してか崩壊する大学が続出する中、残り2kmから3名でハイペースを維持して走り切った朝日大学が4分14秒台のトップタイムを出す。直後に走った中央大学も4分14秒台を出すも0.6秒及ばず、昨年大会で学連新記録を出した日本大学はタイムが伸びず4位に終わる。一方で、ここがホームバンクをも言える鹿屋体育大学が3位に入った。

朝日大学の安達は、個人パーシュートと合わせて初日にして2冠を達成した。

男子4kmチームパーシュート 表彰式男子4kmチームパーシュート 表彰式 photo:Satoru Kato
安達光伸 コメント
「本当は4分8秒台を目指していたが、風が強かったのとこのバンクならこのタイムで満足している。自分達よりも前に走った組ではもっと風が強かったので、それに備える走りを心掛けた。練習の時と走る順番を変えたので、早めに3人になったのは作戦通りだった。

個人パーシュートとあわせて2本走ったのはキツかったけれど、初日から2冠を獲れたことはチームにとっても良い影響になると思う」

日比野丈 コメント
「ぜんぜん練習も出来ず合宿も出来ず、合わせもあまり出来ない中、あまり調子が良くなくて足を引っ張ってしまったが、後輩達に支えてもらって優勝出来て嬉しい。今回はこの種目だけなので、明日からはサポートに徹したい」

山本大智 コメント
「監督に9秒台を出せと言われて、そこには及ばなかったけれど、みんなで欠点を補い合って優勝出来たことが嬉しい。明日はオムニアムに出るが、得点が高いので重要になる種目。体調整えて頑張りたい」

長谷川大悟 コメント
「練習では僕が足をひっぱることも多くて、出走直前までちぎれないか心配で足が震えていたけれど、最後までついて走り切れて良かった。安達君が2冠取って良い雰囲気なので、明後日のマディソンで着取れるように頑張りたい」
男子4kmチームパーシュート 結果
1位 朝日大学(日比野、安達、山本、長谷川) 4分14秒084
2位 中央大学(馬越、中村、伊藤、山下) 4分14秒662
3位 鹿屋体育大学(古谷田、伊澤、津留、福迫) 4分16秒144
4位 日本大学(生野、岡本、北嶋、吉川) 4分16秒816
5位 早稲田大学(山田、美甘、大仲、神村) 4分18秒239
6位 日本体育大学(川田、松原、北村、松岡) 4分18秒898


スプリント予選 男子トップは伊藤京介 女子は小原乃亜

男子スプリント予選1位 伊藤京介(日本大学)10秒143男子スプリント予選1位 伊藤京介(日本大学)10秒143 photo:Satoru Kato
女子スプリント予選1位 小原乃亜(八戸学院大学)11秒653女子スプリント予選1位 小原乃亜(八戸学院大学)11秒653 photo:Satoru Kato
200mフライングタイムトライアルで行われるスプリントの予選。10秒台前半の争いとなった男子は、ただ1人10秒1台を出した伊藤京介(日本大学)がトップ。女子は小原乃亜(八戸学院大学)がトップとなった。スプリントの決勝はトラック競技最終日の3日目(9月3日)に行われる。

タンデムスプリント予選1位 日本大学(邊見、三浦)17秒021タンデムスプリント予選1位 日本大学(邊見、三浦)17秒021 photo:Satoru Kato
タンデムスプリント予選は17秒台前半の争いとなり、日本大学がトップ。2位に鹿屋体育大学、3位に中央大学が続く結果となった。

スプリントの決勝はトラック競技最終日の3日目(9月3日)に行われる。
スプリント予選(200mフライングタイムトライアル)結果
男子
1位 伊藤京介(日本大学) 10秒143
2位 三神遼矢(日本大学) 10秒265
3位 福田健太(中央大学) 10秒294
4位 大橋真慧(中央大学) 10秒381
5位 田村一暉(京都産業大学) 10秒391
6位 中島康征(法政大学) 10秒433
7位 新垣慶晃(鹿屋体育大學) 10秒504
8位 吉岡優太(明治大学) 10秒506
女子
1位 小原乃亜(八戸学院大学) 11秒653
2位 大野風貴芽(日本体育大学) 11秒667
3位 中西美央(鹿屋体育大学) 11秒777
4位 年見穂風(鹿屋体育大学) 11秒894
男子タンデムスプリント予選 結果
1位 日本大学(邊見、三浦) 17秒021
2位 鹿屋体育大学(下山、香西) 17秒270
3位 中央大学(植松、井出) 17秒319
4位 明治大学(福地、吉田) 17秒519
5位 日本体育大学(山本、清水) 17秒520
6位 朝日大学(吉野、白井) 17秒631
7位 法政大学(小西、平川) 17秒830
8位 同志社大学(西岡、前田) 18秒098

インカレ2日目は、男女チームスプリント、男女オムニアム、男子ケイリン、女子500mタイムトライアルの決勝が行われる。


text&photo:Satoru Kato

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