スペイン本土に突入後初の集団スプリントを制したカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)は「残念なニュースを払拭する勝利」と、コロナ陽性で棄権したSイェーツに言及し喜んだ。ブエルタ11日目を選手たちのコメントで振り返ります。



区間優勝 カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)

大集団スプリントを制したカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)大集団スプリントを制したカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) photo:Unipublic
最高の気分だよ。今朝サイモン(イェーツ)がコロナ陽性になったニュースを聞き、チームメイトが皆落ち込んでいた。しかし、この勝利が再び皆が前を向くきっかけとなるだろう。もちろん勝利は嬉しいが「彼もこの場にいれば」と思わざるを得ない。

この勝利はチームのおかげなので彼らに感謝したい。ルーク(ダーブリッジ)が1日を通して前を牽き、横風に対しては早めに準備を整えた。序盤に横風がプロトンを襲うと思いきや、ラスト4kmまで何もなかった。最後は風の中でもチームは僕を集団先頭で守ってくれ、おかげで脚をフレッシュな状態に保つことができた。

グランツールで初のステージ優勝を喜ぶカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)グランツールで初のステージ優勝を喜ぶカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) photo:Unipublic
勝利を確信したのは約100〜50m辺り。他の選手が自力でポジションを上げる中、チームが集団先頭で隊列を組んでいた僕はフレッシュな脚でスプリントを開始することができた。

これが僕にとって初めてのグランツールでの勝利。ここまでとても良いシーズンとなっている。だが、この後も更なる勝利を狙っていきたい。これからそのための計画を立てなくてはならないね。

区間2位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)

勝利には届かなかったダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)勝利には届かなかったダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
チームが僕のスプリントを信じてサポートしてくれた。最終ストレートではずっとグローブスの背後につき、風避けにした。かなり良い位置だと思ったのだが、右から仕掛けた選手(デゲンコルプ)の影響でスプリントが少し早めに始まったんだ。そんな中でも僕はグローブスの背後から良い加速ができた。

その後にほんの一蹴だけ躊躇したことが勝敗をわけだのだろう。それさえなければ勝っていたはず。だけど今日は次なるスプリントへの自信に繋がった。自分の走りには満足しているし、次回は少し登り基調のスプリント。僕に向いたレイアウトだと思う。

区間5位&ポイント賞 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)

勝負に絡むことができなかったマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)勝負に絡むことができなかったマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
ラスト3kmは長い直線と追い風の吹く混沌とした展開でだった。それ以外が楽なレースだったので、最後は尚更厳しく感じたよ。アレックス・キルシュが残り300mで絶好の位置まで導いてくれたものの、今日は自分のロングスプリントを信じて発射することができなかった。

そのため計算が狂い、スプリントの開始が遅れて囲まれてしまった。今日起こったことは変えることができないものの、自分の犯した過ちを見つめ改善することはできる。今日の過ちとは、勝利に向かい戦うことができなかったことだ。

区間7位 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チームDSM)

全体として良い1日だった。ブエルタの中でも最も”簡単”なステージだったと言える。最後はスプリントを開始するのが少し早すぎたものの、勝利を争う勝負に入ることができ嬉しかった。とても暑く、水分補給と身体を冷やすことが重要な日となった。

マイヨロホ&ヤングライダー賞 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)

レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
(ジュリアン・アラフィリップの棄権がなければ)もっと美しいステージとなったのに残念だよ。彼の詳細についてはまだ把握していないものの、チームとして大きな損失だ。それが今日のような静かなステージで起きてしまったんだ。残念で仕方がないよ。とにかくルル(アラフィリップ)の無事を願っている。

彼の前を走っていたので落車自体は見ていない。彼は第1週目の後半に活躍してくれたのでとても残念だが、大事なチームメイトを失ったのは僕たちだけじゃない。ロード世界王者である彼をこんな馬鹿げた形で失うのは悲しいよ。でもこの後も他のチームメイトたちが力になってくれるはずだ。

翌日の山頂フィニッシュについて語るユンボ・ヴィスマのアディ・エンヘルス監督

2分41秒遅れの総合2位につけるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)2分41秒遅れの総合2位につけるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
明日の最終山岳は長く厳しい。それに明日も灼熱の中、長い距離のレースとなる。また明日の山岳はここまでブエルタに登場したものとは違った登坂となるだろう。私は明日は逃げが勝利を掴む日と予想する。我々はこれから訪れるであろうチャンスを最大限に活かさなければならない。だからこそ今週末(の山岳ステージ)がタフなステージであったとして、その前に来るチャンスを掴みにいくつもりだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic, CorVos

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