2010年に再整理とも言えるモデルチェンジによりラインナップが一新されたパナレーサーのロードレース用タイヤ「RACE」シリーズ。今回はその3種のタイプであるtype D/A/Lを比較しながら乗り比べて、それぞれの特徴を探ってみた。

それぞれの特徴やスペックについてはスペシャルコンテンツ「新しい戦闘力 パナレーサー RACE」に詳しく紹介しているのでご覧いただきたいが、ここでもう一度簡単におさらいしておこう。

トータルバランスに優れたオールラウンドの「type A(=All around)」、「3Dケーシング」でタイヤ全体を覆い、耐パンク性能を強化した「type D(=Duro)」、ヒルクライムやタイムトライアルなど、0コンマ1秒を削りたい場面で威力を発揮する軽量タイプの「type L(=Light)」。ご覧の通り、それぞれの名称はタイヤの特徴を表す頭文字で、商品名から使用用途がイメージできるようになっている。

RACE type DRACE type D photo:PanaracerRACE type ARACE type A photo:PanaracerRACE type LRACE type L photo:Panaracer

構造としては、高いグリップ性能に定評ある「ZSGデュアルコンパウンド」を3種全てのモデルが採用しており、そこに走行条件に応じた味付けがなされていると考えればわかりやすい。

今回、乗り比べ試乗テストを行うにあたり、3種の相違を確実に感じる為にテストスペックを統一しインプレに臨む事とした。3種ともにサイズは23cを選択し、同社のR-AIRチューブを使用。空気圧は8.0bar固定。コースは荒れた路面、良好な路面、滑りやすい路面などの多様な舗装状態のあるサイクリングロードで、1種あたり50km程の試走となる。


type A

あらゆるシーンに標準的に対応する事ではなく、全てのシーンでベストな性能を提供してくれるあらゆるシーンに標準的に対応する事ではなく、全てのシーンでベストな性能を提供してくれる photo:(c)cyclowired.jpまずはtype Aからのスタートだ。オールラウンドとの位置付けからネーミングを施されたこのtype A。スタートと同時に、その漕ぎ出しの軽さに驚かされた。従来の「バリアントEVO3-PT」のイメージを持って試乗に臨んだ私の感覚は良い意味で裏切られたのだ。

速度域を上げていっても、この軽快感に頭打ちは来ない。入力を増した分だけ速度が上がってくれるのがクランクを通して伝わってくる。パナレーサー独特の剛性を感じさせる若干固めの乗り心地は転がり抵抗の小ささをアピールしてくる。

高い速度を維持したままコーナーに侵入してみたが、このタイヤの持つ高いグリップ性能のおかげで不安を感じる事は無い。狙ったラインを狙った通りにトレースする事がストレスなく実現できる。通常では使用しない程のハードブレーキングを試みても、グリップがブレイクする事なく、リアタイヤがリフトしてくる。元来より、パナレーサータイヤのグリップの高さには定評があったが、今回もこのグリップの高さには感心させられるばかりである。

梅雨時の晴れ間を狙って試乗テストを行った事により、試乗コースにはハーフウェット部分が点在していたが、濡れた路面でも路面に貼り付くようなグリップの高さに不安を感じる事はなかった。

このタイヤの意味するオールラウンドはあらゆるシーンに標準的に対応する事ではなく、全てのシーンでベストな性能を提供してくれると理解しても間違いは無さそうである。軽快な踏み込み、転がり抵抗の小ささ、抜群のグリップ力と全ての要素を高い次元で実現したのがこのtype Aと言えるだろう。このtype Aを履いた車体をスリップダウンさせられるのは濡れたマンホールくらいしか無いと思わせる程のグリップに、ただただ感心させられた。


type L

type Lは、転がりの軽さと重量的な軽さがミックスされて、さらなる軽快感を生み出しているtype Lは、転がりの軽さと重量的な軽さがミックスされて、さらなる軽快感を生み出している photo:(c)cyclowired.jp次はtype Lだ。メーカー曰く「特に軽さを必要とする時の軽量タイプ」との事であるが、なるほど軽い。試乗コースの登り部分では、通常より1枚重いギアを選択しても普段と同じ入力負荷で登っていける。重量的な軽さと共に転がりの軽さのおかげで、タイヤだけでこんなに違うモノかと改めて感じさせられるほどだ。

登り区間のアベレージスピードが上がっている事が体感でき、自身の脚力が増したかの様な錯覚を覚えるほどだ。この軽さはヒルクライムを嗜むライダーにとっては間違いなく強い味方になるだろう。加えてこの軽さでありながらPTベルトがトレッド下に内臓されており、耐パンク性能にも配慮されているのは心強い。


type D

最後にtype Dだ。このタイヤは我々編集部には馴染みが深い従来の「Duro-PT」の進化判である。リム打ちや貫通、サイドカットなどあらゆるパンク要因に威力を発揮する「3Dケーシング」でタイヤ全面をカバーし、トレッド下部に「PTベルト」をプラスすることで、シリーズ最強の耐パンク性能を実現する手法は従来通りだ。

仕事がらパンクのリスクを極力避けたい我々編集部がイベント実走取材時に必ずチョイスするほど、その「耐パンク性能」への信頼は厚い。流石にtype Lから乗り換えると軽さの面ではハンディを感じるが、平均点を十分にクリアしているのは間違いない。それでいて高いグリップ力は安心感を与えてくれる。耐パンク性能とハイグリップの両立を果たしているtype Dは、ヘビーユーザーの通常使用に最もお勧め出来るタイヤと言えるだろう。

以上、3種を乗り比べた所見は、D→A→Lと軽くなるほど耐パンク性が落ちるものと思われるが、しなやかさは増していく。重量をもとに用途によって選ぶのがいいだろう。

Duro-PTの進化形、type D。パンクが命取りとなる編集部の実走取材でも常用タイヤになりそうだDuro-PTの進化形、type D。パンクが命取りとなる編集部の実走取材でも常用タイヤになりそうだ photo:(c)cyclowired.jp
パナレーサーのロードタイヤはいずれも「オールコンタクトトレッドシェイプ」という形状が特徴だ。直線路で走行抵抗が軽く、倒しこむと設置面積が増してグリップも向上する。

そのため他社の丸断面のタイヤに比べてバイクを倒しこむときにハンドル操作が軽く「クイっ」と入っていく。そしてコーナリング中はタイヤが「べったり」と地面に張り付くという、パナレーサー独特のクセを感じることがある。人によってはこのハンドリングが自然でないとも言え、好みが分かれるところだが、直進時の走行感が軽く、コーナリング中は安心感が増すというコンセプトはユニークで、メリットがあると感じる。トップが摩耗して低くなるとそのクセは徐々に弱くなっていく。

路面コンディションのドライ・ウェットを問わず、そのグリップ力の高さは3種共に驚くほど高い次元にあり、この安心感はチョイスしたライダーにとって大きなアドバンテージとなるだろう。

以前のラインナップはネーミングがダブるなど似通っていて、どれを選べばよいか判りにくかった(それ以上に名称を覚えられなかった)が、今回タイプごとに整理されたことで分かりやすくなったのもありがたい。

イメージ的には欧米ブランドに比べ若干のハンディを負う点はあるものの、品質は世界トップクラスの性能をもっている。今回のモデルチェンジで性能に磨きがかかり、より選び易くもなった。



上からRACE type L、type D、type A。DとAはカラーバリエーションがある上からRACE type L、type D、type A。DとAはカラーバリエーションがある photo:Panaracer

RACE type D
サイズ及び重量 700×23C(230g)、700×25C(260g)
サイドカラー ブラック、ブラウン
テクノロジー ZSGデュアルコンパウンド、3Dケーシング、PTベルト、オールコンタクトトレッドシェイプ
アラミドビード
参考価格 6,480円(税込)

RACE type A
サイズ及び重量 700×23C(210g)、700×25C(240g)
サイドカラー ブラック、レッド、ブルー
テクノロジー ZSGデュアルコンパウンド、PTシールド、AXケーシング、オールコンタクトトレッドシェイプ、アラミドビード
参考価格 5,680円(税込)

RACE type L
サイズ及び重量 700×20C(175g)、700×23C(185g)
サイドカラー ブラック
テクノロジー ZSGデュアルコンパウンド、PTベルト、AXケーシング、オールコンタクトトレッドシェイプ、アラミドビード
参考価格 5,680円(税込)

impression & text: Makoto.AYANO



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