ブエルタ・ア・ブルゴス開幕初日の登坂フィニッシュで、サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が圧勝。フィニッシュ後にアシストを務めた新城幸也への感謝も口にしている。



昨年ブエルタ開幕を迎えた、世界遺産ブルゴス大聖堂前を出発昨年ブエルタ開幕を迎えた、世界遺産ブルゴス大聖堂前を出発 photo:VueltaBurgos
ブエルタ・ア・ブルゴス2022第1ステージ コースプロフィールブエルタ・ア・ブルゴス2022第1ステージ コースプロフィール ブエルタ・ア・エスパーニャの前哨戦として知られるブエルタ・ア・ブルゴス(UCI2.Pro)が開幕した。カスティーリャ・イ・レオン州のブルゴス県を舞台にし、5日間に平坦と丘陵、そして山岳ステージがバランス良く詰め込まれるステージレースで、最終日には超級山岳ラグナス・デ・ネイラ(登坂距離11.9km/平均勾配6.2%)の山岳決戦が用意されている。

第二次世界大戦直後の1946年に産声をあげ、1981年に復活して以降毎年開催されている同大会は今年で合計44回目。ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)は全日本王者の新城幸也を伴って出場し、共に現役最終グランツールを目指すヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)や、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)、エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)といった総合勢が集結。スプリンター層はやや薄いものの、UAEチームエミレーツはフェルナンド・ガビリア(コロンビア)とマッテオ・トレンティン(イタリア)の二枚看板を揃えてきた。

開幕ステージは、昨年ブエルタの開幕個人タイムトライアルでも使われた3級山岳アルト・デル・カスティーリョ(全長900m・平均5.3%)を合計2度駆け上がる登りフィニッシュ。部分的に石畳が敷かれ、いくつものテクニカルコーナーが待ち受けるフィニッシュは飛び出すタイミングも重要で、この日はサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が卓越した勝負勘を披露することとなる。

ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:VueltaBurgosヘスス・エスケラ(スペイン、ブルゴスBH)を含む3名が逃げるヘスス・エスケラ(スペイン、ブルゴスBH)を含む3名が逃げる photo:VueltaBurgos

バーレーン・ヴィクトリアスがメイン集団をコントロール。隊列後方に新城幸也の姿もバーレーン・ヴィクトリアスがメイン集団をコントロール。隊列後方に新城幸也の姿も photo:VueltaBurgos
当然のように、地元を代表するヘスス・エスケラ(スペイン、ブルゴスBH)を含む3名がエスケープ。風力発電機が立ち並ぶ強風区間でのペースアップも功を奏さず、新城幸也とハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がランダたちを従えてペースコントロール。逃げる3名との差を順調に取り除き、20kmを残して「グルッポ・コンパット(集団一つ)」となる。

残り14kmで迎えた1回目の3級山岳アルト・デル・カスティーリョでは予想通り激しいアタックが掛かったものの、下った先の平坦区間で集団がまとまり、エースを好位置で登坂に送り込むべく各チームが激しく位置取り争いを繰り広げる。ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト)を先頭に登りに入り、一瞬ペースが緩んだ隙を突いてサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)がするすると抜け出した。

有力勢が牽制する間にリードを築いたブイトラゴが、勢いよく登坂を駆け上がる。追撃体制を整えたものの、一度ペースを緩めたことが災いした後続勢を尻目に逃げ切った。

3級山岳アルト・デル・カスティーリョを駆け上がったサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)3級山岳アルト・デル・カスティーリョを駆け上がったサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:VueltaBurgos
同じコースで争われた昨年大会開幕ステージで4位になっていたブイトラゴが、そのリベンジを達成。大聖堂を望む展望台でリーダージャージを受け取りつつ、「今年は経験を重ね、タイミング良くアタックできたんだ。チームからの素晴らしいアシストを受け、ユキ(新城幸也)がアタックするのに絶好のポジションまで引き上げてくれたんだ」と、新城幸也のアシストにも感謝する。総合首位に立っているが、チームはあくまでランダとジーノ・メーダー(スイス)で総合成績を狙うと話している。

総合勢もこの日の登坂勝負に絡み、2位ゲレイロ以下には3位テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)、4位4位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)、5位,ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)とランクインしている。
ブエルタ・ア・ブルゴス2022第1ステージ結果
1位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) 3:43:31
2位 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:03
3位 テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
4位 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
5位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン) +0:05
83位 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) 2:12
個人総合成績
1位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) 3:43:31
2位 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:03
3位 テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
4位 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
5位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン) +0:05
その他の特別賞
ポイント賞 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)
山岳賞 パブロ・セビーリャ(スペイン、エオーロ・コメタ)
ヤングライダー賞 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)
チーム総合成績 イネオス・グレナディアーズ

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