優勝候補のロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)が下りで落車したツール・ド・フランス ファム6日目。リードアウトを組んだトレックを退けたマイヨジョーヌのマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が今大会2勝目をマーク。翌日から始まる山岳決戦を前に2位とのリードを拡大している。



マイヨジョーヌを着用して勝利を狙うマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)マイヨジョーヌを着用して勝利を狙うマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos翌日から始まる山岳決戦に向かうアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)翌日から始まる山岳決戦に向かうアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos

2日連続の勝利を目指すロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)2日連続の勝利を目指すロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
ツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト2022第6ステージコースマップツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト2022第6ステージコースマップ image:A.S.Oツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト2022第6ステージコースプロフィールツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト2022第6ステージコースプロフィール image:A.S.O

本格山岳2連戦を翌日に控えたツール・ド・フランス ファム(UCIワールドツアー)第6ステージに舞台は、サン・ディエ・デ・ヴォージュから丘陵地帯を西進しロスハイムを目指す128.6km。難易度の低い4つのカテゴリー山岳とボーナスポイントの丘を越え、一度フィニッシュ地点を通過後、4級山岳をクリアして下り基調のフィニッシュを迎える。

コースの大部分は平坦路だが、細かくアップダウンを繰り返す地形は逃げ向き。スプリンターにとっては実質的にラストチャンスとなるこの日の鍵は、フィニッシュ手前11km地点から始まる4級山岳ボーエシュ峠(距離2km/平均4.4%)がポイントとなる。そしてその予想通り、逃げ集団とスプリンターチームとの駆け引きが好レースを作った。

まだ今大会勝利のないトレック・セガフレードやバイクエクスチェンジ・ジェイコが中心となった逃げ集団は14名。しかし集団スプリントを目指すチームDSMが抑え役としてフランシスカ・コッホ(ドイツ)を送り込み、メイン集団側もを逃げに選手を送り込めなかったUAEチームADQが徹底コントロールを行ったため、タイム差が2分を上回ることはなかった。

サン・ディエ・デ・ヴォージュをスタートする選手たちサン・ディエ・デ・ヴォージュをスタートする選手たち photo:CorVos
クリスティーヌ・マジュラス(ルクセンブルク、SDワークス)ら14名の逃げ集団クリスティーヌ・マジュラス(ルクセンブルク、SDワークス)ら14名の逃げ集団 photo:CorVos
UAEチームADQに加えてバルカー・トラベル&サービスもプロトン牽引に合流し、逃げ集団ではジョセリン・ローデン(イギリス、ウノエックス・プロサイクリングチーム)が積極的に山岳ポイントを加算。登坂適性を見せる34歳の前アワーレコードホルダーは、これにより山岳賞ランキングで2位浮上に成功している。

残り距離を順調に消化していくにつれ徐々に緊張感も高まる。レースが動きを見せたのは残り28km地点のボーナスポイントの丘だった。FDJ・スエズ・フチュロスコープが登りで加速するとメイン集団が分裂。しかしマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)はもちろん前日勝者のロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)、エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)らをふるい落とすまでには至らなかった。

しかし急激にペースアップしたまま突入した下りでウィーベスとロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)が落車する事態に。コペッキーが問題なくプロトンに復帰した一方で、ウィーベスは無事完走を果たしたものの、擦過傷に加え右肘を縫う怪我を負ってしまった。

落車後、1人完走を目指すロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)落車後、1人完走を目指すロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
前日に続き、終盤でメイン集団の先頭に出たエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)前日に続き、終盤でメイン集団の先頭に出たエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos
この日一番の優勝候補が脱落したプロトンが1度目のフィニッシュ地点を通過する。ウィーベスを失ったドイツ王者のリアヌ・リッパート(チームDSM)がペースアップを図ったものの影響はなく、集団はひと塊で最終4級山岳を越えていった。

フィニッシュまで下り区間に入り、欧州王者のエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)が前日に続いて先頭へ。逃げから飛び出し最後まで粘ったマリー・ルネット(フランス、FDJスエズ・フチュロスコープ)をプロトンが飲み込むと、各チームがトレインを組んで集団スプリントになだれこんだ。

ファンダイクを先頭にフラムルージュ(残り1km)をくぐり、牽引を引き継いだトレック・セガフレードのエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)の背後から残り150mでバルサモがスプリントを開始する。しかしバルサモは伸びず、反対に横に並んだフォスがフェンス右側でコペッキーを抑え込みながら踏み続ける。フォスはマルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)とコペッキーに前を譲ることなく、マイヨジョーヌを着て今大会2勝目を掴み取った。

ライバルたちを抑え込むマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)ライバルたちを抑え込むマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
マイヨジョーヌのマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が先頭でフィニッシュマイヨジョーヌのマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が先頭でフィニッシュ photo:CorVos
「ファンタスティックとしか言えない勝利。いまだこの現実が信じられない。バルサモが加速したのが見えたので、私も同時に踏み込んだ。すると私の方がスピードで上回っているのを感じた。あれ以上の速度は出せなかったので、そのまま先頭でフィニッシュできることを祈っていた。チームワークに勝利で報いることができて本当に嬉しい」。マイヨジョーヌを着て挙げた勝利をフォスはそう喜んだ。

ボーナスタイム-10秒を加えたフォスは、総合2位のシルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス)とのタイム差を30秒まで拡大。しかし第7、8ステージと1級山岳が連続する山岳決戦が幕開けるため、マイヨジョーヌの行方は分からなくなりそうだ。

首位と30秒差の総合3位につけ、総合優勝候補の1人に挙げられるカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)は「明日のステージは1つ目の山岳が最も厳しく、調子が良さそうに見えるファンフルーテンが仕掛けても驚かない」とコメント。現在アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)は1分28秒遅れの総合8位と出遅れているが、この後の巻き返しに注目が集まっている。

大会2勝目をマイヨジョーヌで達成したマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)大会2勝目をマイヨジョーヌで達成したマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
ツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト2022第6ステージ結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 3:09:26
2位 マルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)
3位 ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)
4位 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)
5位 シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス)
6位 マリアジュリア・コンファロニエーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
7位 ヴィットリア・グアジーニ(イタリア、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)
8位 カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)
9位 ラケーレ・バルビエーリ(イタリア、リブレーシング・エクストラ)
10位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 19:30:14
2位 シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) +0:30
3位 カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)
4位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) +0:35
5位 アシュリー・モールマン(南アフリカ、SDワークス) +1:05
6位 デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) +1:11
7位 ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM) +1:19
8位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) +1:28
9位 セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) +2:02
10位 エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) +2:34
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 267pts
2位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) 191pts
3位 ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) 164pts
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 フェムケ・ジェリッツ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク) 9pts
2位 ジョセリン・ローデン(イギリス、ウノエックス・プロサイクリングチーム) 5pts
3位 ラウラ・アセンシオ(フランス、セラティツィットWNTローター) 5pts
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 ジュリア・ボルグストローム(スウェーデン、AGインシュランス・NXTGチーム) 19:35:12
2位 ジュリー・デウェルド(ベルギー、プラントゥール・プラ) +0:14
3位 ミーシャ・ブレッドウォルド(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク) +1:35
チーム総合成績
1位 SDワークス 58:36:13
2位 キャニオン・スラム +0:56
3位 トレック・セガフレード +3:44
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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