モビスターは6月29日、東京五輪TT金メダリストであるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)との契約延長を発表。同時にファンフルーテンが2023年限りで現役を退くことを明らかにした。



今年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)今年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos
「私の選手としてのキャリア、そしてプロアスリートとしての原動力は勝利ではなく自分自身の向上にあった。個人として、またチームの一員として競技をする身体や精神の隅々まで磨き上げることが、私に力を与えてくれた」。アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)は6月29日、チームのプレスリリースの中でそう語った。

「過去2年で行ってきたように、2023年もチームの向上に力を貸したい。それがあと1年の契約延長に合意した理由。私たちチームはいま発展途上にあり、その途中にチームを去ることに悲しみを感じている。(加入して)2年はあっという間で、3年という期間は丁度よい長さだ。このチームは(私が去った)2024年以降も良くなっていくだろう」。

今年10月で40歳を迎えるファンフルーテン。モビスターが合意に至った契約延長期間は2023年末までの1年間で、ファンフルーテンは43歳で現役を退くことになる。

「個人的にいま競技を辞めたくなかった。いまだモチベーションは高いもののいつか引退しなければならないとことも分かっていた。(女子自転車界)最大のレース(ジロ・ドンネ)を前にトップレベルにいる間に引退することが私には適した選択。また、素晴らしい仲間に囲まれて引退することが正しい選択だと感じている」と、ファンフルーテンと引退理由を説明する。

東京五輪の女子タイムトライアルで金メダルを獲得したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)東京五輪の女子タイムトライアルで金メダルを獲得したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ) photo:CorVos
「多くの人はなぜ(2024年の)パリ五輪の前に引退するのかと疑問に思っているかもしれないけれど、私はキャリアを通して常に走るモチベーションを探していた。それがモビスターの長期に渡る計画だったし、私が力を注いできたすべてのチームでの活動だった。私が走る理由は決して個人としての目標やレースではなかった。パリ五輪のコースにアルプデュエズが登場するなら話は別だけどね(笑)」。

本日、6月30日開幕のジロ・ドンネ(ワールドツアー)に臨むファンフルーテン。自身3度目の総合優勝に向かうファンフルーテンにとって、これが今年4月に右手首骨折を負って以来約2ヶ月振りの復帰レースとなる。そして最後にファンフルーテンは「もちろん愛してやまないこのスポーツを離れることに涙が溢れてくる。しかし辞めるのはあくまでも”プロアスリート”であり、自転車競技との関わりは終わらない」と締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa

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