「既に1勝していたので賭けに出た」とクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)は勝因を語った。その一方で最終左コーナーについて不満を漏らすシュミットやヴァルテル、明日の山岳決戦に臨むカラパスなどの言葉を紹介します。



ステージ優勝&マリアアッズーラ:クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)

今大会2勝目を飾ったクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)今大会2勝目を飾ったクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
レース直後インタビュー

第7ステージで勝利を挙げた後に「また勝利を狙えれば」という言葉と一緒に、「でも現実はそんなに甘くない」とも言った。プロ2勝目を挙げた僕の正直な気持ちだった。そして掴んだジロ2勝目は本当に嬉しい。嬉しすぎて言葉がないよ。

最後に左コーナーがあることは知っていたが、あれほど鋭角だとは思わなかった。そのためブレーキを強く握りインを取った。後ろでトラブルがあったみたいだが、誰も落車していないことを願っている。今日の目標はマリアアッズーラの確保だった。それを達成することができ、まさかステージ優勝もできるとは思ってもいなかった。

今大会2勝目を挙げたクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)今大会2勝目を挙げたクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:RCS Sport
表彰式後インタビュー

夢が叶った。ジロ1勝でも特別なことだったのに2勝目とは言葉がないよ。まさかこんなジロになるとは思いもしなかった。ここにはアシストをするべくやって来たのに、区間優勝2つとマリアアッズーラを持って帰るんだ。信じられない。

既に1勝しているから賭けに出るつもりで、全てのアタックに反応しスプリントを待ったんだ。フィニッシュ直前の左コーナーは把握していたので、是が非でも先頭で通過したかった。そして幸運にも先頭で入ることができた。

自分がマリアアッズーラの獲得者リストに名を連ねるなんて恐れ多い。だが同時に誇りに思う。全てが上手くいったこのジロに感激しているよ。

ステージ2位:マウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル)

レース後に不満を語ったマウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル)レース後に不満を語ったマウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
フェアなスプリントじゃなかったというのが僕の意見。僕のハンドルバーの方が前に出ていたのにもかかわらず、彼(ボウマン)は最終コーナーでハンドルをぶつけてこようとしたんだ。彼はスプリントで劣っていることが分かっていたからこそ、僕を押しのけたのだろう。ラスト100~200mの映像を見返せばわかるはず。あのシーンで僕にできることはなかった。

2位は敗者の中の1位でしかない。満足な結果とは言えず、脚があっただけに残念だ。しかしチームには感謝しているし、特にバッレリーニは逃げで大きなリードを奪うために尽力してくれた。感謝したい。

ステージ3位:アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)

ジロで3位という結果には満足感しかない。だが僕らは最後のコーナーを予期できておらず、2人の選手が曲がりきれなかったのはそのせいだろう。明日はジロ最後のラインレースだ。僕らチームは勝利を諦めない。

ステージ4位:アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマ・エフデジ)

最後にコーナーが来ることは分かっていたものの、あれほど鋭角だとは思っていなかった。あと少しで落車するところだった。ラスト50mで左コーナーを設定した意図がわからない。幸運にも落車は免れたが、選手を危険に晒すだけだ。あのコーナーに先頭で入った選手が勝つに決まっている。それなのにわざわざ選手同士の緊張感と危険性を高める必要がどこにあるんだ。

ステージ5位:アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)

不満を表すポーズでフィニッシュしたアンドレア・ヴェンドラメ(イタリア、AG2Rシトロエン)不満を表すポーズでフィニッシュしたアンドレア・ヴェンドラメ(イタリア、AG2Rシトロエン) photo:CorVos
公平な勝負ではなかった。他の選手たちの作戦はわからないが、僕自身は最終コーナーがあると分かっていたので外側からいくつもりで、コーナーを抜けてからスプリントするつもりだった。とても残念だよ。フェンスがなかったことが不幸中の幸いだろう。もし設置していれば僕は怪我を負っていたはずだ。気持ちを切り替え、明日も母国でのレースを楽しみたい。

マリアローザ:リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)

2人の子供を表彰台に上げたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)2人の子供を表彰台に上げたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:RCS Sport
とても厳しいステージだった。チームの働きは素晴らしかったものの、リッチー(ポート)のリタイアは残念だ。明日はこのまま仕事をやり遂げたい。今日の終盤はアタックが繰り広げられ、僕らの状態はほぼ同じところにあるみたいだね。厳しい終盤だったが良い日だったと言えるだろう。そして明日は標高の高い僕向きのステージだ。

総合2位:ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)

総合首位カラパスと3秒差で最終日に臨むジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)総合首位カラパスと3秒差で最終日に臨むジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
今日はアタックが決まるステージではなかった。登りで仕掛けるタイミングを伺ったのものの、思うような展開にはならなかった。明日はビッグステージかつ重要な1日となる。ピンク色のジャージを目指して挑み続ける。もし手に入れることができれば、それは夢の実現へのシナリオとなるだろう。

アシスト後に落車したパヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ)

また落車してしまった。バイクに補助輪でもつけようかな笑。前輪がパンクして、多くの選手たちと同じくチューブレスだったので非常に不安定になった。前回のジロに続き今年も落車してしまったよ。だが脚の調子は良く、良い仕事(牽引)ができたと思う。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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