デビューより7年間に渡りトップレーサーに愛用されてきたカスクのPROTONE。ついに今年、満を持してフルモデルチェンジを遂げ、通気性、フィット性、安全性に磨きがかけた"PROTONE ICON"へと進化。注目集まる新作を、デビュー以来PROTONEを愛用しつづける編集部員の高木がインプレッション。



カスク PROTONE ICONカスク PROTONE ICON
一つ一つの小さなアドバンテージを積み重ね、勝利を目指す「マージナルゲイン」というアプローチに先鞭をつけたイネオス・グレナディアーズ。トレーニング、マネジメント、ロジスティクス……その取り組みは多岐にわたるが、象徴的なものは機材選定への姿勢だろう。彼らがレースで使用する機材に求める水準は非常にシビアであり、サポート外のプロダクトを勝負どころで投入するほど。

そんなイネオス・グレナディアーズがチーム設立当初から使い続けているのが、カスクのヘルメットであり、そのラインアップ中で最も使用率が高いのがオールラウンドモデルであるPROTONEだ。長年にわたる協業体制を築くカスクが用意するオールラウンドヘルメットであり、デビューした2014年より7年間も選ばれ続けているその事実こそ、PROTONEが優れた性能を有している証明となるはずだ。

基本コンセプトは踏襲し、開口部など細部をブラッシュアップさせた(左:ICON、右:前作)基本コンセプトは踏襲し、開口部など細部をブラッシュアップさせた(左:ICON、右:前作)
左ICONと右の前作と比較すると開口部を中心とした様々なブラッシュアップを確認できる左ICONと右の前作と比較すると開口部を中心とした様々なブラッシュアップを確認できる
PROTONEを着用してイネオス・グレナディアーズの選手が収めた勝利を挙げれば、5度のツール・ド・フランス、3度のジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャ制覇など枚挙にいとまが無い。特筆すべきは真夏の日本で開催された東京五輪でリチャル・カラパスが着用し金メダルを獲得したことだろう。高温多湿な盛夏の日本、しかも過酷な長距離の山岳ステージで着用され、見事勝利に貢献したことは、PROTONEが優れた空力とクーリング性能を両立していることを改めて明らかにした。

このように、日進月歩のレース用機材において異例ともいえる7年間も最前線で戦い続けたPROTONEだが、ついにこの2022年に満を持してモデルチェンジを果たし"PROTONE ICON(プロトーネ・アイコン)"へと生まれ変わった。登場以来初となる再設計が行われたPROTONEだが、基本設計は前作を踏襲。7年前のコンセプトが現代も通用するのか、という問いへの答えは、ここまでに挙げたいくつもの勝利が示している。

開口部は大きく、角張ったデザインに(左:ICON、右:前作)開口部は大きく、角張ったデザインに(左:ICON、右:前作)
基本設計を踏襲したという通り、全体的な印象は前作と大きく変わらないものの、実際のところ全ての面において再設計が行われている。前作と今作の外見を比較して、もっとも大きく変わったポイントとしては、ベンチレーションホールのサイズが大きくなり、形状も以前よりも角張っている点だ。真上から見るとベンチレーションホールが後方まで延長され、より大きくなっている。

また、前作よりもシェル内側のチャネル(溝)が深くなっていることも大きな変更点だ。ヘルメット内部に空気を取り込む開口部から後方へと繋がるように深い溝が設けられており、開口部が広くなったことと合わせ、通気性の向上を期待させる設計だ。

今作では内部のチャネルが深く作られている今作では内部のチャネルが深く作られている
ヘルメット内側の再設計はチャネルだけではなく、全体の帽体形状にも及んでおり、最適化されたストラップの装着位置と合わせ、更にフィット感が向上したという。熱がこもりにくいクールマックス素材を採用するインナーパッドは9mmという極厚仕様となっており、ラグジュアリーな被り心地を実現してくれる。

フィッティングシステムも刷新され、「オクトフィット+」という軽量かつ大きなダイヤルを用いたアジャスターが採用された。カスクの特徴でもあるあ革製の顎紐は以前より薄くなっているため、アンチアレルギー性と柔らかな肌触りはそのままに、軽量性と自然なフィット感が向上した。

アジャスターにはオクトフィット+を採用したアジャスターにはオクトフィット+を採用した
エコレザーのチンストラップは薄手となったエコレザーのチンストラップは薄手となった
安全性についてはインナーフレームの形状を変更することで強度向上を実現。CE EN1078をクリアしていることはもちろん、WG11という回転衝撃に対するテストプロトコルに合格しているという。WG11というのは、オートバイヘルメットの新規格であるECE 22.06をベースに様々な研究から着想を得た規格であり、脳損傷レベルを定義するBrlC値に基づく試験だという。

つまり、PROTONEはMIPSに代表されるような回転衝撃に対するプラスアルファのギミックを備えてはいないものの、決して回転衝撃に対する備えを疎かにしているわけではなく、厳密な試験の上で安全基準を満たすプロダクトとされている。日本の公式レースで使用可能となるJCFの公認ももちろん得ているため、安心して使うことができるだろう。WG11の詳細についてはカスク本国の説明をチェックしてもらいたい。

サイズは、S(50-56cm)、M(52-58cm)、L(59-62cm)の3種類。全10色のカラー展開となり、グラベルなどにもピッタリなイメージのマットカラーも用意されている。価格は34,100円(税込)。



ー編集部インプレッション

発売当初からPROTONEを被っているCW編集部員の高木がテストを行った発売当初からPROTONEを被っているCW編集部員の高木がテストを行った photo:Gakuto Fujiwara
今回、インプレッションを担当するのは、カスクがサポートするさいたまディレーブ所属でありCW編集部員でもある高木。学生時代から現在に至るまでロードレースやシクロクロスでカスクのオールラウンドモデルPROTONEやエアロモデルUTOPIA、軽量モデルであるVALEGRO、トラック競技のポイントレースやタイムトライアル競技ではTTヘルメットのBAMBINOなど、様々なカスクのヘルメットを好んでレースやトレーニングで使用し続けている。

特にPROTONEは、私が大学生だった当時他のチームに先駆けてエアロ性能に優れる最先端のウェアやバイクを使用していたチームスカイに憧れ、発売開始と同時に購入した思い入れのあるヘルメット。そして、それ以来優れた空力性能や軽さを気に入って今もなお使い続ける逸品だ。

デビューより7年間もモデルチェンジすることなくトップチームに採用され続け、数多くのサイクリストから愛用されるのは、性能が色褪せることなく優れているからにほかならない。ある意味完成形ともいえるこのヘルメットのどこがアップデートされたのか。期待を胸にテストに臨んだ。

新旧モデルを見比べると多くの違いを発見新旧モデルを見比べると多くの違いを発見 photo:Gakuto Fujiwara
いざ着用し、まず感じたのは、カスクの主張通り通気性とフィット性の向上だ。エアインテークの拡大によってヘルメット内部へ入り込む空気の量が増えている。走行風が額に直接当たる感覚が強くなり、低速から高速まで、どのようなスピード域でも前作より涼しく感じる程。

チャネルは深く作られているものの、風は穏やかにヘルメット内を通り過ぎる。ヘルメット内を抜ける風の流速で通気性を強く感じさせるモデルもあるが、PROTONE ICONはエアインテークから内部に入る新鮮な空気の量によって冷却性能を確保している印象だ。

テスト中にヘルメット内に熱がこもるように感じたことは無く、乗車中も停車中も頭部の熱を逃がし続けてくれているようだ。湿度が高く汗をしっかりかくシチュエーションでも快適な状態が維持され、パッドから汗が垂れてくることもなかった。

どのようなシチュエーションでも活躍するPROTONE ICONどのようなシチュエーションでも活躍するPROTONE ICON
また、先述したようにヘルメット内に入り込んだ風はスムースに通り抜け、風がヘルメットを押す感覚が小さいので、エアロダイナミクス面でもアドバンテージがありそうだ。PROTONEは下を向いても、横を向いても風に押されてしまう感覚は小さいので、あらゆるレース、サイクリングのシチュエーションで活躍するオールラウンドなヘルメットだと改めて実感する。

続いて大きくアップデートされたフィット性については、シェル形状の見直しはもちろん、ストラップの配置変更が大きく影響を与えていると感じる。前作では耳の後ろ側を通るストラップが耳に近い位置に配置されていたが、今作では後頭部中央(アジャスターダイヤル方向)に寄った設計が採用される。ヘルメットと頭の間にストラップが挟み込まれない配置かつ、後頭部のサポーターを自然に引き寄せる設計となっているため、頭を包み込むような自然なフィット感に仕上がっている。

前作からPROTONEは日本人の頭にフィットする形状と、安心感のある被りの深さが特徴だった。今作でもその設計は継承されつつ、若干ゆとりのある作りとなっている。さらに厚手のパッドのおかげで、フィットするサイクリストの幅が広いのも好印象だ。

帽体が深く作られており、安心感のある被り心地帽体が深く作られており、安心感のある被り心地 photo:Gakuto Fujiwara
PROTONE ICONではストラップの配置が中央に寄ったPROTONE ICONではストラップの配置が中央に寄った PROTONE(前作)のストラップ配置に注目PROTONE(前作)のストラップ配置に注目


オクトフィット+に変更となったアジャストシステムは、ダイヤルクロージャーでベルトをきつく締め付けるというよりは、後頭部のサポーターが自然に支えてくれる印象だ。ダイヤルのノッチのかかりが浅めで、締め付けている感覚は薄くなっているが、シェルとサポーターが面で頭と接してホールドしてくれるので、頭を上下左右に振り回してもズレることのないフィットをもたらしている。一方で、これまでとは締め付け具合の感覚が異なるため、必要以上にダイヤルを回すことには注意した方が良さそうだ。

重量はMサイズで230gと前作から変わりない。重量バランスも優れているため重く感じることはなく、長時間のライドで首が痛くなるようなこともないため、レースはもちろんロングライドにも適していると言えるだろう。

大きなサングラスでもヘルメットに干渉しない大きなサングラスでもヘルメットに干渉しない photo:Gakuto Fujiwara
カスクはカラーバリエーションが豊富なこともユーザーとしてはありがたいところ。10色も展開されており、ホワイトやブラックなどのモノトーンカラー、レッドやホワイトブルーなどの鮮やかなカラーなどよりどりみどり。どれもモノトーンのデザインのため、ウェアコーディネートを楽しむ方や、チームジャージに合わせたい方などが選びやすいはずだ。

今回のテストを通じて、PROTONE ICONは通気性、フィット性、安全性、カラーリングどれをとっても死角のないオールラウンドヘルメットであり、前作からの正統進化だと感じる。レーサーからホビーライダーまで幅広いサイクリストが必要とする要素が全て詰まっているため、もし、私がヘルメットのおすすめは何かと尋ねられたら、きっと"カスク PROTONE ICON"と答えるだろう。

ブラックカラーは多くのサイクルウェアとコーディネートしやすいブラックカラーは多くのサイクルウェアとコーディネートしやすい photo:Gakuto Fujiwara


カスク PROTONE ICON
カラー:Black、White、Grey、Red、Light Blue、Black Matt、White Matt、Grey Matt、Blue Matt、Olive Green Matt
サイズ:S(50-56cm)、M(52-58cm)、L(59-62cm)
重量:230g(Mサイズ CE EN1078 基準)
価格:34,100円(税込)

impression : Michinari Takagi

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