15ヶ所の石畳区間と9ヶ所の急勾配を越えるダンケルク5日目。北フランスらしいコースで、オリヴェル・ナーセンとフィリップ・ジルベールを退けたジャンニ・フェルメールス(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が制し、チームに2日連続の勝利をもたらした。



パリ〜ルーベでお馴染みルーベの街をスタートしたダンケルク5日目パリ〜ルーベでお馴染みルーベの街をスタートしたダンケルク5日目 (c)www.4joursdedunkerque.org
ベルギーとの国境にも近い北フランスを舞台にしたダンケルク4日間レースも大会5日を迎えた。コースはパリ〜ルーベでお馴染みのルーベを出発地とし、そこから西にあるカッセルに向かう183.7kmだ。スタートして80km地点から始まる周回コースには、15ヶ所の石畳区間と9ヶ所の急勾配登坂が設定され、この険しいレイアウトに115名の選手たちが挑んだ。

クイーンステージのこの日に飛び出したのは、来年トップチーム入りが決まっているマックス・ポール(イギリス、デベロップメントチームDSM)やユンボ・ヴィスマの下部チームから今年加入したモーリス・バラーシュテット(ドイツ、アルペシン・フェニックス)を含む10名。元パリ〜ルーベ覇者フィリップ・ジルベール(ベルギー)を擁するロット・スーダルの牽引に対し、逃げグループは6分のリードを奪いながら石畳を含む周回コースに入っていった。

終盤ではフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)自らアタックを潰すシーンも終盤ではフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)自らアタックを潰すシーンも (c)www.4joursdedunkerque.org
逃げとのタイム差が1分を下回った残り24km地点でローラン・ピション(フランス、アルケア・サムシック)が飛び出すと、これをジルベール自ら潰す。この動きで一気にペースが上がったプロトンは逃げ集団を吸収。サミュエル・ワトソン(イギリス、グルパマ・エフデジ)がカウンターで飛び出すも決まらず、20名程度に減ったメイン集団ではここからアタックが勃発した。

残り1.5kmでジルベールの飛び出しをジャンニ・フェルメールス(ベルギー、アルペシン・フェニックス)捉え、そこにオリヴェル・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン)も追いつくワールドレースさながらの展開に。最終コーナーをクリアしてナーセンが腰を上げ加速すると、反応できないジルベールを尻目にフェルメールスが追従する。そして2人による一騎打ちスプリントは、アルペシン・フェニックのシクロクロス兼業選手の一人であるフェルメールスに軍配が上がった。

ナーセンとジルベールという強豪選手を破ったジャンニ・フェルメールス(ベルギー、アルペシン・フェニックス)ナーセンとジルベールという強豪選手を破ったジャンニ・フェルメールス(ベルギー、アルペシン・フェニックス) (c)www.4joursdedunkerque.org
表彰台で勝利を喜ぶジャンニ・フェルメールス(ベルギー、アルペシン・フェニックス)表彰台で勝利を喜ぶジャンニ・フェルメールス(ベルギー、アルペシン・フェニックス) (c)www.4joursdedunkerque.org
大会2勝目を逃し、ステージ4位に甘んじだジルベールは総合首位を奪取。「勝てなくて残念だがリーダージャージを獲得することができた。総合優勝するには明日を乗り越えなければならない。喜びの声は明日の夜に届ける予定だ。楽しみにしていてくれ」と、リーダージャージを着て最終日を迎えるジルベールは語った。
ダンケルク4日間レース2022第5ステージ結果
1位 ジャンニ・フェルメールス(ベルギー、アルペシン・フェニックス) 4:39:56
2位 オリヴェル・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン)
3位 ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマ・エフデジ)
4位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)
5位 バンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)
個人総合成績
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) 20:39:33
2位 オリヴェル・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン) 0:04
3位 ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマ・エフデジ) 0:05
4位 バンジャマン・トマ(フランス、コフィディス) 0:10
5位 バティスト・プランカールト(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
その他の特別賞
ポイント賞 ジェイソン・テソン(フランス、サンミッシェル・オーベル93)
山岳賞 アレックス・コールマン(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
ヤングライダー賞 ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマ・エフデジ)
チーム総合成績 ロット・スーダル
text:Sotaro.Arakawa