2月23日、元世界王者でパリ〜ルーベ女子王者のエリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード)が第二子の妊娠を発表した。ダイグナンは今季レース活動を休止するが、2023年に競技復帰を予定。チームは2024年末まで契約を延長した。



82kmに渡る独走の末、パリ〜ルーベ・フェム初代王者に輝いたエリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード)82kmに渡る独走の末、パリ〜ルーベ・フェム初代王者に輝いたエリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード) photo:A.S.O.
「子どもをつくる決断は大きくも、難しいものではなかった。沢山の家族に囲まれたかった私たちにとって、これが最も相応しいタイミングだと思った。家族を新たに増やすことは感情的かつ論理的な決断だった」。ダイグナンはトレック・セガフレードの公式リリースの中で、第二子の妊娠についてそう説明した。

2015年の世界選手権を制したダイグナンは、翌年にチームスカイなどで活躍した元選手のフィリップ・ダイグナン(アイルランド)と結婚。ブールススドルマンス(現SDワークス)との契約最終年度の2018年に第一子の妊娠がわかると、トレック・セガフレードがダイグナンの現役復帰を見越して獲得を発表した。

1年のブランクを経て競技復帰したダイグナンは、早速母国イギリスで開催されたOVOエナジー・ウィメンズツアーで総合優勝を果たす。その後は2020年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ女子などワールドレースで勝ち星を重ね、昨年初開催されたパリ〜ルーベ・フェムの初代女王に輝くなど、出産を経てもトップコンディションを維持し続けた。

「出産から競技復帰することは可能だし、復帰に向けたトレーニングは想像よりも困難ではなかった。もちろん大変な努力が必要かつ厳しい道のりだったが、そこに限界はなかった」。ダイグナンは一度目の出産からの復帰をそう振り返る。

パリ〜ルーベ・フェムを制しパヴェの優勝トロフィーを掲げるエリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード)パリ〜ルーベ・フェムを制しパヴェの優勝トロフィーを掲げるエリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード) photo:CorVos
ダイグナンの妊娠発表と時を同じくして、チームはダイグナンと2024年末まで契約を延長することを発表した。「トレック・セガフレードは決して私を過小評価しない。一度出産で競技を離れたが、私は復帰して再び勝利を掴み取った。このチームなら同じことをもう一度成し遂げられると思っている」とダイグナンは喜びを表している。

「自転車選手としてまだまだやれることがあると思っている。もし新たに子どもを授かることになっても、再び競技に戻ってくると決めていた。以前の私だった2度の出産から競技復帰をしようなんて考えもしなかった。でも年齢を重ねても競技に復帰する何人ものアスリートを見てきた。30歳で引退しなければならないような女子アスリートの固定概念は、すでに時代遅れなのだと思っている」と、自転車競技のみならず、女性アスリート全体に対してメッセージを投げかけている。

2022年9月に出産予定だというダイグナンは、長きに渡る熱望の末開催される史上初の女子版ツール・ド・フランス初回大会(7月24日~)への出場は見送ることに。「もちろんツール・ド・フランス・パリ〜ルーベ・フェムと、コモンウェルスゲームズ(イギリス連邦に属する国や地域が4年1度開催する大会)に出れないのは悔しい。また、来年は女子のミラノ〜サンレモが開催される話もある。だけど引退や怪我する時と同じように、子どもを授かるのに完璧な時期なんて存在しない。出場する選手たちが羨ましいけれど、子どもを授かることはそれらを逃すだけの価値はある」。

1度、そして2度に渡る出産からの復帰を目指すダイグナンは、「女子アスリートに出産が競技キャリアを制限するなんて思ってほしくない。私にとって母になることは、プロ選手になるのと等しい夢だった。その2つを叶うことができてとても誇りに思っている。女性にとって子どもを授かるということは祝福され、支援されるべきもの。チームやスポンサー、周りの人たちが柔軟に対応すれば、どんなことでも可能になる。私はより幸せなアスリートことが、より優れたアスリートであると信じて疑わない」とコメントを締めくくった。


text:Sotaro.Arakawa
Amazon.co.jp

DHC ヘム鉄 徳用90日分

DHC
¥1,414 (¥8 / 粒)

ディアナチュラ ヘム鉄 30粒 (30日)

アサヒグループ食品
¥549 (¥18 / 粒)