シクロクロス全日本選手権9連覇を遂げた辻浦圭一氏が開発を監修したワンバイエスのCXバイク。フルモデルチェンジを遂げたJFF #807のインプレッションを行おう。高速化が進むレースに対応するアップデートが施された一台の実力とは。



ワンバイエス JFF #807ワンバイエス JFF #807 photo:Makoto AYANO/cyclowired.jp
東京サンエスが展開するワンバイエスのオリジナルバイクJFFシリーズ。シクロクロスの本場ヨーロッパで戦い、全日本選手権で9連覇という偉業を遂げた辻浦圭一氏が開発を監修するバイクが揃うシリーズだ。

JFFのラインアップの中でもシクロクロスバイクは、辻浦氏が数多のレースを走り培った走行テクニックをもとに、CXレースに必要な性能を具現化した意欲作。JFFのCXバイクはブランドデビュー作であるスチールモデル#801から始まり、アップデートが行われ続けていることからも、CXバイクにかける情熱が感じられるだろう。

非常に複雑なラインを描くシートステーが備えられている非常に複雑なラインを描くシートステーが備えられている ヘッドパーツのアッパーはインテグラル仕様とされたヘッドパーツのアッパーはインテグラル仕様とされた フレームとセット販売されるフォークはOBS-CBD1.5THフレームとセット販売されるフォークはOBS-CBD1.5TH


スチールモデルの次にローンチされたのはレーシーな味付けのアルミモデル#803/#803Z。各地のレースで勝利を収める性能を発揮した#803はカンチブレーキ仕様で、ディスクブレーキが標準となる時代が訪れると東京サンエスも追従し#805をリリース。さらにジオメトリーをブラッシュアップした#805Zへと続いた。

そんなワンバイエスが新たなシクロクロスバイク#807をリリースした。今作で目指したのは高速化が進むレースに対応できるバイク。辻浦氏はもちろんのこと、フランスのCXレースに出場する鈴木来人がテストを重ね、ブラッシュアップが行われた意欲作だ。

トップチューブはシンプルなチューブが採用されているトップチューブはシンプルなチューブが採用されている 機械式変速は外装式となる機械式変速は外装式となる

チェーンステーも曲線的に作られているチェーンステーも曲線的に作られている フォークのタイヤクリアランスは約57mmフォークのタイヤクリアランスは約57mm


レース中の極限状態においても操りやすいコントロール性を実現しながら、優れた反応性を獲得するために、リアバックのチュービングは非常に凝った作りが採用された。シートステーはチューブの中央あたりを扁平形状としつつ、接合部分は太く作ることで、路面の追従性を高めている。

対して、チェーンステーは縦方向に潰れた扁平形状を採用することで、ペダリングパワーに応えられる剛性を獲得した。また、他のチューブも作り変えられており、一見したところは前作と似たバイクに仕上げられているように思えるが、大幅に変更が加えられている。

電動変速のケーブルや、ブレーキホースは内装される電動変速のケーブルや、ブレーキホースは内装される 細身の丸型チューブで握りやすいトップチューブ細身の丸型チューブで握りやすいトップチューブ


ジオメトリーは前作と比較し各サイズともリーチとフロントセンターを少し伸ばした。この設計によりコントロール性が向上しているはずだ。コーナリング時にシューズが前輪にヒットしにくくなっているというメリットもあるはず。また、フォークのトレイル値も変更されており、ハンドリング性能を更に高めているという。

タイヤクリアランスはチェーンステー側は約50mm、シートステー部分は60mm以上に設定されている。フロントフォーク(OBS-CBD1.5THフォーク)の場合は約57mmのクリアランスが確保されており、ヘビーなマッドコンディションにも対応できるはずだ。

日本人のために作られたワンバイエスのバイク日本人のために作られたワンバイエスのバイク 潰し加工など複雑な加工が施されたチューブ潰し加工など複雑な加工が施されたチューブ シートステー部分のクリアランスは60mm以上に設定されているシートステー部分のクリアランスは60mm以上に設定されている


ヘッドチューブのアッパー側はインテグラル仕様とされており、アグレッシブなポジションが取りやすくなっている。ロワー側は圧入式だ。電動変速はダウンチューブから挿入されるが、機械式の場合は外装となる。

販売はフレーム単体と、フレーム+フォークセットの2タイプで行われている。セットのフォークは振動減衰機構のVDSを搭載したフルカーボンモノコック製のOBS-CBD1.5THが用意される。フレームカラーは全31色の中から選ぶことが可能だ。

今回インプレッションを担当するのは、#805Zもテストした鈴木祐一(ライズライド)だ。#807がどのように進化を遂げたのかを伺った。



―インプレッション

「トップ選手からホビーレーサーまで受け入れやすい一台に変化を遂げた」鈴木祐一(ライズライド)

「幅広いサイクリストに受け入れられるレーサー」鈴木祐一(ライズライド)「幅広いサイクリストに受け入れられるレーサー」鈴木祐一(ライズライド)
3年前にインプレした前作(805Z)は”レース向けに尖っている”印象がありました。だけど今回のモデルはシクロクロスファンやホビーライダーにも受け入れられやすい作りになっています。見た目はさほど変わらず、細かいジオメトリの変更だけなのに、かなり乗りやすくなったというのが全体的な印象ですね。

前作から大きな進化を感じ取れたのは、アルミ特有の硬い乗り味が大きく改善されていたこと。シートステーの潰し加工など、見た目では本当に効果あるのかな?と疑問に思う部分がちゃんと振動を吸収していました。

逆に変化させなかった部分もこのバイクの面白い点です。例えば一見オーソドックスな真円チューブも、シクロクロスのシケインを担ぎ上げて越えるシーンではメリットになります。いまは持ちやすい形状にこだわったバイクも多いですが、真円だと鉄棒のように握った手を滑らせて回転させることができます。このバイクを持ったり、押したり、担いだりして改めて丸っていいなと思いました。

「バイクを倒してコーナリングすると、スムーズに曲がれるバイク」鈴木祐一(ライズライド)「バイクを倒してコーナリングすると、スムーズに曲がれるバイク」鈴木祐一(ライズライド)
ハンドルやフォークのオフセット、ヘッドアングルの影響から、ハンドルを切って曲がってもクイックに曲がりづらくなっています。だから無理にハンドルを切るのではなく、バイク自体を寝かせてコーナーリングをするとその角度に応じたアールで曲がってくれます。いわゆる”サドルを使ってバイクを倒す”、”車体から曲げていく”ことができれば、安定して深いコーナーでも曲がっていけますね。結構マニアックなコメントかもしれませんが(笑)。

シートステーのしなり具合は、振動吸収性はもちろんトラクションが逃げず、ずっと追従してくれる効果があります。荒れて滑りやすい砂利でダンシングしても、リヤサスペンションが付いているみたいにトラクションが掛かり続けてくれる。逆にどこに限界点があるんだろう?って思うぐらい。

最初はちょっと長いかなと思ったリアセンターも428mmと短すぎず、長すぎない絶妙な長さになっています。ハンドルをクッと上げられるのにちゃんとしなるし、縦の動きのやりやすさにも繋がっていますね。

「路面をずっと追従してくれるリアバック」鈴木祐一(ライズライド)「路面をずっと追従してくれるリアバック」鈴木祐一(ライズライド)
カーボンと比べて重量はあるけれど、レースで使えないほど鈍くさいわけではないですし、やる気を削ぐような重さでもありません。もちろん軽くて性能が良いのは正義ですが、軽くてもトラクションが掛からなかったり、振動が強すぎて弾かれてしまうこともある。性能を犠牲にした軽さというのはオフロードではデメリットでしかないですからね。シクロクロスのレースで使える機材としては、この重さで十分だと思います。

オフロードでは同じコースでも気象条件による変化の幅が大きいので、自転車には総合力が求められます。だから路面状況というコントロールできない変数に、総合力の高いバイクだと対応しやすくなります。この#807はそんなバランスの良いバイクになっていますね。

「開発に携わる方の情熱が伝わってきた」鈴木祐一(ライズライド)「開発に携わる方の情熱が伝わってきた」鈴木祐一(ライズライド)
フレーム素材や価格を見て”トップグレードじゃないんでしょ?”と判断するのは間違いです。オフロードに関して言えば素材は二の次で、トータルで何が出来ているかということを優先するべきです。そういった視点から見ればこのバイクは良い選択肢の一つになってきます。

値段もフレーム+フォークで15万円と、メインとスペアの2台を同じバイクで揃えたいカテゴリー1のトップレーサーの要望にも応えられるし、初心者やロードバイクのパーツを組み替えたい人など、かなり広いターゲットに向いていると言えるでしょう。

「荒れた路面でもトラクションがかかり続けてくれる」鈴木祐一(ライズライド)「荒れた路面でもトラクションがかかり続けてくれる」鈴木祐一(ライズライド)
見た目はさほど変わらないのに、JFFは前作からそういう風に”化けてきた”。辻浦さんをはじめ、いま活躍している筧五郎さんや、鈴木来人くんのような若いライダーの意見を取り入れながら作られたバイクだと聞いています。彼らの熱いシクロクロスへの情熱が自転車を通して伝わってきました。

ワンバイエス JFF #807ワンバイエス JFF #807 photo:Makoto AYANO/cyclowired.jp
ワンバイエス JFF #807(フレーム)
フレーム:6061アルミニウム合金
シートポスト径:27.2mm
フロントディレイラーバンド径:31.8mm
リアエンド幅:142mm
BBシェル幅:68mm
付属品:TANGESEIKI ヘッドパーツ TG36IS227SL 1-1/8"(UPPER)、ZS225X 1.5(1-1/2")(LOWER)、フォーク下玉押し、スルーアクスル、シートクランプ
重量:約1290g(S サイズ未塗装、小物別)
サイズ:S、M
カラー:オーダー、ブラッシュシルバー
価格:107,800円(税込)

ワンバイエス JFF #807(フレーム+フォーク)
フォーク:OBS-CBD1.5TH
仕様:1-1/8" Taperead 1-1/2"(1.50)
肩下:396mm(オフセット48mm)
重量:500g(コラム300mm、スルーアクスルなしでの平均値)
価格:151,800円(税込、フレーム+フォーク)



インプレッションライダーのプロフィール
鈴木祐一(ライズライド)鈴木祐一(ライズライド) 鈴木祐一(RiseRide)

サイクルショップ・ライズライド代表。トライアル、シクロクロス、MTBクロスカントリーの3つの種目で世界選手権日本代表となった経歴を持つ。元ブリヂストンMTBクロスカントリーチーム選手としても活躍した。2007年に神奈川県相模原市橋本にショップをオープン。クラブ員ともにバイクライドを楽しみながらショップを経営中。シクロクロスやMTBなど、各種レースにも参戦している。セルフディスカバリー王滝100Km覇者。

サイクルショップ・ライズライドHP


text:Gakuto Fujiwara
photo:Makoto.AYANAO

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