CX三大シリーズ戦の最終レースとなったX2Oバドカマートロフェー第8戦で、デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が久々の勝利。ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)は2位に終わりながらもシリーズ総合優勝を射止めた。



シクロクロスシーズンもいよいよ締めくくり。前日にスーパープレスティージュ第7戦を走り終えた選手たちはベルギーの首都ブリュッセルに向かい、CX三大シリーズ戦の最終レースとなるX2Oバドカマートロフェー第8戦に挑んだ。

舞台は1834年に設立された歴史あるブリュッセル自由大学のキャンパス内を駆け巡る特設コース(2019年初開催)で、2001年、2006年、2007年のシクロクロス世界チャンピオンであるエルウィン・フェルヴェッケン(ベルギー)の監修による急角度キャンバーや担ぎセクションの多いテクニカルレイアウトが特徴だ。

テクニカルコースで独走するデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)テクニカルコースで独走するデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
女子レースでダッシュを決めたのはデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)だった。「スタート直後にコンディションが良いことが分かり、ルシンダと差ができていることに気づいた」と言うベッツェマがハイペースで逃げると、2番手ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)は長いキャンバーを横切る区間でグリップを失い落車してしまう。ライバルのミスを得たベッツェマが大きなリードを稼ぎ出すことに成功した。

「イチかバチかで踏んだけれど、脚は最後までもってくれた」と言うベッツェマは、テクニカルコースで持ち前のパワーを発揮しきれないブラントとの差を維持していく。前日2位のアンマリー・ワースト(オランダ、777)は一時2番手に立ったものの、キャンバーセクションに翻弄され次第にペースを失っていった。

木の根が露出したキャンバー区間に手を焼いたルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)木の根が露出したキャンバー区間に手を焼いたルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) photo:CorVos
昨年10月末以来の勝利を挙げたデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)昨年10月末以来の勝利を挙げたデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
大きなミスなく6周回を走りきったベッツェマが、昨年10月24日のUCIワールドカップ第4戦以来となる久々の勝利。「ようやくもう一勝を挙げることができた。シーズン終盤に勝利を掴めてよかった。とても嬉しい」と、これまでブラントやフォスに勝ちを奪われ続けてきたベッツェマは喜んでいる。

X2Oバドカマートロフェー2021-2022第8戦女子表彰台X2Oバドカマートロフェー2021-2022第8戦女子表彰台 photo:CorVos
ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が2年連続のシリーズランキング総合覇者に輝くルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が2年連続のシリーズランキング総合覇者に輝く photo:CorVos
一方のブラントは「うまく走れず苦しんだ。もう一つ順位をあげたかったけれどデニセはとても強く、落車以降挽回できなくなった」と2位に終わりながらも、累計フィニッシュタイムで争われるシリーズランキングで2年連続となる総合優勝を達成している。
X2Oバドカマートロフェー2021-2022第8戦女子結果
1位 デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) 44:52
2位 ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) +0:28
3位 マノン・バッカー(オランダ、IKOクレラン) +1:39
4位 マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、スターカジノCXチーム) +2:01
5位 アンマリー・ワースト(オランダ、777) +2:24
6位 アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) +2:31
7位 ゾーイ・バックステッド(イギリス、トルマンス・アクログ) +2:56
8位 アンナ・ケイ(イギリス、スターカジノCXチーム) +3:32
9位 ラウラ・フェルドンショット(ベルギー) +3:38
10位 エレーヌ・クラウツェル(フランス、A.S.バイククロスチーム) +4:01
text:So Isobe
photo:CorVos

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