伊豆ベロドロームで開催されている全日本選手権トラック2日目は、4種目の決勝が行われた。スクラッチとマディソンで優勝した今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が四冠を達成。女子オムニアムでは鈴木奈央、スプリント男子は寺崎浩平、女子は梅川風子と、チーム楽天Kドリームス勢が優勝した。



伊豆ベロドロームでの全日本選手権トラック2日目伊豆ベロドロームでの全日本選手権トラック2日目 photo:Satoru Kato
走路上にうっすらと残る五輪マークの跡走路上にうっすらと残る五輪マークの跡 photo:Satoru Kato
女子オムニアム 鈴木奈央が優勝

女子オムニアムは7名の出走女子オムニアムは7名の出走 photo:Satoru Kato女子オムニアム・スクラッチ 鈴木奈央が内野艶和(チーム楽天Kドリームス)を僅差で下す女子オムニアム・スクラッチ 鈴木奈央が内野艶和(チーム楽天Kドリームス)を僅差で下す photo:Satoru Kato

女子オムニアム・ポイントレース 上位を占めるチーム楽天Kドリームスの3名がお互いをマークし合う女子オムニアム・ポイントレース 上位を占めるチーム楽天Kドリームスの3名がお互いをマークし合う photo:Satoru Kato
女子オムニアム・ポイントレース 内野艶和が1位通過を繰り返して一時首位に立つ女子オムニアム・ポイントレース 内野艶和が1位通過を繰り返して一時首位に立つ photo:Satoru Kato女子のオムニアムは、昨年の勝者で五輪銀メダリストの梶原悠未が、トラックのチャンピオンズリーグ出場中のため不在の中、鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス)が気を吐いた。

鈴木はスクラッチ、テンポレース、エリミネイションで1位となり、総合首位で最後のポイントレースへ。「前の種目からのリカバリーが十分でなかった」と言う鈴木は、序盤から1位通過を繰り返す内野艶和(チーム楽天Kドリームス)に、レース終盤逆転される。しかし、ポイントが倍になるフィニッシュで1位となって再逆転し、優勝を決めた。



男子スクラッチ ラップした今村駿介が優勝

男子スクラッチ 単独先行してラップした今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)男子スクラッチ 単独先行してラップした今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato男子スクラッチ 今村駿介に続いてラップした橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)男子スクラッチ 今村駿介に続いてラップした橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato

男子スクラッチ 終盤に単独先行した山下虎ノ亮(榛生昇陽高校)男子スクラッチ 終盤に単独先行した山下虎ノ亮(榛生昇陽高校) photo:Satoru Kato男子スクラッチは、予選を勝ち上がった19名で決勝が行われた。「ナショナルチームで走っているからには、しっかり脚をつかって勝ちたかった」と言う今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が、単独先行して集団を周回遅れにするラップに成功。その後橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)もラップに成功する。

終盤、山下虎ノ亮(榛生昇陽高校)が単独で逃げ、入れ替わりで貝原涼太(宇都宮ブリッツェン)が逃げて最終周回に入るも、今村が猛追して捕まえ、トップでフィニッシュして優勝を決めた。

男子スクラッチ 最後は今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)がトップでフィニッシュ男子スクラッチ 最後は今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)がトップでフィニッシュ photo:Satoru Kato



男子マディソン チームブリヂストンサイクリングの2チームが力差を見せつける

男子マディソン優勝 チームブリヂストンサイクリング2(今村駿介、山本哲央)男子マディソン優勝 チームブリヂストンサイクリング2(今村駿介、山本哲央) photo:Satoru Kato
男子マディソン2位 チームブリヂストンサイクリング1(橋本英也、兒島直樹)男子マディソン2位 チームブリヂストンサイクリング1(橋本英也、兒島直樹) photo:Satoru Kato男子マディソン3位 日本大学(佐藤健・高橋舜)男子マディソン3位 日本大学(佐藤健・高橋舜) photo:Satoru Kato

男子マディソンには6チームが出場。序盤は日本大学とシマノレーシングがリードするも、中盤にチームブリヂストンサイクリングの2チームがラップして大差をつける。終盤は今村駿介と山本哲央のチームブリヂストンサイクリング2がポイントを加算。フィニッシュ直前の落車でヒヤリとさせられる場面もあったものの、築いたリードで逃げ切った。今村は大会2日目にして早くも四冠を達成した。

今村と山本は中央大学の先輩・後輩の間柄だが、マディソンで組むのは今回が初めてだという。

男子マディソン 表彰式男子マディソン 表彰式 photo:Satoru Kato「少人数のレースだったので、後手を踏まないように注意してレースをした」と言う今村。実は世界選手権から帰国後、隔離期間中のトレーニングで膝を壊してしまったそうだが、全日本選手権に向けて急ピッチで合わせてきたと言う。「それも次の国際大会に向けてのトレーニングの過程の中で、今のベストパフォーマンスを出せたと思う。あと2日、出る種目で勝ちを狙っていきたい」と、語った。

一方の山本は、「最強の先輩なので楽しかった。序盤から今村先輩がしっかりポイントを取ってくれたおかげで、点差がついて逃げ切ることが出来た。脚の揃ってるチームがチームブリヂストンの2チームしかなかったので、お互い見合う感じで消極的なレースをしてしまった」と、レースを振り返りつつ反省点を挙げた。



スプリント 男子は寺崎浩平、女子は梅川風子が優勝

男子スプリント 9秒799を出して予選トップとなった中野慎詞(ドリームシーカーレーシングチーム)男子スプリント 9秒799を出して予選トップとなった中野慎詞(ドリームシーカーレーシングチーム) photo:Satoru Kato男子スプリント決勝 スタート前からレースは始まる男子スプリント決勝 スタート前からレースは始まる photo:Satoru Kato

男子スプリント決勝 4コーナーで新山響平(チームブリヂストンサイクリング)をまくりに行く寺崎浩平(チーム楽天Kドリームス)男子スプリント決勝 4コーナーで新山響平(チームブリヂストンサイクリング)をまくりに行く寺崎浩平(チーム楽天Kドリームス) photo:Satoru Kato
男子は、予選の200mタイムトライアルで9秒799をマークした中野慎詞(ドリームシーカーレーシングチーム)が首位。その中野を1/2決勝で破った寺崎浩平(チーム楽天Kドリームス)が決勝に進んだ。寺崎は新山響平(チームブリヂストンサイクリング)を2本連続で下して優勝を決めた。

女子スプリント 3本目までもつれた勝負は梅川風子(チーム楽天Kドリームス、イン側)が優勝女子スプリント 3本目までもつれた勝負は梅川風子(チーム楽天Kドリームス、イン側)が優勝 photo:Satoru Kato
女子スプリント 予選で大会新記録となる10秒849を出した小林優香(チーム楽天Kドリームス)女子スプリント 予選で大会新記録となる10秒849を出した小林優香(チーム楽天Kドリームス) photo:Satoru Kato女子スプリント 表彰式女子スプリント 表彰式 photo:Satoru Kato

女子は、予選で大会記録となる10秒849を出した小林優香と、予選2位の梅川風子(共にチーム楽天Kドリームス)の対戦となり、3回戦までもつれた勝負を梅川が制して優勝した。

H3
全日本選手権トラック2日目 結果
女子オムニアム 結果
Sc Te El Po
1位 鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス) 40 40 40 26 146
2位 内野艶和(チーム楽天Kドリームス) 38 36 38 40 142
3位 古山稀絵(チーム楽天Kドリームス) 36 38 36 20 130
男子スクラッチ 結果
1位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 16分41秒04
2位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)
3位 谷内健太(京都産業大学)
4位 貝原涼太(宇都宮ブリッツェン)
5位 河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)
6位 孫崎大樹(スパークルおおいたレーシングチーム)
男子マディソン 結果
1位 チームブリヂストンサイクリング2(今村、山本) 60p
2位 チームブリヂストンサイクリング1(橋本、兒島) 57p
3位 日本大学(佐藤、高橋) 32p
スプリント 結果
男子 女子
1位 寺崎浩平(チーム楽天Kドリームス) 梅川風子(チーム楽天Kドリームス)
2位 新山響平(チームブリヂストンサイクリング) 小林優香(チーム楽天Kドリームス)
3位 中野慎詞(ドリームシーカーレーシングチーム) 久米 詩(JPCA)
4位 小原佑太(ドリームシーカーレーシングチーム) 中西美央(鹿屋体育大学)
5位 市田龍生都(中央大学) 昼田 奈(同志社大学)
6位 松井宏佑(チーム楽天Kドリームス)

text&photo:Satoru Kato

全日本選手権トラック 大会2日目