10月からスタートした競輪の新シリーズ「ピスト6チャンピオンシップ」が、11月13日(土)・14日(日)の開催からいよいよ有観客開催となる。それを前に、関係者を招待しての内覧会が行われた。新たに盛り込まれたイベントや、インパクト大なオリジナルフードなどを紹介する。



PIST6の会場となるティップスタードーム千葉(TIPSTAR DOME CHIBA)PIST6の会場となるティップスタードーム千葉(TIPSTAR DOME CHIBA) photo:Satoru Kato
千葉競輪場跡地に完成した屋内型バンク「ティップスタードーム千葉(TIPSTAR DOME CHIBA」で新たにスタートした競輪の新シリーズ「ピスト6チャンピオンシップ(PIST6 Championship)」。競輪としては初めて250m板張りバンクを使用して開催されることで注目を集める。

折りからのコロナ禍により、10月2日の開幕戦から無観客での開催が続いていたが、11月13日・14日から有観客で開催されることになった。(開幕戦の模様はこちら)ティップスタードーム千葉は約2000人の観客動員が可能だが、当面は収容制限50%での開催となる。

現代美術家の松山智一氏が手がけた彫刻 手前(入って左側)が勝者、奥(入って右側)が敗者を現してるという現代美術家の松山智一氏が手がけた彫刻 手前(入って左側)が勝者、奥(入って右側)が敗者を現してるという photo:Satoru Kato10月に開幕したPIST6 現在は「ジャパンヒーローズ」というシリーズ戦が行われている10月に開幕したPIST6 現在は「ジャパンヒーローズ」というシリーズ戦が行われている photo:Satoru Kato

それを前に、報道関係や招待者を対象とした内覧会が11月4日に開催された。開幕戦ではレースとアトラクションは行われたものの、ドーム内部のショップなどは営業しない仮オープン状態だった。今回は全てのサービスがオープンした状態での開催となった。



ピスト6「外」から見るか「内」から見るか

お目当ての選手に声援を送るお目当ての選手に声援を送る photo:Satoru Kato
「ピスト6」の観客席は全席指定で販売される。会場でのチケット販売はなく、オンライン販売のみ。事前にピスト6のオフィシャルサイトからチケットを購入し、発行されるQRコードを提示して入場する。

普通席の「レギュラーシート」は2,000円、ホーム側最前列の「プレミアムシート」は5,000円。車いす用のスペースもあり、レギュラーシートと同価格で用意される。また、収容制限中は販売されないが、4人から6人で使用できるボックスシートの設定もある。

正面スタンド中央の席からはスタートが目の前 競輪場特有のフェンスが無いので反対側からもよく見える正面スタンド中央の席からはスタートが目の前 競輪場特有のフェンスが無いので反対側からもよく見える photo:Satoru Kato
レギュラーシートはAからFの6つのエリアに分られ、チケットを購入する際に座席表から選ぶことができる。どの席からもバンクを一望できるが、より近くで見たいならホーム又はバックのストレート前寄り、眺めの良さならコーナー側高めの位置など、好みによって選べる。プレミアムシートならスタート前の選手の緊張感まで伝わりそうな近さ。値段はレギュラーシートの倍以上となるが、迫力を求めるならその価値はあるだろう。

インフィールドからの眺め 天井が一際高く感じるインフィールドからの眺め 天井が一際高く感じる photo:Satoru Kato
インフィールドには自由に使えるソファー席が並ぶインフィールドには自由に使えるソファー席が並ぶ photo:Satoru Katoインフィールドからはバンクを見上げる角度になるインフィールドからはバンクを見上げる角度になる photo:Satoru Kato

指定席とは言え、同じ席でずっと見るのは飽きるという人もいるかもしれない。そんな時にはバンク内側のインフィールドに入ってみると、まったく違う世界が広がる。バンクより1段低くなっているため、ドームの天井が高く開放感のあるスペースだ。

インフィールドではオフィシャルダンスチーム「PSD」のダンスを間近で見られるインフィールドではオフィシャルダンスチーム「PSD」のダンスを間近で見られる photo:Satoru Kato
選手入場も目の前選手入場も目の前 photo:Satoru Kato
レースを見るには若干遠くなってしまうが、選手入場やピスト6オフィシャルダンスチーム「PSD」のダンスを目の前で見られるのはインフィールドならでは。自由に使えるソファーが設置されているので、ゆったりと見ることが出来そうだ。



選手目線を体感できる「バンクウォーク」

250m走路を歩いて回る「バンクウォーク」250m走路を歩いて回る「バンクウォーク」 photo:Satoru Kato
全てのレースが終わった後には、選手が走るバンクを歩いて回る「バンクウォーク」に参加できる。通常は入れない走路を歩ける貴重な機会だ。バンクウォークは、土曜日(1日目)のデイレース(昼)とナイトレース(夜)の終了後と、日曜日(2日目)のデイレース終了後に行われる。表彰式が行われる日曜日のナイトレース後は行われず、雨天の際は中止となる(湿度の影響で走路が傷つきやすくなるため)。

走路入場の際は、革靴やハイヒールなど、靴底の硬い靴はシューズカバーを貸してくれるので、必ず着けて入場する。走路を傷つける可能性のある行為・・・バンクをよじ登ったり、走路を滑るようなことは絶対に避けたい。



インパクト大のフード類やオリジナルグッズ販売も

ピスト6は、デイレースは昼食、ナイトレースは夕食の時間帯にかかることもあり、フード類の提供にも力を入れている。会場内には4つのフードショップがあり、それぞれに違ったメニューが提供される。

入り口左側にある「Drink Shop」入り口左側にある「Drink Shop」 photo:Satoru Katoケーキがまるまる載ったインパクト抜群のシェイク チョコレートと抹茶の2種(写真はチョコレート/900円)ケーキがまるまる載ったインパクト抜群のシェイク チョコレートと抹茶の2種(写真はチョコレート/900円) photo:Satoru Kato

メインエントランスから入ってすぐ左手にあるのが、「ドリンクショップ(Dorink Shop)」その名の通り、ここでまず飲み物を買って観客席へ向かってもらおうというコンセプトだ。売りはカップの上にケーキがまるまる1個載ったシェイク。見た目もお腹もいっぱいになりそうだ。

 TIPSTAR BARはバンクを見下ろすような高さ TIPSTAR BARはバンクを見下ろすような高さ photo:Satoru Katoグラフィカルなデザインが目を引くTIPSTAR BARグラフィカルなデザインが目を引くTIPSTAR BAR photo:Satoru Kato

観客席から1段高い場所にあるのが「ティップスターバー(TIPSTAR BAR)」。ここでは、ホットドッグやフィッシュアンドチップス、ビールなどの酒類も提供される。バンクを見下ろすように一望できるカウンター席は「ここでずっと見てられる」という感想が聞かれたほどだ。

バンクの周長「250m」にちなみ、250mmのソーセージを使った「250ホットドッグ」(900円)バンクの周長「250m」にちなみ、250mmのソーセージを使った「250ホットドッグ」(900円) photo:Satoru Kato

メインは、バンクの周長250mにちなんで25センチ(250mm)のソーセージを使った「250ホットドッグ」。その大きさもさることながら、チリビーンズのような豆入りソースと相まってボリューム満点のホットドッグ。これひとつで大抵の人は満足してしまうだろう。普通サイズのホットドッグもあるので、他に色々食べたい人にはそちらをお勧めする。

インフィールド内にある「Food Truck」インフィールド内にある「Food Truck」 photo:Satoru Katoクラフトビールも各種揃うクラフトビールも各種揃う photo:Satoru Kato

ティップスターバーの一部メニューは、インフィールドにある「フードトラック(Food Truck)」でも提供されるので、階段を登りおりせずにインフィールドからの観戦を楽しむことも出来そうだ。

ニューヨークスタイルのピザを楽しめる「ORANGE&PIZZA」ニューヨークスタイルのピザを楽しめる「ORANGE&PIZZA」 photo:Satoru Kato走路に使用されているものと同じ木材で造られたベンチ走路に使用されているものと同じ木材で造られたベンチ photo:Satoru Kato

A4サイズよりも大きな箱に収まるNYスタイルのピザ「オレンジ」(800円)A4サイズよりも大きな箱に収まるNYスタイルのピザ「オレンジ」(800円) photo:Satoru Kato
観客席から1段下がったところにあるのが「オレンジ&ピザ(ORANGE&PIZA)」。ニューヨークスタイルのピザを提供するお店で、店名の通りオレンジを敷き詰めたピザがメインメニューだ。カットされているとは言え、ピザの箱はA4サイズを上回る大きさ。これまたボリューミーなピザだ。

メインエントランスから入って右側にあるオリジナルグッズショップメインエントランスから入って右側にあるオリジナルグッズショップ photo:Satoru Kato
PIST6ロゴやイラストがあしらわれたTシャツなどのオリジナルグッズPIST6ロゴやイラストがあしらわれたTシャツなどのオリジナルグッズ photo:Satoru KatoステーショナリーもPIST6のオリジナルグッズステーショナリーもPIST6のオリジナルグッズ photo:Satoru Kato

ピスト6オリジナルグッズを揃えたショップには、Tシャツやキャップなどのアパレルや、手帳やペンなどのステーショナリーなど様々なグッズが並ぶ。世田谷にあるショップ「ブルーラグ(BLEU LAG)」のグッズも揃えられており、レースの合間に覗いてみるも良さそうだ。

世田谷のショップ「ブルーラグ(BLUE LUG)」のオリジナルグッズも並ぶ世田谷のショップ「ブルーラグ(BLUE LUG)」のオリジナルグッズも並ぶ photo:Satoru Kato東京五輪で日本代表が使用したブリヂストンのトラックバイク「TS9」が展示される東京五輪で日本代表が使用したブリヂストンのトラックバイク「TS9」が展示される photo:Satoru Kato

なお、会場内のショップは全てキャッシュレス決済のみとなるため、現金での支払いが出来ない点はご注意を。



ギャンブルとしてではなく、スポーツ観戦としての「ピスト6」

多彩な照明やレーザーによるショーアップもPIST6の売り多彩な照明やレーザーによるショーアップもPIST6の売り photo:Satoru Kato
ピスト6は、公営競技の「競輪」としての開催となるため、車券の販売が行われる。しかし会場内には車券販売の設備はなく、スマートフォンアプリの「ティップスター(TIPSTAR)」上での販売のみとなる。(ティップスター上では課金せずに車券を疑似購入できる機能もある。)

開幕戦の記事を公開した際には「ギャンブルには興味ない」という反応が少なからず見受けられたが、今回の内覧会を見る限りではギャンブルの要素はかなり薄い印象を受けた。あえて挙げるなら、各レース前に車券を購入するための時間が設けられ、締切前にカウントダウンされるところに「競輪」を感じるのみだ。

一方で、次から次とレースが続いていく通常のトラック競技大会に比べ、レースの間隔が長いので間延びを感じることもある。でもその間にホットドッグやビールを買ったり、観客席とインフィールドを行ったり来たりすることが出来ると考えれば、ちょうど良い間になりそうだ。

レースの合間にはオリジナルグッズのプレゼント企画が行われるレースの合間にはオリジナルグッズのプレゼント企画が行われる photo:Satoru Kato選手紹介では脚質の特徴を数値化して表示する選手紹介では脚質の特徴を数値化して表示する photo:Satoru Kato

また、オリジナルグッズのプレゼント企画や、前述のバンクウォークなど、開幕戦では見られなかったイベントが新たに盛り込まれ、レース以外に楽しめる要素が増えた。「サッカーのJリーグでスポーツくじが販売されているのと同様に、車券に関係なくスポーツ観戦として楽しんで欲しい」という説明が開幕の際にあったが、野球やサッカーを観戦に行くような感覚で行っても違和感のないイベントだと、今回の内覧会では感じられた。

夜のティップスタードーム千葉 ナイトレースが終わった後はこの光景を見ながら帰路につく夜のティップスタードーム千葉 ナイトレースが終わった後はこの光景を見ながら帰路につく photo:Satoru Kato
11月13日、14日のチケットはまだ空席があるが、プレミアムシートを含め、良い席は埋まってきているようだ。興味ある方は下記リンクからピスト6公式サイトへ。


text&photo:Satoru Kato