熾烈なアタック合戦に食らいつき、息を潜め、そして得意のスプリントで全日本王者となった草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)。25歳の新チャンピオンの走りを支えたのは、こだわりが凝縮されたフジのSL1.1だった。



草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)とフジ SL1.1草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)とフジ SL1.1 photo:So Isobe
愛三工業レーシングチームが2021シーズンに駆ったのは日本発祥のアメリカンブランド、フジ。軽量オールラウンダーのSL1.1とエアロロードのTRANSONIC1.1が(株)アキボウより供給されている。当初はディスクブレーキ仕様のSL1.1 Discがメインバイクとなる予定だったものの、ここ最近の需要過多と物流停滞によって供給が間に合わず、急遽リムブレーキモデルが用意されたという。

「SL1.1の第一印象は剛性が高いこと。そのため、踏み出しからスピードに乗せるまでの反応が素晴らしく、さらに軽量であることから、国内の周回レースにおいてアドバンテージになった」とは、新チャンピオン草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)の談。フレームにはフジのカラーオーダーシステム「REMIX(現在サービス終了)」のロゴも記されていた。

愛三工業はシマノのサポートを受けているため、コンポーネントやホイール、ハンドル周りなどはデュラエースもしくはPRO製品。草場はリムブレーキ+Di2のR9150系デュラエースを使用。フロント53-39T、リア11-28Tというギア構成で広島中央森林公園のアップダウンコースを攻略した。

クリンチャーのC24にコンチネンタルのGP5000を組み合わせる。乗り味のバランスやグリップ力を優先した選択だというクリンチャーのC24にコンチネンタルのGP5000を組み合わせる。乗り味のバランスやグリップ力を優先した選択だという photo:So Isobe
コンポーネントはR9150系デュラエースDi2コンポーネントはR9150系デュラエースDi2 photo:So Isobeチェーンリング歯数は53-39T。クランク長は170mmチェーンリング歯数は53-39T。クランク長は170mm photo:So Isobe


カーボンホイール全盛の現在において、しかもスプリント力に優れる草場だが、あえてアルミロープロファイルのC24クリンチャーホイール(WH-R9100-C24-CL)を選択。本人によれば高剛性フレームとの相性を考えてのチョイスであり、「広島のコースにもマッチした組み合わせになった」と振り返る。レース界で主流のチューブラーを選ばない理由は、クリンチャーのみのラインナップであるコンチネンタルのGP5000を使うため。「前作GP4000よりもトレッド面が柔らかくなった事でグリップ力が増し、踏み込んだ時の路面からの反応がとても良い」と草場は言う。

ハンドルとステムはPROのVIBEシリーズ。STIレバーはやや内向きにセットハンドルとステムはPROのVIBEシリーズ。STIレバーはやや内向きにセット photo:So Isobe
サドルはPROのTurnixサドルはPROのTurnix photo:So IsobeバーテープはXTRM、下ハンドル部分は二重巻きにしているというバーテープはXTRM、下ハンドル部分は二重巻きにしているという photo:So Isobe


草場は過去にスプリンタースイッチを使用していたものの、スプリント時に誤ってスイッチに触れ変速した経験から今は装着を見送っている。トラック競技では太めのハンドルを使用し、それと感覚を近づけるため下ハンドル部分のXTRM製バーテープを二重巻きにしているという。ハンドルはPROのVibe Aero Carbonだ。

愛三工業カラーに彩られたSL1.1。REMIXのロゴも記されていた(他選手のバイク)愛三工業カラーに彩られたSL1.1。REMIXのロゴも記されていた(他選手のバイク) photo:So Isobe
また、コンピューターは太陽の反射を防ぐためにやや下向きにセット。レックマウント製のマウントを使用し、普段はコンピューターの下にライトを取り付け、安全にも配慮しながらトレーニングを行なっているという。

text&photo:So Isobe

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