今年のブエルタ第20ステージで総合3位ながら途中棄権したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)が、モビスターを離れアスタナに復帰することが発表された。契約期間は2023年までの2年間。



ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) photo:Unipublic
「アスタナへの復帰はまるで家に戻るような気持ちがする。プロの世界では成長するため、新しい経験による変化が必要だ。その変化には良いものもあれば、そうでないものもある。だがいま大事なのはホームであるアスタナに戻れたことだ」と、ロペスはアスタナ・プレミアテック(来季よりアスタナ・カザフスタン)の公式リリースでコメントした。

現在27歳のロペスはプロデビューした2015年からの6年間をアスタナで過ごすと、2021年に1年契約でモビスターに移籍。8月には更に2年の契約延長(2023年末まで)を発表した。しかし総合エースの1人として臨んだブエルタ・ア・エスパーニャで、チームが同じくエースのエンリク・マス(スペイン)の総合順位を優先したことに対し、その時点で総合3位につけていたロペスが抗議する意志を表すように途中リタイアした。

ロペスはレース直後に謝罪したものの、モビスターとの関係は修復されることなく、契約期間を破棄する形でモビスターを退団しアスタナへの復帰となった。「アスタナは僕にたくさんのものを与えてくれ、今後は更にたくさんの素晴らしい瞬間を共にできるだろう。新しいシーズンで成功を収めるためには僕とアスタナ・カザフスタンが共に努力する必要があると思っている」。

ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージで勝利を挙げたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージで勝利を挙げたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
ロペスの復帰について、チームスポンサーであるカナダ企業プレミアテックの降板により役職に戻ったアレクサンドル・ヴィノクロフGMは、「ロペスは我チームで育ち、数々の成功を成し遂げた選手だ。だからこそ彼の復帰はアスタナとして嬉しい。この1年でロペスはアスタナではできない経験をした。それは良い面も悪い面もあるが、これからは彼の成長をサポートしていきたい。彼はまだ世界でも有数の選手だということを、まだ勝利を積み重ねることができる選手であると証明した。だからこそ彼がアスタナ・カザフスタンでキャリアを続けることを嬉しく思うんだ」と教え子への期待を語った。

来季のアスタナはヤコブ・フルサン(デンマーク)がイスラエル・スタートアップネイションへ、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア)がボーラ・ハンスグローエに移籍し、イザギレ兄弟も共にチームを離れるなどエース級の選手たちの離脱が発表されている。

しかしチームはヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)の6年振りの復帰や、イネオス・グレナディアーズからジャンニ・モスコン(イタリア)、UAEチームエミレーツからジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)とダビ・デラクルス(スペイン)が加入するなど、順調な補強が進んでいる。

text:Sotaro.Arakawa