イタリアのヘルメットブランド、カスクから新たなエアロヘルメットが登場。日本の山葵に着想を得た新作"WASABI"は開閉可能なベンチレーションホールによって冷却と空力の最適化を実現した意欲作だ。



カスク WASABIカスク WASABI (c)日直商会
3月にイタリアのトスカーナで開催されたストラーデビアンケにおいて、イネオス・グレナディアーズの選手らが使用していた見慣れないヘルメットに注目が集まった。チームがメインで使用するPROTONEやエアロモデルのUTOPIAとも違うフォルムの新作が、ついに正式発表となった。

料理の味をキリっと引きたてる日本の山葵に着想を得て、ライダーのパフォーマンスを引きたてるべくWASABIと名付けられた新型ヘルメット最大の特徴は、開閉可能なベンチレーションによって冷却機能と空力性能の両立を図った点だ。

ベンチレーションを開閉することで様々なシーンに対応できるベンチレーションを開閉することで様々なシーンに対応できる (c)日直商会
シェル中央部がスライドすることで前頭部のベンチレーションホールを開閉できる「アクティブベンチレーションシステム」を搭載。コースや気候に応じて最適な性能を実現できる、マルチパーパスなレーシングヘルメットとなっている。かつて、カスクは同様の機構をもったINFINITYをラインアップしていたが、その性能をブラッシュアップしモダンなスタイルへとアップデートした後継モデルともいえる。

平坦での高速巡航や下り坂といったエアロダイナミクスを重視するシーンや、肌寒い時期のライドで冷たい外気を遮断したい際はシェルを前方にスライドすることでベンチレーションホールを閉じ、ヒルクライムや夏場のライドといった通気性を重視するシーンでは、後方にスライドすることでベンチレーションホールを開ける、といった使い方が可能となっている。

ベンチレーションをオープンにした状態ベンチレーションをオープンにした状態 (c)日直商会ベンチレーションホールを閉じた状態ベンチレーションホールを閉じた状態 (c)日直商会


大きく排気口を取ることで、冷却効率を高める大きく排気口を取ることで、冷却効率を高める (c)日直商会
カスクラインアップの中でUTOPIAに次ぐ空力性能を有したモデルでありつつ、ベンチレーションホールをオープンにした際にはヘルメット内部の温度を1.5℃下げることが可能だという。しっかりとエアフローを確保する内部のチャネル設計に加え、インナーパッドに温度調節機能を持つメリノウール製REDA ACTIVEパッドを使用することで、常に頭部を快適に保ってくれる。

フィッティングシステムはカスクの他モデルにも採用される軽量なOCTO FITを採用。人間工学に基づいた設計で、快適な装着感を実現する。人工皮革を用いた肌触りの良いストラップもカスクらしいポイントだ。回転衝撃に対する安全基準であるWG11をクリアしており、セーフティ性能の面でもぬかりない。

カスク WASABI GREY MATTカスク WASABI GREY MATT (c)日直商会
カスク WASABI WHITE MATTカスク WASABI WHITE MATT (c)日直商会カスク WASABI BLACK MATTカスク WASABI BLACK MATT (c)日直商会


アウターシェルは高級感のあるマット仕上げとされ、ハイエンドなレーシングヘルメットでありながらロードレースだけでなく、グラベルツーリングなでにも違和感なくなじむデザインだ。夜間の視認性を高める大型反射テープが後部に配置されているため、ナイトライドにもマッチするだろう。

カラーはブラックマット、ホワイトマット、グレーマットの3色展開で、サイズはS(50-56cm)、M(52-58cm)、L(59-62cm)が用意される。重量はMサイズで270g。JCF公認も取得しており、国内の登録レースでももちろん使用可能。発売時期は10月を予定しており、価格は38,500円(税込)となる。



カスク WASABI
カラー:ブラックマット、ホワイトマット、グレーマット
サイズ:S(50-56cm)、M(52-58cm)、L(59-62cm)
重量:270g(Mサイズ)
発売予定:2021年10月
価格:38,500円(税込)

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