「最大の目標だったグランツールのステージ優勝を達成した今、次なる目標を探さなければいけない」とは逃げから勝利を掴んだマイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM)。2位のベローナや3位のシヴァコフなどブエルタ7日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ1位 マイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM)

独走でフィニッシュしたマイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM)独走でフィニッシュしたマイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM) photo:Unipublic
今日のステージで勝つとは思っていなかった。調子は良く、チャンスがあれば挑戦すべきだとは分かっていた。こんな難易度の高いステージでの勝利なんてすごく嬉しいし、同時にとても驚いている。最後の1kmは楽しむ余裕なんてなかった。だけどいま徐々に勝利の実感が湧いてきて、喜びの感情に溢れているよ。

(最終山岳の)登りの後半で、もしかしたらこの中で自分が一番強いのではないかと感じていた。カルロス・ベローナのアタックを必死に追い、次に僕が仕掛け引き離すことに成功した。最後の3kmはとんでもなく厳しく、それはメイン集団とそれほどタイムが縮まらなかったことからも伝わるだろう。それにこの登りはとても複雑かつテクニカルだった。誰が一番強いかではなく、誰の後ろにつくかが勝負を分けた。

グランツールで自身初となるステージ優勝を挙げたマイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM)グランツールで自身初となるステージ優勝を挙げたマイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM) photo:CorVos
今日の計画は積極的な走りをして、自分の展開にレースを持ち込むことだった。僕たちは今日のステージを支配できたと思うし、チームメイトの走りに感動すら覚えたよ。何のミスもすることなく、正しいタイミングで力を発揮することができた。今日に向けて周到な準備をし、それがモチベーションに繋がったんだ。チームとしてはまだまだ勝つチャンスが残っている。この栄光に満足することなく、チームDSMとして毎日勝利を狙っていきたい。

今年のジロにも良いコンデイションで出場したのだが、その6週間前に体調を崩して満足な準備ができなかった。だがこのブエルタには完璧な準備ができ、それが勝利に繋がったのだろう。グランツールで勝利することが最大の目標だった。それを達成できた今、新しい次の目標を探さないといけないね。

ステージ2位 カルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)

前待ち作戦から自身の勝利に切り替えたカルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)前待ち作戦から自身の勝利に切り替えたカルロス・ベローナ(スペイン、モビスター) photo:Unipublic
この結果にある程度の満足をしている一方で、頭がおかしくなるぐらいの悔しさも感じている。今日は勝利を狙っていなかったものの、あと少しのところまで近づいたんだ。監督にアレハンドロ(バルベルデ)が仕掛けるからと言われ、そのために力を蓄えていた。だが一瞬無線に静寂が訪れたんだ。何が起きたのかわからなかったが、その後アレハンドロの落車が伝えられた。彼の無事を祈りながら、レースの先頭にいる僕は目標を勝利に切り替えた。

他の選手がどこで仕掛けるかを予想しながら何度もアタックを繰り返した。他の選手たちより僕は登りで劣っていたので、急勾配区間の前で飛び出した。2度の仕掛けで一時はタイム差をつけることができたが、結局70kgの僕より体重の軽いストーラーに負けてしまった。彼は今日、間違いなく一番強い選手だったよ。

ステージ3位 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)

終盤にアタックを繰り返したパヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)終盤にアタックを繰り返したパヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) photo:Unipublic
レース前半の展開に夢中になってしまい脚を使い過ぎたのだろう。敗因はストーラーを過小評価していたことにある。彼の走りは素晴らしかった。最後から2つ目の登りでチェーンが外れる不運があり、その瞬間アタックした彼には一言何か言ってやりたいね。

その後なんとか合流することができたが、ストーラーは先頭交代を嫌がったんだ。でもそれもレースの一部なので仕方がないし、厳しい最終山岳で彼が一番強かったということには変わりない。最後の登りでも調子は良かったが、先頭集団に復帰するのに力を使いすぎてしまった。勝利を争うことができて嬉しかったが、こんな暑さの中では小さなミスが勝負を分けてしまうんだ。

ステージ4位 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)

総合でも8位に浮上したセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)総合でも8位に浮上したセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
1つ目の山岳から速いペースで進み、いきなりレースの幕が上がった。逃げに入ったのは意図的ではなく、総合上位の選手のアタックに反応しただけだった。何より逃げを好きにさせたくなかった。集団の後ろについて力を溜めていたのだが、最後には何も残っていなかった。このステージのコントロールは難しいと思っていたが、ライバルたちにプレッシャーを与えたかったんだ。今日の結果には満足しているよ。

ステージ7位&総合2位 フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)

マイヨロホに8秒届かなかったフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)マイヨロホに8秒届かなかったフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
マイヨロホを獲得するチャンスを逃してしまったので、正直少し落ち込んでいる。ステージ優勝を狙って賭けに出たのが失敗だった。絶好の機会を逃し残念だが、それ以上に明るい結果を得られたということも事実。大会最初の山岳ステージで、総合2位にジャンプアップすることができた。それはみんなの予想を上回る結果だと思うし、それに関しては喜ぶべきなのだろう。

ステージ8位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル)

アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル)アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) photo:CorVos
タフなステージだった。僕らは勝利のために戦い、自分たちの走りを誇りに思う。また次のステージでも挑戦を続けるよ。(同じデンマーク人で落車リタイアした)マッズ・ウルスシュミットの無事と、一刻も早い回復を願っている。またプロトンで会おう。

マイヨロホ プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

1級山岳バルコン・デ・アリカンテでメイン集団のペースを上げるアダム・イェーツをマークするプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)1級山岳バルコン・デ・アリカンテでメイン集団のペースを上げるアダム・イェーツをマークするプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
とても暑く、1つ目の山岳からペースの速いタフなステージだった。1日を通して僕たちはフルスピードで走り、昨日の疲れから回復する時間なんてほどんどなかった。今日もまたチームは素晴らしい働きをした。彼らは強さを見せ、集団を終始コントロールしていた。またセップ(クス)が逃げに乗ることで、僕たちにとっては理想的な状況でもあった。

総合4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)

36秒遅れの総合4位につけるミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)36秒遅れの総合4位につけるミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) photo:Unipublic
バラ(バルベルデ)がレースを降りなければならないのは悲しく、チームにとって大きな損失だ。彼は僕たちに安全と落ち着きを与えてくれる素晴らしい選手なんだ。また、今日のような小集団になるステージでは彼にチャンスがあっただろう。ただただ悲しい。彼とロハスが仕掛け、僕はマスとともに少し後方を走っていたので落車は見ていない。

彼を失ってしまった今、日曜に待つ山岳ステージをどう迎えればいいのか分からない。だがコースと高い気温がレースを厳しくすることは確実で、最終山岳ではアタックが繰り広げられることだろう。

総合6位&ヤングライダー賞 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

とても厳しいコースで、1日を通してアップダウンを繰り返すハードなステージだった。また気温も高いなか、上手く走り終えることができた。ライバルたちからもタイムを失うことなく、僕たちにとって良い1日になったんじゃないかな。(レース中盤でカラパスが飛び出したのは)モビスターが仕掛けからだろうね。

最終山岳は登り始めからペースが速く、最後2kmの勾配は厳しかった。いつアタックが起こってもいいように、僕はライバルたちの後ろについていたんだ。今の状態は100%ではないものの、僕自身が総合上位にいてチームの選択肢の1人になっていることは悪くない。

新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)

フィニッシュ後、チームバスまで下る新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)フィニッシュ後、チームバスまで下る新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
予想通りと言うか、、、やっぱり厳しいステージだった。最初の山岳で遅れて、100人くらいののグルペットで1日を過ごした。メイン集団よりもグルペット(後方集団)の方が人数が多かったんじゃないかな。

 こうなってしまっては、出来るだけ消耗しないように過ごした。でも今日は暑くて覚えられないぐらい、たくさんのボトルを消費した。明日はまた平坦ステージ、今日の分もチームの為に働いてきます!

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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