2年連続でマイヨジョーヌを射止めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。山岳で圧倒的な強さを見せた若き英雄の走りを支えたコルナゴ V3-RSをピックアップ。



タデイ・ポガチャルが駆ったコルナゴ V3-RSタデイ・ポガチャルが駆ったコルナゴ V3-RS photo:Makoto AYANO

22歳の若さでツール2連勝、メルクスをして「ツール5勝は確実」と言わしめる俊英、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。序盤から多発したクラッシュによってライバルたちがダメージを負ったということを差し引いても、頭一つ抜きんでたパフォーマンスを見せつけて2度目のマイヨジョーヌに袖を通した。

そのポガチャルがTTを除く全ステージを通して駆ったのが、コルナゴのV3-RS。軽量なクライミングバイクでありながら、チュービングとケーブル内装システムによってエアロダイナミクスも手に入れたオールラウンドレーサーだ。

マイヨアポワカラーに塗られたスペシャルバイクも用意されていたマイヨアポワカラーに塗られたスペシャルバイクも用意されていた photo:Makoto AYANO
クランクはSRM仕様のSUPER RECORDクランクはSRM仕様のSUPER RECORD photo:Makoto AYANOブレーキキャリパーは最新のSUPER RECORD。今年からキャリパーのみモデルチェンジを果たしているブレーキキャリパーは最新のSUPER RECORD。今年からキャリパーのみモデルチェンジを果たしている photo:Makoto AYANO


ポガチャルと共に2年連続の栄光を掴んだコルナゴは、第10ステージからイエローにペイントしたスペシャルバイクを用意した。オールイエローに塗られていた2020年のスペシャルバイクに対し、今年は上下で塗り分けられていたことが特徴だ。最終的には山岳賞を手にしたポガチャルのために、赤い水玉模様のスペアバイクまで用意され、その偉業を祝福した。

コンポーネントはコルナゴと同郷のカンパニョーロ。電子式のSUPER RECORD EPSをフルセットで使用するが、クランクはSRMのSUPER RECORDモデル。一部ステージを除きディスクブレーキで戦ったポガチャルだが、ブレーキキャリパーはSUPER RECORDの最新モデル。EKARで採用されたモデルと同一で、今年から流通し始めたものだ。

電子式のカンパニョーロ SUPER RECORDを採用電子式のカンパニョーロ SUPER RECORDを採用 photo:Makoto AYANOコックピットはデダの一体型モデルであるALANERA DCR。側面のシールはスポンサーである時計ブランド、リシャールミルのロゴ)コックピットはデダの一体型モデルであるALANERA DCR。側面のシールはスポンサーである時計ブランド、リシャールミルのロゴ) photo:Makoto AYANO

サドルはシグネチャーモデルのプロロゴ Scrach M5サドルはシグネチャーモデルのプロロゴ Scrach M5 photo:Makoto AYANOボトルケージはエリートのLeggero CarbonボトルケージはエリートのLeggero Carbon photo:Makoto AYANO


コックピットはデダの一体型モデルであるALANERA DCRで、サドルはプロロゴのScrach M5、ボトルケージはエリートのLeggero Carbonを採用し、オールイタリアンブランドの構成だ(ペダルはルックでフランス)。

コースによって足回りを変えているのがポガチャルのこだわり。ホイールもカンパニョーロで統一しているが、平坦ステージではチューブレス仕様かつエアロダイナミクスに優れるBORA ULTRA WTO 45(1,425g)を使用。一方で山岳ステージでは軽量なチューブラー仕様のBORA ONE 50(1,348g)をセット。更に、山岳での決戦が予想された17、18ステージではリムブレーキバイクをチョイスしていた。

シャンゼリゼを走るタデイ・ポガチャル。ホイールはBORA ULTRA WTO、シューズもスペシャルカラーに彩られているシャンゼリゼを走るタデイ・ポガチャル。ホイールはBORA ULTRA WTO、シューズもスペシャルカラーに彩られている photo:Makoto AYANO
第14ステージ、この日はBORA ONE 50とSH1を履くポガチャル第14ステージ、この日はBORA ONE 50とSH1を履くポガチャル photo:Makoto AYANOphoto:Makoto AYANO第18ステージ、リムブレーキバイクで勝負に臨んだ第18ステージ、リムブレーキバイクで勝負に臨んだ photo:Makoto AYANO


DMTのフラッグシップモデルであるKR1のシューレースモデルを履くポガチャルだが、ステージによって靴紐のカラーを変えるなど遊び心を忘れない。シャンゼリゼでは右足をイエロー、左足を赤い水玉にペイントしたスペシャルシューズも用意された。14ステージではKR1ではなくセカンドグレードのSH1を着用する姿も見られた。

text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto AYANO