ユンボ・ヴィズマが、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)がツール・ド・フランスからリタイアすることを発表した。落車の痛みをこらえながら走ってきた昨年総合2位が舞台から去ることとなった。



第7ステージ後半の登坂で遅れるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)第7ステージ後半の登坂で遅れるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto AYANO
「僕たちは一緒にこの判断をした。このまま続けることに意味はない。今は回復し、新しい目標に向かって進むべき時だ。ツールを離れなければならず非常に残念だが、このまま受け入れる必要がある。自分自身楽観的であり、この先を楽しみにしている」。

プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)は、ツール・ド・フランス第9ステージを前に発表されたチームリリースの中で、そのように苦しい心境を語った。

第3ステージ終盤にソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)と接触して激しく落車し、傷だらけとなっていたログリッチ。第5ステージの個人タイムトライアルではタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)から44秒遅れのステージ7位に食い込むなど奮闘したものの、翌日には痛みが大きくなり、250kmコース終盤に完全に脱落。その後第8ステージをグルペットで過ごしたログリッチだったが、第9ステージ前にツールから去ることが決まった。

マイヨジョーヌの夢が潰えたプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)マイヨジョーヌの夢が潰えたプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
「第3ステージのクラッシュ直後はこの怪我がツールからのリタイアに繋がると思わなかった。けれど数日後、回復が進んでいないことに気づいた。タイムトライアルの好走には自分自身驚いたけれど、その翌日は再びバッドコンディションに陥った。長距離かつタフなステージは大きな犠牲を伴う。今は回復することに集中したい」。

今年は例年と異なり前哨戦を走るのではなく、2ヶ月に及ぶトレーニングキャンプをこなしてツールに挑んだログリッチ。だがしかし、今年もマイヨジョーヌの夢は叶わなかった。

text:So Isobe