10日間にパワーアップした女子ステージレース最高峰、ジロ・デ・イタリア・ドンネが開幕。初日のチームタイムトライアルでトレック・セガフレードが2年連続勝利し、ルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)がマリアローザに袖を通した。



トップタイムを叩き出したトレック・セガフレードトップタイムを叩き出したトレック・セガフレード (c)CorVos
ツール・ド・フランスと並行し、イタリアでは女子レース最高の格式を誇るステージレース「ジロ・デ・イタリア・ドンネ(正式名称はジロ・ディタリア・インテルナツィオナーレ・フェミニーレ)」が開幕した。ジロ・ローザという名前で知られていた本大会は、ライブ放送の有無や運営体制がUCIの求める基準に達していないことを理由に今年は女子ワールドツアーカレンダーから外れたものの、その代わりに主催者はステージ日数を9日から10日に増やし、難関山岳コースを組み入れるなどダイナミックなコース設定を行なっている。

ピエモンテ州に始まり、ロンバルディア州、リグーリア州、ベネト州、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州まで、北イタリアを西から東に横断する10日間。タイムトライアル(チームTT&個人TT)と難関山頂フィニッシュが2度ずつ用意され、さらにアタック合戦必須の丘陵ステージがいくつも含まれた。2日目にはいきなり19kmもの登坂距離を誇る山頂フィニッシュが用意され、早くもオールラウンダーによるマリアローザ争いが幕を開ける。

ステージ2位(8秒遅れ):SDワークスステージ2位(8秒遅れ):SDワークス (c)CorVos
元世界王者アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)やカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)、與那嶺恵理(ティブコSVB)らは東京五輪を見据えて参加を見送ったものの、それでも4度目の総合優勝を見据えるアンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、SDワークス)や、そのチームメイトでスプリンターとして売り出し中のデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)、エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)、マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)など豪華選手が集結。今年も実力伯仲の激しい戦いが繰り広げられる。

ジロ女子レース伝統となる開幕チームタイムトライアルのコースは、2014年にジロ・デ・イタリアのスタート地点となったフォッサーノから、ストゥーラ・ディ・デモンテ川に沿って一直線に駆け抜ける26.7km。僅かな登り基調のコースを33分40秒、平均スピード47.584km/hで駆け抜け優勝したのはトレック・セガフレードだった。

ステージ優勝を飾ったトレック・セガフレードステージ優勝を飾ったトレック・セガフレード (c)CorVos
マリアローザに袖を通したルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)マリアローザに袖を通したルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード) (c)CorVos
トレック・セガフレードのジロ・ドンネ初日個人タイムトライアル優勝は2年連続であり、先頭でフィニッシュラインを超えたルス・ウィンダー(アメリカ)がマリアローザを獲得。ファンデルブレヘン擁する最終走者SDワークスは2位に甘んじたものの、8秒遅れに留め好調な滑り出しを見せている。

100.1kmを走る翌第2ステージの最終盤には1級山岳プラートネヴォーゾが登場。チームTTで失速したクライマーがにとってはタイム差挽回のチャンスとなる。
ジロ・デ・イタリア・ドンネ2021第1ステージ結果
個人総合成績
1位 ルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード) 33:40
2位 エレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)
3位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)
4位 エリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード)
5位 アシュリー・モールマン(南アフリカ、SDワークス) 0:08
6位 デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)
7位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス)
8位 ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス)
9位 エレーナ・チェッキーニ(イタリア、SDワークス)
10位 マビ・ガルシア(スペイン、アレBTCリュブリャナ) 0:40
その他の特別賞
ヤングライダー賞 ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス)
text:So Isobe
photo:CorVos

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