23人の逃げに乗ったアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・NIPPO)が独走したジロ第18ステージ。ともに逃げたカヴァニャやロッシュ、翌日からの最終決戦を見据える総合上位勢のコメントを紹介します。



ステージ1位 アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・NIPPO)

独走でフィニッシュしたアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・NIPPO)独走でフィニッシュしたアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・NIPPO) photo:LaPresse
僕とチームにとってこの勝利の意味は大きい。僕の勝利を信じてくれた人たちと、昨年亡くなった代理人のマウロ・バッタリーニにこの勝利を捧げたい。彼は僕の第2の父みたいな存在で、きっと空からこの勝利を見ていてくれたはずだ。また、モッタローネ(今月23日に発生したロープウェイ事故)の犠牲者たちに哀悼の意を送りたい。

最後はとても過酷で、みんなが僕をマークしていた。カヴァニャの仕掛けは予想していたが、ジロ第3週目に入り、最後も厳しいレイアウトだったので捉えられる思っていた。追いついたあとは彼を精神的に追い込むため、限界だったがそこから踏み前に出た。

また友人でもあるニコラス・ロッシュも脅威だったが、最後の登りで振り落とすことができた。数年前(優勝した2019年のロンド・ファン・フラーンデレンの時)にチームメイトだったマッティ・ブレシェル監督の助けも大きかった。彼から指示を受けるのは変な感じがしたが、彼にもこの勝利を捧げたい。

ステージ初優勝を飾ったアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・NIPPO)ステージ初優勝を飾ったアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・NIPPO) photo:LaPresse
周りは僕を強い選手だと言い、チームも僕を信じてくれた。だが、勝利のためには自分自身の(ネガティブな)思考を切り替え、自信を持つ必要があった。調子が良い時だけでなく、今日のようにチャンスが巡ってきた時でも自分を信じるべきなんだ。

今年ほど登れるシーズンはなく、ここ最近取り組んでいたトレーニングの成果だろう。ここイタリアの地で、円熟した身体と精神を試してみたかった。フランドルの勝利が自転車界で象徴的な価値があるように、ここ母国での勝利も特別で重要だ。この後数時間だけこの勝利を喜び、すぐにヒュー(カーシーのアシスト)に頭を切り替える。

ステージ3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームDSM)

3位でフィニッシュするニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームDSM)3位でフィニッシュするニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームDSM) photo:CorVos
結構良いレースだったんじゃないかな。逃げ集団に人数を揃えることが重要で、3人乗ることができた。最後にベッティオルにブリッジをかけるのに苦労したが、強い彼に最後の登りで置いていかれてしまった。なんとか僕が3位、ニキアス・アルントが4位に入ることができ、ハードなステージとしては良い結果だったと思う。

ステージ5位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)

23人の逃げ集団に乗ったディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)23人の逃げ集団に乗ったディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
僕を逃げに乗せるため、チームが素晴らしい働きをしてくれた。とても強い逃げ集団で、良い協力体制を築くことができた。今日は勝利したベッティオルが一番脚があった。最終週にも関わらず自分の調子に満足しているし、この後も勝利を目指して頑張るよ。

ステージ9位 レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

今日がラストチャンスだったので、逃げに乗ることが目標だった。残り15km時点からのアタックは、そのまま勝てるぐらいまで差を広げることができた。だが、最後で勝利が逃げていった。集団には僕よりも優れたクライマーがいることはわかっていた。レースの先頭を走れて楽しかったが、ただただ悔しい。

マリアローザ&ヤングライダー賞 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

2位と2分21秒差で山岳2連戦に挑むエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)2位と2分21秒差で山岳2連戦に挑むエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
集団のスピードが速く回復できたかはわからないが、チームメイトの後ろを走っていたので楽なステージになった。昨日のステージよりは調子も良く、明日も今日のような良い日になるといいね。明日の登りは試走もしたし、ピエドモントで数年暮らしていたので良く知っているんだ。知り合いも駆けつけてくれるだろうから、沿道で会うのが楽しみだよ。

(カルーゾは)もちろん表彰台に立ちたいだろうが、協調して走ってくれるかはわからない。(イェーツが)残り3、4kmから仕掛けても、タイム差があるので反応しないと思う。それについていく脚がないかもしれないし、とにかく落ち着いた走りを心がけたい。

明日からの3日間でジロの行方が決まる。自信と情熱を持ってレースに挑み、それと同時に常に冷静かつミスをしない走りをしなければいけない。自信満々だとは言えないが、ベストは尽くすし自信過剰になってもいけない。過去にはたった一回のバッドデイで全てを失うこともあったのだからね。ライバル選手たちへのリスペクトを忘れずに、ベストを尽くすことに集中したい。

総合2位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)

スタート前に新城幸也と2人でポーズを取るダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)	0:02:21 3位	スタート前に新城幸也と2人でポーズを取るダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) 0:02:21 3位 photo:CorVos
他の選手のミスを待つのは僕の性格には合わない。「ベルナルに対して攻撃するべきだった」というメッセージをたくさん貰ったが、僕も限界ギリギリにいたので簡単ではなかった。そもそも僕にできることは限られている。みんな登りで加速する(ベルナルを引き離す)べきだと言うが、簡単にできるわけがない。だが、当然ミラノまで諦めるなんてこともしない。

(明日のステージで)力を見せたイェーツをマークして、彼から総合2位を守らなければならない。昨日、遅れたベルナルと一緒にフィニッシュしたのは2位を失いたくなかったからだ。

僕の選択肢は少なく、やるべきことをやるだけだ。自分の調子の良さは自覚しているし、エースというポジションに居心地の悪さも感じているが、ここまでその役割をちゃんと果たしているつもりだ。ここまで掴んできたチャンスを最後まで離したくない。

総合3位 サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)

良い順位にいるし、明日からまたたくさんの山岳を越えなければならない。明日は厳しい最終山岳になるだろうし、その翌日も長い登りが待っている。明日からの2日間は面白くなりそうだし、何より僕は5日前よりもずっといい順位にいるんだ。

ポイント賞 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

マリアチクラミーノを守ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)マリアチクラミーノを守ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
今日は重要なステージで、目標はマリアチクラミーノのためのポイントを失わないことだった。そしてスプリンターたちをコントロールし、無事ジャージを守ることができた。明日と土曜日は厳しい山岳ステージが待っている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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