「やっぱりチームメイトが表彰台に上がる感動というのは大きいです。ダミアーノが総合上位でフィニッシュするために走ります」と語る新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)。ジロ・デ・イタリアで迎えた2回目の休息日に、オンライン記者会見で話を聞いた。(共同インタビューより)



グルペットでフィニッシュにたどり着く新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)グルペットでフィニッシュにたどり着く新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
オンラインで行われた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)の記者会見オンラインで行われた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)の記者会見 自身4度目の出場となったジロ・デ・イタリアで第2週目を終えた新城幸也。連日、雨と寒さに見舞われるジロについて「夏はどこにいったんだ?って感じです。いまは明日のスタート地点の近く、標高1400mぐらいのところにいるのだけど、今朝も気温は4度でした」と語る。

昨日の第16ステージや、チームメイトの表彰台がかかる第3週目の展望を聞いた。

「スタートからずっと雨が降っていて、雲の上に行けば晴れて、下に降りるとまた雨という感じでした。でもレース中はウェアがいいものなので、寒さは全然感じなかった」。

悪天候のため1級山岳フェダイア峠と大会最高地点(チーマコッピ)のポルドイ峠を迂回した第16ステージ。短縮コースとなったものの、選手たちを苦しめた冷たい雨や気温についてはさほど気にならなかったという。

「ジャウ峠山頂にはびっくりするほどたくさん人がいて、雨のなか自転車で登ってくるのだろうけど、逆にみんなのことが心配になりました(笑)」。

32分26秒遅れでフィニッシュした新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)32分26秒遅れでフィニッシュした新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:Miwa IIJIMA
5人までチームが絞られた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)5人までチームが絞られた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
第5ステージでミケル・ランダ(スペイン)、第9ステージはマテイ・モホリッチ(スロベニア)、そして第12ステージでジーノ・マーダー(スイス)が棄権して5人体制になったバーレーン・ヴィクトリアス。このジロでは引き続き、総合2位につけているダミアーノ・カルーゾ(イタリア)のアシストに徹する。

「天気が良ければ僕がチームカーにボトルや補給食を取りに行きます。仕事の分担はハッキリしていて、レース前半や平坦は僕とヤン(トラトニク)が。その後ラファエル(バルス)とペリョ(ビルバオ)が続きます」。

疲れを見せる多くの選手たちとは裏腹に、第16ステージの登りでここ6ヶ月間で最も高い出力値を記録したという新城。だが自らの役割については、ベテランらしく冷静に語った。

「第3週目に僕のできる仕事は多くないし、できることは限られています。登りの手前までダミアーノ(カルーゾ)を連れて行くだけです。あとは調子がいいので、自分でやってっていう感じ(笑)」。またチームの雰囲気も良く、インタビュー直前の昼食時にはランダから激励の電話を皆で受けたと言う。

雪積もるモンテゾンコランを登る新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)雪積もるモンテゾンコランを登る新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
最後に第3週目に向けた意気込みを聞かれると、「早いものでジロも(最終日の個人TTを除くと)あと4ステージになり、これから何が起こるかわからないですし、このままダミアーノが表彰台でジロを終えてくれることを願っています」と答えた。

カルーゾが表彰台でジロを終えれば、アシストを務めた2014年大会で総合4位入賞したピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ・ ヴィタルコンセプト)の成績を更新する。

「やっぱりチームメイトが表彰台に上がる感動というのは大きいです。ダミアーノが総合上位でフィニッシュするために走るし、これからジロらしい山が登場するので、楽しんで走りたいと思っています」。

text:Sotaro.Arakawa(共同インタビューより)
photo:CorVos