深い霧がモンテゾンコランを覆ったジロ第14ステージ。逃げから大金星を挙げたロレンツォ・フォルトゥナート(エオーロ・コメタ)や、ライバルたちを引き離したベルナル、復調したイェーツ、喜びを語るイヴァン・バッソなどのコメントを紹介します。



ステージ1位 ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、エオーロ・コメタ)

ステージ初優勝を飾ったロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、エオーロ・コメタ)ステージ初優勝を飾ったロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、エオーロ・コメタ) photo:LaPresse
この勝利がいまだ信じられない。勝利を確信したのはステファノ・ザナッタ監督が無線で「いまだ、スプリントしろ!」と言われた残り150m地点だった。フィニッシュラインまでの間にイヴァン(バッソ)の叫びが聞こえてきたよ。夢が叶った。監督、そしてイヴァン・バッソとアルベルト・コンタドール、スポンサー、そしてチームスタッフに感謝したい。彼らがこのチームを作ってくれなければこの成功はなかった。このチームと僕は、これからまだまだ成長していくだろう。今朝バッソは僕に「逃げに乗り、ステージを獲れ」と言われたんだ。まさかそれが実現するとは思いもしなかった。

ステージ2位 ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)

最終山岳の前半で一人飛び出したヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)最終山岳の前半で一人飛び出したヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
人生で最も長い3kmだった。いつまでも終わらない道のりで、とても辛かった。僕の僅か前方を走っていた彼が、単純に一番強かったということだ。ついて行きたかったが、力が残っていなかった。チームとして逃げに乗るのでなく、前でダミアーノ・カルーゾを守る予定だった。だが時とタイミングが巡ってきたので、結果的に逃げ集団に入った。全てを出し尽くしたので、2位という結果にとても満足している。

ステージ4位&マリアローザ&ヤングライダー賞 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

総合リードを順調に広げるエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)総合リードを順調に広げるエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:LaPresse
落ち着いて走ることを心がけた。総合で良い順位にいるのに全ての山岳ステージで積極的に動く必要はないのだからね。落ち着いて忍耐強く走らなければならない。雨が降らず、また気温も下がらなかったことも良かった。ウラソフに適した登りだったので、アスタナがステージを通して力強い牽引を見せていた。驚くほど速いスピードで集団を引いていたが、最終的にレースの主導権は僕たちに移った。

登りの大部分を誰かの後ろについていたので、素晴らしい走りをしてくれたチームに感謝したい。イェーツは経験豊富な選手でリスペクトしているんだ。しかし彼のアタックは予想していた。ゾンコランは彼によく合っているからね。イエーツは強く、彼のアタックについていくことができて嬉しいよ。

タイム差が1分以内だったウラソフを引き離し、総合2位のイェーツに対しても差をつけられた。だが、何が起きてもおかしくないのがジロだ。集中しなければいけない。もう十分なタイム差に見えるかもしれないが、浮足立ってはいけない。

ステージ6位&総合2位 サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)

モンテゾンコランでアタックしたサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)モンテゾンコランでアタックしたサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ) photo:LaPresse

今日はいい日になった。詳しくは語らないが、一週目は調子が良くなかったんだ。しかしコンディションはゆっくりと上がってきている。倒すべき相手はベルナルで、彼は今日再びその強さを見せた。彼を倒すのは難しいだろうが、僕ら諦めない。今日のような調子が残りのステージでも続くことを祈っているし、ジャージを目指して頑張りたい。

ステージ7位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)

第12ステージに続き逃げに乗ったジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)第12ステージに続き逃げに乗ったジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
残念ながらステージ優勝まで届く脚がなかった。スタートからフルスロットルでいったのだが、向かい風が強くタフなステージになった。(共に逃げた)エドアルド(アッフィニ)はとても強く、平地でも違いを見せていたので称賛に値する走りだった。一方の僕はゾンコランの麓ですでに力が残っていなかった。

ステージ10位&総合3位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)

このような急勾配の登りは僕に向いていない。しかし自分のペースでなんとか登り切ることができた。ゾンコランを反対側から登ったことはないが、今日と同じようであれば登りたくないね。評判通りの厳しい登りだったよ。

ステージ16位&総合4位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)

最後の登りでは全力を尽くした。チームが完璧な働きをしてくれたのだが、ベルナルとイエーツのアタックにはついて行くことができなかった。それでも失うタイム差を最小限にすべく最後まで踏み続けた。上手くはいかなかったものの、まだ総合上位にいるので引き続き頑張りたい。

ステージ19位&総合8位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)

ベルナルから1分30秒遅れたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)ベルナルから1分30秒遅れたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
気温が低く厳しいステージだった。最も勾配が急な区間に入った瞬間、脚から力が抜けていく感覚があった。またタイムを失ってしまったが、いまだトップ10内にいる。その事実を前向きにとらえ引き続き毎日戦い続ける。力は入らないと何もできることはない。今日最後の3kmで苦しむことは分かっていたが、1分30秒しか失わなかったことは最悪の結果ではない。

ステージ86位 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)

雪積もるモンテゾンコランを登る新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)雪積もるモンテゾンコランを登る新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
ヤン(トラトニク)のステージ優勝にもう一歩だった。序盤のアタック合戦で抜け出した11人が強力で、アスタナはステージ優勝を狙っていたんだろうけど、逆にタイムを失ってしまったよね。

ダミアーノ(カルーゾ)は相変わらず、強くて頼もしい限り。ヤンが逃げに加わったことで、自分1人でダミアーノの位置取りをしなくてはならなくて、ゾンコランの登り口までは行きたかったのだが、2級の頂上は越えれたのだが、下りの中切れにあいってしまい、ゴールまで40kmを残して、集団から遅れてしまった。最低限事は出来たのだが、もう一仕事したかった。それは明日にセーブしろという事だと思って、今日のステージは走りきった。

明日も簡単に見えて、簡単ではないステージ。登ってみないとわからないが、勾配もきついし、集団になるとサバイバルな展開になると思う。また、逃げになる可能性もゼロではないよね。

エオーロ・コメタ代表イヴァン・バッソ

今日のフォルトゥナートは本当に素晴らしかった。今年は我々が主役になると約束していたが、今日彼のおかげでその目標が叶った。このスポーツを愛する人にとってゾンコランでの勝利は、偉大なチャンピオンの横に名を刻むことだ。我々の努力がこのような形で報われるなんて、この上ない喜びだ。

エオーロ・コメタ代表アルベルト・コンタドール


text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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