JBCF(一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)は、JBCF非加盟の選手がJプロツアーのレース出場を可能にする「セレクション制度」を導入することを発表した。コロナ禍によりレース機会が減少している選手に実戦の場を提供すると同時に、2022年のJプロツアー資格を取得するチャンスを提供することを目的とする。




6月12日開催の「群馬CSCロードレース6月大会」から、個人資格でのJPT出場が可能となる(写真は5月15日の「群馬CSCロードレース5月大会」)6月12日開催の「群馬CSCロードレース6月大会」から、個人資格でのJPT出場が可能となる(写真は5月15日の「群馬CSCロードレース5月大会」) photo:Satoru Kato

JBCFから発表された「セレクション制度」は、JCF(日本自転車競技連盟)またはUCI(国際自転車競技連合)の競技者ライセンスを保持し、2021年JBCF非加盟かつ、2021年Jプロツアーライダーステイタス(以下JPT出場資格)を満たす選手を対象としている。

出場出来るレースは、6月12日に開催される「群馬CSCロード6月大会」以降の大会。西日本ロードクラシック広島大会、経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ、エリートクラスタとの交流戦、トラック大会を除き、最大3レースに出場出来るとしている(群馬CSCロードレース6月大会の申込みは5月28日まで)。

年間ランキング対象外のオープン参加となるが、このレース結果をもって2022年シーズンのJPT出場資格を得ることも出来る。なお、2022年資格の獲得には審査委員会による選考があるため、JBCFは「3レース出場が望ましい」としている。

制度詳細は記事最下部のリンクからJBCFの公式サイトをご参照頂きたい。



JCL選手の出場を促せるか?

Jプロツアーは個人での出場は原則認められていないが、今回の発表はそれを認める制度となる。明記はされていないが、3月以降レース開催がないJCL(ジャパンサイクルリーグ)チームの選手参加を促す狙いもあると見られる。JCLチーム選手のほとんどは今年のJPT出場資格を持っているので、参加申込みすれば容易に認められるだろう。

3月に開幕したJCL。次戦は7月10日・11日ととアナウンスされている3月に開幕したJCL。次戦は7月10日・11日ととアナウンスされている photo:Makoto.AYANO4月のレースには、増田成幸がJCF強化指定選抜チームから出場した4月のレースには、増田成幸がJCF強化指定選抜チームから出場した photo:Nobumichi KOMORI


また、そうした選手の中には、来年のJPT出場資格を失う選手が出てくると予想される。JPT出場資格は全日本選手権やUCIレースでも得られるが、上位に入ることが条件となるためハードルは高い。現チームに留まるなら問題ないが、この制度を利用して資格を維持することも可能となり、若手選手にとっては将来の選択肢を増やすことにも繋がるだろう。

出場の際は所属チームのジャージを着ることが必要とされているが、レーサーリストやリザルトにはチーム名は表記せず、「セレクションチーム(OPEN)」となる予定。あくまで個人資格での出場として、現行JPTチームやJCLへの配慮とも取れるが、この制度を利用する選手が出てくるのか?今後に注目したい。



text:Satoru Kato