スペイン南部のアンダルシア地方で『ルタ・デル・ソル』ことブエルタ・ア・アンダルシアが開幕。登坂フィニッシュでオールイス・アウラール(ベネズエラ、カハルラル・セグロスRGA)を退けたゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)が勝利した。



厳しい山岳ステージが続くブエルタ・ア・アンダルシア厳しい山岳ステージが続くブエルタ・ア・アンダルシア photo:CorVos
ブエルタ・ア・アンダルシア2021第1ステージ コースプロフィールブエルタ・ア・アンダルシア2021第1ステージ コースプロフィール (c)vueltaandalucia.esスペイン南部、アンダルシア地方でブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2. Pro)が開幕。例年2月に開催されている同大会だが、今年はコロナ禍に伴いジロ・デ・イタリア最初の休息日と同じ5月18日(火)に初日を迎えることになった。

温暖な地域を走ることから「ルタ・デル・ソル(太陽のレース)」として認知されている5日間は山岳コースの連続。最初の3日間はいずれも登坂フィニッシュ(最難関の第3ステージは獲得標高4,000m以上)であり、ピュアスプリンターにチャンスがあるのはわずか1日だけ。ジロの裏番組としての開催にも関わらず9つのUCIワールドチームが参戦し、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)やイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)といったオールラウンダーや、チャレンジマヨルカ連戦組のアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)やアンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)も顔を揃えた。

レース序盤から逃げたルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)を含む選手たちレース序盤から逃げたルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)を含む選手たち photo:CorVos
「白い壁の街」として有名な海沿いの村ミハスを出発し、中盤までに2級、3級、3級とカテゴリー山岳を越え、アップダウンを経て距離1.5km/平均勾配5.8%の登坂フィニッシュを迎える第1ステージはルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やアントニオ・ソト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、トマス・スプレンヘルス(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)たちが先行。3分前後で推移したタイム差はバイクエクスチェンジやイスラエル・スタートアップネイションの牽引によって残り13km地点でゼロに。ここから最終登坂に向けてモビスターが集団前方を支配した。

チームのために集団を牽引するアンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)チームのために集団を牽引するアンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) photo:CorVos
34分遅れの最後尾でフィニッシュしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)34分遅れの最後尾でフィニッシュしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
ニコラ・コンチ(イタリア、トレック・セガフレード)が落車した下りを経て、ダム湖の築堤を目指す登り返しでステイン・ステールス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックするも撃沈。フィニッシュまで続く登坂区間が始まると、ホセ・ロハスが、そしてエクトル・カレテロが、ゴンサロ・セラーノ(共にスペイン、モビスター)を引き連れて丘の上のフィニッシュラインを目指した。

カレテロから発射されたセラーノが力強く緩斜面登坂をスプリント。マトリックスパワータグ所属時代の2019年にJプロツアーを荒らし回ったオールイス・アウラール(ベネズエラ、カハルラル・セグロスRGA)の追撃を振り切って、セラーノが昨年大会第2ステージに続くキャリア2勝目をもぎ取った。

チーム移籍後初勝利を挙げたゴンサロ・セラーノ(共にスペイン、モビスター)チーム移籍後初勝利を挙げたゴンサロ・セラーノ(共にスペイン、モビスター) photo:CorVos
リーダージャージを獲得したゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)リーダージャージを獲得したゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター) photo:CorVos
「偶然なのか暑さのせいなのか分からないけれど、2年連続で勝つことができた。ロハスのような経験豊富な選手がいて、チームは今年加わったばかりの僕を信じてサポートしてくれた。彼らのチームワークは本当に素晴らしかった」と感謝するセラーノは、昨年カハルラルから移籍した26歳。短距離登坂勝負を得意とし、今年はフランドルとアルデンヌクラシックを経て、チャレンジマヨルカの2日目には8位に入るなど成績を挙げていた。2日目の登坂フィニッシュでもステージ優勝を狙うが、3日目のクイーンステージではロペスのアシストとして働くつもりだと話している。

またこの日、カヴェンディッシュはグルペットからも遅れ、一人34分半遅れ(前の選手からは約23分遅れ)で何とかフィニッシュに辿り着いている。
ブエルタ・ア・アンダルシア2021第1ステージ結果
1位 ゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター) 3:54:25
2位 オールイス・アウラール(ベネズエラ、カハルラル・セグロスRGA)
3位 ダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・スタートアップネイション)
4位 イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
5位 ロバート・スタナード(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) 0:03
6位 マルコ・カノラ(イタリア、ガスプロム・ルスヴェロ)
7位 ジェフェルソン・セペダエルナンデス(エクアドル、カハルラル・セグロスRGA)
8位 トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
9位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)
10位 アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
個人総合成績
1位 ゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター) 3:54:25
2位 オールイス・アウラール(ベネズエラ、カハルラル・セグロスRGA)
3位 ダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・スタートアップネイション)
4位 イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
5位 ロバート・スタナード(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) 0:03
6位 マルコ・カノラ(イタリア、ガスプロム・ルスヴェロ)
7位 ジェフェルソン・セペダエルナンデス(エクアドル、カハルラル・セグロスRGA)
8位 トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
9位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)
10位 アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
その他の特別賞
山岳賞 ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)
ポイント賞 ゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)
チーム総合成績 カハルラル・セグロスRGA
text:So Isobe
photo:CorVos