2021/05/17(月) - 18:45
合計26箇所もの未舗装区間が詰め込まれたワンデーレース「トロ・ブロ・レオン」でコナー・スウィフト(イギリス、アルケア・サムシック)が勝利。中根英登(EFエデュケーションNIPPO)はアシストに徹し途中でレースから降りている。
ブルターニュの田舎道を駆け巡るトロ・ブロ・レオン photo:CorVos
パリ〜ルーベが荒れた石畳なら、こちらは未舗装の農道レース。フランス北西部のブルターニュ地方を舞台にしたワンデーレース「トロ・ブロ・レオン(UCI1.Pro)」最大の特徴は、何と言ってもブレイス語で「リビヌ」と呼ばれる未舗装の農道が組み込まれること。合計26箇所、距離にして約30kmにも及ぶリビヌが設定された2021年大会にはフランスを代表するワールドチームやプロチームが出場。EFエデュケーションNIPPOの中根英登は、アドベンチャーレースやMTBレースに多く参戦するラクラン・モートン(オーストラリア)やローソン・クラドック(アメリカ)たちとともにスタートラインに並んだ。
宮澤崇史氏が2007年大会で6位に入った本レースは、中根が「最初のアタック合戦に加わり逃げを試み、3人で抜け出した時間もあったが、とんでもない強風でまったく進まずに逃げを決め切る事ができなかった」と振り返るアタック合戦でスタート。強い海風と冷雨、そして未舗装路という悪条件下で9名が逃げ、ワールドチーム率いるメイン集団が追いかける構図で距離を消化していった。
AG2Rシトロエンやロット・スーダルがメイン集団をコントロール photo:CorVos
未舗装区間を走るオリヴェル・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン) photo:CorVos
先頭グループへ単独ブリッジしたバティスト・プランカールト(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:CorVos
雨雲が去った後半区間で逃げグループとの距離が縮まると、ロット・スーダル率いるメイン集団からはアタックが頻発した。ブルターニュの旗が真横にはためく中、カウンターで飛び出した4名が生き残っていた2名と合流して先を急いだものの、後手を踏んだAG2Rシトロエンが必死の追走で距離を詰めていく。厳しいコースとハイペースによる先頭グループの分裂、そしてメイン集団からのジャンプによって、20km以上を残してピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス)とダミアン・トゥゼ(フランス、AG2Rシトロエン)、オリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJ)、そしてコナー・スウィフト(イギリス、アルケア・サムシック)の4名が先行する形となる。
未舗装路区間で先導バイクが転倒し、バティスト・プランカールト(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が先頭グループにブリッジし、逃げるトゥゼは変速トラブルで脱落。メイン集団からフィリップ・ジルベール(ベルギー)やジョン・デゲンコルプ(ドイツ、共にロット・スーダル)が追撃を試みるという全部載せ状態の中、先頭4名は逃げ切りを確定。トラックレースさながらの牽制を経て、ギリギリで単独追いついたラスムス・ティレル(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング)を含めた5名によるスプリントが始まった。
手を上げたコナー・スウィフト(イギリス、アルケア・サムシック)と追い込むピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス)が同時にフィニッシュ photo:CorVos
緩やかな最終左コーナーで、スウィフトがイン側のアレハールトを塞ぎながら先行する。フィニッシュライン直前で勝利を確信して両手を広げるスウィフトと、進路をこじ開けて追い上げ、絶妙なハンドル投げで前輪を差し込んだアレハールトが同時にフィニッシュラインに到達。長い長い写真審議の末、一時は早すぎるガッツポーズを悔やんだスウィフトに優勝判定が伝えられた。
チームメイトと共に判断を待ち、雄叫びを上げて勝利を喜んだスウィフトは、ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を従兄弟に持つ25歳。2018年のイギリス選手権優勝以来となるプロキャリア2勝目を過酷な未舗装レースで掴むこととなった。
なお、ブルターニュ出身選手最上位に贈られる子豚(本物)は4位に入ったルガックの手に渡った。ルガックは2018年(6位)に続く2匹目の子豚ゲットに。
キャリア2勝目を挙げたコナー・スウィフト(イギリス、アルケア・サムシック) photo:CorVos
また、中根はレース中盤のグラベル区間でパンクしたクラドックにホイールを提供し、縦に伸びた集団後方からの復帰ならずDNF。「グラベル区間は細く、チームカーを待つのはかなりロス。チームカーからホイールを受け取って再スタートするも、グラベル区間は落車等でチームカー渋滞が起きたりしていてカーペーサーもうまく使えずに集団復帰は叶いませんでした。チームメイト3人がクラッシュに巻き込まれる大変な1日でしたが僕は無傷で終えられたので、また次のレースに向けて頑張っていきます」と自身のSNSに綴っている。

パリ〜ルーベが荒れた石畳なら、こちらは未舗装の農道レース。フランス北西部のブルターニュ地方を舞台にしたワンデーレース「トロ・ブロ・レオン(UCI1.Pro)」最大の特徴は、何と言ってもブレイス語で「リビヌ」と呼ばれる未舗装の農道が組み込まれること。合計26箇所、距離にして約30kmにも及ぶリビヌが設定された2021年大会にはフランスを代表するワールドチームやプロチームが出場。EFエデュケーションNIPPOの中根英登は、アドベンチャーレースやMTBレースに多く参戦するラクラン・モートン(オーストラリア)やローソン・クラドック(アメリカ)たちとともにスタートラインに並んだ。
宮澤崇史氏が2007年大会で6位に入った本レースは、中根が「最初のアタック合戦に加わり逃げを試み、3人で抜け出した時間もあったが、とんでもない強風でまったく進まずに逃げを決め切る事ができなかった」と振り返るアタック合戦でスタート。強い海風と冷雨、そして未舗装路という悪条件下で9名が逃げ、ワールドチーム率いるメイン集団が追いかける構図で距離を消化していった。



雨雲が去った後半区間で逃げグループとの距離が縮まると、ロット・スーダル率いるメイン集団からはアタックが頻発した。ブルターニュの旗が真横にはためく中、カウンターで飛び出した4名が生き残っていた2名と合流して先を急いだものの、後手を踏んだAG2Rシトロエンが必死の追走で距離を詰めていく。厳しいコースとハイペースによる先頭グループの分裂、そしてメイン集団からのジャンプによって、20km以上を残してピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス)とダミアン・トゥゼ(フランス、AG2Rシトロエン)、オリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJ)、そしてコナー・スウィフト(イギリス、アルケア・サムシック)の4名が先行する形となる。
未舗装路区間で先導バイクが転倒し、バティスト・プランカールト(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が先頭グループにブリッジし、逃げるトゥゼは変速トラブルで脱落。メイン集団からフィリップ・ジルベール(ベルギー)やジョン・デゲンコルプ(ドイツ、共にロット・スーダル)が追撃を試みるという全部載せ状態の中、先頭4名は逃げ切りを確定。トラックレースさながらの牽制を経て、ギリギリで単独追いついたラスムス・ティレル(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング)を含めた5名によるスプリントが始まった。

緩やかな最終左コーナーで、スウィフトがイン側のアレハールトを塞ぎながら先行する。フィニッシュライン直前で勝利を確信して両手を広げるスウィフトと、進路をこじ開けて追い上げ、絶妙なハンドル投げで前輪を差し込んだアレハールトが同時にフィニッシュラインに到達。長い長い写真審議の末、一時は早すぎるガッツポーズを悔やんだスウィフトに優勝判定が伝えられた。
チームメイトと共に判断を待ち、雄叫びを上げて勝利を喜んだスウィフトは、ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を従兄弟に持つ25歳。2018年のイギリス選手権優勝以来となるプロキャリア2勝目を過酷な未舗装レースで掴むこととなった。
なお、ブルターニュ出身選手最上位に贈られる子豚(本物)は4位に入ったルガックの手に渡った。ルガックは2018年(6位)に続く2匹目の子豚ゲットに。

また、中根はレース中盤のグラベル区間でパンクしたクラドックにホイールを提供し、縦に伸びた集団後方からの復帰ならずDNF。「グラベル区間は細く、チームカーを待つのはかなりロス。チームカーからホイールを受け取って再スタートするも、グラベル区間は落車等でチームカー渋滞が起きたりしていてカーペーサーもうまく使えずに集団復帰は叶いませんでした。チームメイト3人がクラッシュに巻き込まれる大変な1日でしたが僕は無傷で終えられたので、また次のレースに向けて頑張っていきます」と自身のSNSに綴っている。
トロブロレオン2021
1位 | コナー・スウィフト(イギリス、アルケア・サムシック) | 5:18:38 |
2位 | ピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス) | ,, |
3位 | バティスト・プランカールト(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | ,, |
4位 | オリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJ) | ,, |
5位 | ラスムス・ティレル(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) | ,, |
6位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル) | 0:26 |
7位 | オリヴェル・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン) | ,, |
8位 | ブラム・ウェルテン(オランダ、アルケア・サムシック) | ,, |
9位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | ,, |
10位 | ケヴィン・ゲニエッツ(ルクセンブルク、グルパマFDJ) | ,, |
DNF | 中根英登(日本、EFエデュケーションNIPPO) |
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