ノケレベルグを6回登るノケレ・コールス女子レースで、残り40kmから3人で逃げた元欧州王者エイミー・ピーターズ(オランダ、SDワークス)が勝利。與那嶺恵理(チームティブコSBV)は「レースの感触が戻ってきた」と振り返っている。



ベルギー王者ロッタ・コペッキー擁するリブレーシングベルギー王者ロッタ・コペッキー擁するリブレーシング (c)CorVos日曜日からの連戦出場となった與那嶺恵理(チームティブコSBV)日曜日からの連戦出場となった與那嶺恵理(チームティブコSBV) (c)CorVos

集団一かたまりのままノケレベルクを駆け上がる集団一かたまりのままノケレベルクを駆け上がる (c)CorVos
男子レースに先立ち開催されたノケレ・コールス女子レース(UCI1.Pro)は、ダインゼを出発し、頂上にフィニッシュラインが引かれた石畳登坂「ノケレベルグ(平均5.7%/長さ350m)」を含む大周回を2周、小周回を3周する120km。ノケレベルクを合計6回登るタフレースには2019年(第一回)覇者ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)やベルギー王者ロッタ・コペッキー(ベルギー、リブレーシング)など強豪選手が集った。

日曜日のGPウーティンゲンから連戦し、コンディションアップに務める與那嶺恵理(チームティブコSBV)の任務は、ウーティンゲンで4位に食い込んだクリスティン・フォークナー(アメリカ)のサポートを行うこと。レースは悪天候によって積極的なアタックが掛からず、終盤に入るまで大集団のまま、ハイテンポを維持したまま距離をこなしていく。

「とにかくコースが狭くトリッキー。そのため位置取りがとても厳しく、私とエヴァ(ブールマン)はうまく泳いで生き残りましたが、クリスティンはクラッシュにバイク交換にメカトラ。全部が重なってしまいました。(男子レースの映像を見てください)。周回ごとに横風、棒状一列。足がちぎれる感じで粘って、けどここでレースができる安心感も。今日はパヴェもまあまあ走れました」と、レース状況を振り返える與那嶺。パヴェ対策として空気圧は3.6と3.8に設定したという。

ブラン、ピーターズ、そしてクラインが逃げるブラン、ピーターズ、そしてクラインが逃げる (c)Kyosuke Takei
最終周回に入るエイミー・ピーターズ(オランダ、SDワークス)最終周回に入るエイミー・ピーターズ(オランダ、SDワークス) (c)CorVos
ようやく逃げが決まったのはラスト40km。グレース・ブラウン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)とエイミー・ピーターズ(オランダ、SDワークス)、リサ・クライン(ドイツ、キャニオン・スラム)が逃げ、分割したメイン集団では追走と、逃げメンバーのチームがブロックする展開となった。

「(アタックが決まる瞬間が)見えていたので反応はしたかったのですが、ちょっといっぱい。テンポでの追走が行われると、すぐにSDとキャニオンがブロックして、ゴール手前の登りではもう10秒まで迫ったのですが、最終回、狭い道で完全にブロックされおしまいでした」(與那嶺)。こうして3人が30秒差で最後のノケレベルクを駆け上がり、スプリントでブラウンを下した元ヨーロッパチャンピオンのピーターズが勝利した。

逃げメンバーのスプリントで先着したエイミー・ピーターズ(オランダ、SDワークス)逃げメンバーのスプリントで先着したエイミー・ピーターズ(オランダ、SDワークス) (c)CorVos
20秒届かなかった集団ではロッタ・コペッキー(ベルギー、リブレーシング)が先着20秒届かなかった集団ではロッタ・コペッキー(ベルギー、リブレーシング)が先着 (c)CorVos28位でレースを終えた與那嶺恵理(チームティブコSBV)28位でレースを終えた與那嶺恵理(チームティブコSBV) (c)Kyosuke Takei


20秒遅れでフィニッシュしたメイン集団先頭はコペッキーが先着し、與那嶺は28位でレースを終えることに。結果には繋がらなかったものの、ようやくコンディションを上げてきているという。與那嶺の次戦は日曜日に開催されるUCIワールドツアー、トロフェオ・アルフレードビンダの予定だ。

レースを終えた與那嶺恵理(チームティブコSBV)とチームメイトレースを終えた與那嶺恵理(チームティブコSBV)とチームメイト (c)Kyosuke Takei
「終盤、エヴァが行けそうなので彼女のフォローに回り最後、うまく引き上げたかったのですが周りもむっちゃ強く、そんなにはうまくいきません。けど私はレースの感触が戻ってきました。昨年まではチームには必ずスプリンターがいたので生き残った時、最後に行う仕事は明確だったのですが、今年はさて、何をしようか?と考えてしまいます。次のレースは日曜日、ワールドツアーのトロフェオ・ビンダ。やっとコンディションが上がってきたので、元気に走れますように。明日も早い。朝7時に出発です」(與那嶺)。
ノケレ・コールス2021女子レース結果
1位 エイミー・ピーターズ(オランダ、SDワークス) 3:13:53
2位 グレース・ブラウン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)
3位 リサ・クライン(ドイツ、キャニオン・スラム) 0:04
4位 ロッタ・コペッキー(ベルギー、リブレーシング) 0:20
5位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)
6位 ジョリーン・ドール(ベルギー、SDワークス)
7位 マリアジュリア・コンファロニエーリ(イタリア、セラティツィットWNTプロサイクリング)
8位 エマセシル・ノースガード(デンマーク、モビスター)
9位 マルタ・バスティアネッリ(イタリア、アレBTCリュブリャナ)
10位 クリスティーヌ・マジュラス(ルクセンブルク、SDワークス) 0:23
28位 與那嶺恵理(チームティブコSBV) 0:31
text:So Isobe
photo:CorVos

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