次々と落車が発生する雨の登りスプリントでダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が2連勝。落車に巻き込まれたジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)は翌日も出走予定だ。
準備を整えるフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos
エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
4日間で争われるツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.Pro)第2ステージの舞台は、「フレンチリビエラ」として名高い海沿いの街カシスから北上し、山間のマノスクを目指す170.6km。絶え間なく細かいアップダウンが続き、終盤は2級山岳と3級山岳を超え、最後はノンカテゴリーの平均3.4%勾配を駆け上がった先にフィニッシュラインが引かれている。
獲得標高2,341m。爆発力を誇るクラシックハンター、もしくは登れるスプリンター向けのこの日は5名のエスケープで動き出す。
逃げるフィリッポ・コンカ(イタリア、ロット・スーダル)やジェローム・クザン(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) (c)CorVos
ネオプロの22歳フィリッポ・コンカ(イタリア、ロット・スーダル)やジェローム・クザン(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)たちが稼いだリードはおよそ3分。メイン集団ではリーダーチームであり、2連勝に向けて意気込むドゥクーニンク・クイックステップが先頭に立ち、前日アタックを試みたレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が長時間牽引を担った。
逃げとメイン集団の差は暫く2分半〜3分差で推移していたものの、フィニッシュまで40kmを切ったタイミングでコンカが独走に。フィニッシュまで30km地点で頂上を迎える2級山岳(登坂距離5km/平均勾配4%)ではスプリンターを振り落としたいAG2Rシトロエンとイネオス・グレナディアーズが加速し、続く3級山岳ではコフィディスやバーレーン・ヴィクトリアスも先頭に。この動きの中でアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が遅れを強いられた。
リリアン・カルメジャーヌ(フランス、AG2Rシトロエン)と山岳賞同点に並んだコンカは吸収され、雨脚が強まる中ではウルフパックが徹底コントロール。残り10kmで抜け出したフロリアン・フェルメールス(ベルギー、ロット・スーダル)とマッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター)の動きも残り4kmで吸収。ドゥクーニンクに代わりアスタナ・プレミアテックが牽引し、フィニッシュまで続く緩斜面を飛ばした。
アスタナのペースメイクはナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)を脱落させたものの、3番目を走っていたアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)が直後のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)を巻き込みながら落車してしまう。落車と噛み合わない連携によって早々にアシストを失ったアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)が前に出る形で登坂スプリントが始まった。
競り合うダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)やジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
リーダージャージのダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利 (c)CorVos
諦めるルツェンコをパスしたのはリーダージャージのダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)。ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)やアレックス・アランブル(スペイン、アスタナ・プレミアテック)の追撃も届かず、「厳しい勝負だったけれど、最後の一滴まで絞り尽くした」と言うバッレリーニが開幕2連勝を収めた。
「あれだけのチームワークを見せられれば、否が応でもベストを尽くして最後の瞬間まで戦おうという気持ちになる。とにかく彼らの働きぶりは凄かったよ。疲れ知らずで最後の勝負どころまで僕を守ってくれた。彼らの働きに再び報いることができて本当に嬉しい」とバッレリーニは振り返っている。
ステージ2連勝を飾ったダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
バッレリーニはボーナスタイムを加算して総合リードを広げているが、翌日は「魔の山」モンヴァントゥーが登場(フィニッシュ地点は中腹のシャレ・レイナール)するクイーンステージ。ここまで息を潜めてきたクライマーが今季初の本格登坂勝負を繰り広げる。


4日間で争われるツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.Pro)第2ステージの舞台は、「フレンチリビエラ」として名高い海沿いの街カシスから北上し、山間のマノスクを目指す170.6km。絶え間なく細かいアップダウンが続き、終盤は2級山岳と3級山岳を超え、最後はノンカテゴリーの平均3.4%勾配を駆け上がった先にフィニッシュラインが引かれている。
獲得標高2,341m。爆発力を誇るクラシックハンター、もしくは登れるスプリンター向けのこの日は5名のエスケープで動き出す。

ネオプロの22歳フィリッポ・コンカ(イタリア、ロット・スーダル)やジェローム・クザン(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)たちが稼いだリードはおよそ3分。メイン集団ではリーダーチームであり、2連勝に向けて意気込むドゥクーニンク・クイックステップが先頭に立ち、前日アタックを試みたレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が長時間牽引を担った。
逃げとメイン集団の差は暫く2分半〜3分差で推移していたものの、フィニッシュまで40kmを切ったタイミングでコンカが独走に。フィニッシュまで30km地点で頂上を迎える2級山岳(登坂距離5km/平均勾配4%)ではスプリンターを振り落としたいAG2Rシトロエンとイネオス・グレナディアーズが加速し、続く3級山岳ではコフィディスやバーレーン・ヴィクトリアスも先頭に。この動きの中でアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が遅れを強いられた。
リリアン・カルメジャーヌ(フランス、AG2Rシトロエン)と山岳賞同点に並んだコンカは吸収され、雨脚が強まる中ではウルフパックが徹底コントロール。残り10kmで抜け出したフロリアン・フェルメールス(ベルギー、ロット・スーダル)とマッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター)の動きも残り4kmで吸収。ドゥクーニンクに代わりアスタナ・プレミアテックが牽引し、フィニッシュまで続く緩斜面を飛ばした。
アスタナのペースメイクはナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)を脱落させたものの、3番目を走っていたアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)が直後のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)を巻き込みながら落車してしまう。落車と噛み合わない連携によって早々にアシストを失ったアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)が前に出る形で登坂スプリントが始まった。


諦めるルツェンコをパスしたのはリーダージャージのダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)。ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)やアレックス・アランブル(スペイン、アスタナ・プレミアテック)の追撃も届かず、「厳しい勝負だったけれど、最後の一滴まで絞り尽くした」と言うバッレリーニが開幕2連勝を収めた。
「あれだけのチームワークを見せられれば、否が応でもベストを尽くして最後の瞬間まで戦おうという気持ちになる。とにかく彼らの働きぶりは凄かったよ。疲れ知らずで最後の勝負どころまで僕を守ってくれた。彼らの働きに再び報いることができて本当に嬉しい」とバッレリーニは振り返っている。

バッレリーニはボーナスタイムを加算して総合リードを広げているが、翌日は「魔の山」モンヴァントゥーが登場(フィニッシュ地点は中腹のシャレ・レイナール)するクイーンステージ。ここまで息を潜めてきたクライマーが今季初の本格登坂勝負を繰り広げる。
ツール・ド・ラ・プロヴァンス2021第2ステージ結果
1位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:21:49 |
2位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
3位 | アレックス・アランブル(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | |
4位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック) | |
7位 | ジャンニ・モスコン(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
8位 | ステファノ・オルダーニ(イタリア、ロット・スーダル) | |
9位 | スヴェンエリック・ビストラム(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:06 |
個人総合成績
1位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 9:04:52 |
2位 | アレックス・アランブル(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | 0:16 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:17 |
4位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:19 |
5位 | ジャンニ・モスコン(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:20 |
7位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | ジャック・ヘイグ(ニュージーランド、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | イーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
山岳賞 | リリアン・カルメジャーヌ(フランス、AG2Rシトロエン) |
ヤングライダー賞 | イーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:So Isobe
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