カステリの冬用コレクションの中からMORTIROLO VI JACKET、TRANSITION 2 JACKETを中心としたウェア一式をピックアップして紹介しよう。なるしまフレンドの藤野智一さん、ペダリストの福本元さんに着用感を伺った。



カステリ MORTIROLO VI JACKET、SORPASSO RoS BIBTIGHT
カステリ MORTIROLO VI JACKET、SORPASSO RoS BIBTIGHT、PERFETTO RoS GLOVE、ENTRATA SHOECOVERカステリ MORTIROLO VI JACKET、SORPASSO RoS BIBTIGHT、PERFETTO RoS GLOVE、ENTRATA SHOECOVER photo:Kenta Onoguchi
ジロ・デ・イタリアに度々登場し、マルコ・パンターニの追悼記念碑が立てられているモルティローロ峠。その名前を冠した定番ジャケットの6世代目が今回紹介するMORTIROLO VIだ。前身頃と袖にGORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPERを採用することで、冬場の冷たい風をウェア内に侵入することを防ぐ一着。裏地は起毛とされているため、暖かさも兼ね備えていることが特徴だ。対応気温帯は6℃~14℃。

脇や背中部分など発熱、発汗する部分は一般的な起毛フリース素材とすることで、不快な原因となる湿気や熱を発散させる設計となっている。寒さが厳しくならない地域で、冬場もトレーニングを積むという方にぴったりな一着に仕上げられている。

やや厚手の起毛素材が採用されているやや厚手の起毛素材が採用されている 前身頃にGORE-TEX INFINIUMを採用している前身頃にGORE-TEX INFINIUMを採用している


MORTIROLO VI JACKETはタイトフィットではなく、様々な体型にフィットするノーマルカットが採用されている。若干ゆとりのあるフィット感とされているため、インナーの工夫次第で様々なシチュエーションに対応できそうだ。価格は27,500円(税抜)。

今回MORTIROLO VI JACKETと合わせたボトムスは、SORPASSO RoS BIBTIGHT。イタリア語で「追い越す」という意味を持つSORPASSOを名前としたこのモデルは、速く、快適に走るために開発された1着だ。

カステリ SORPASSO RoS BIBTIGHTカステリ SORPASSO RoS BIBTIGHT photo:Kenta Onoguchi
足の動きを妨げず、防風性を確保するために細かいパネリングが採用された足の動きを妨げず、防風性を確保するために細かいパネリングが採用された 肩紐がショーツ部分を吊り上げるようなデザインとなった肩紐がショーツ部分を吊り上げるようなデザインとなった


SORPASSOのメインファブリックは、伸縮性、通気性、保温性を維持したまま、撥水性を追加するテクノロジーを採用したNano Flex 3Gという生地。エルゴノミクスを考慮したパターン設計と生地の伸縮性により、タイト目のフィット感ながらスムースに脚を動かせる1着に仕立てられている。

加えて、太ももとヒップ部分、背中の一部にはNano Flex Xtra Dryを採用することで、さらなる防風性と保温性を確保。対応気温帯は0℃~12℃に設定されており、厳冬期まで対応できるモデルとなっている。アセンブルされるパッドはProgetto X² Air seamless。価格は24,500円(税抜)。

インプレッション by 藤野智一

カステリ MORTIROLO VI JACKETカステリ MORTIROLO VI JACKET photo:Kenta Onoguchi
着用したアパレルは全体的に快適性が高く、朝から夕方まで着続けましたが何か気になることはありませんでした。冬用アパレルの場合は、保温性を確保するために硬く厚い生地が使われることがありますが、どのアパレルも柔軟性に富んでいながら、暖かさもしっかりと兼ね備えていました。

気温4℃~10℃ほどの天候の中、ジャケットと冬用アンダーのみの2枚で過ごしましたが、一日通して快適に過ごせました。防風素材がしっかりしている上、起毛素材もしっかりしているので、ウィンドブレーカーを着なくても寒さを感じることはありませんでした。

また、スプリントなどで体温が上がった時は、汗をかいているのがわかりましたが籠もったりせず、直ぐにウェアの外に発散されてくれたので、常にサラッとした状態が維持されましたね。ジャケットと冬用アンダー、必要に応じてウィンドブレーカーを組み合わせれば、極寒の時以外はカバーしてくれそうです。

背中部分は通気性を意識した作りとなっている背中部分は通気性を意識した作りとなっている photo:Kenta Onoguchi
タイツは履いていない時の見た目のサイズ感が小さく、履けなさそうなイメージでしたが、実際は非常によく伸びてくれて、ばっちりフィットしました。暖かいですし、部分的に薄手の生地を使って、ペダリングしやすいように作られていて好印象です。

シューズカバーも朝から夕方まで一度も調整することなく、ピッタリとフィットし続けてくれました。足首の動きも妨げないですし、ストレスフリーな印象を受けましたね。グローブも同じように暖かさとフィット感、柔軟性に優れています。今回、着用したウェアは何もかも丁度良く作られていました。

カステリ PERFETTO RoS GLOVEカステリ PERFETTO RoS GLOVE シンプルなグリッパーデザインとなっているシンプルなグリッパーデザインとなっている


カステリ MORTIROLO VI JACKET
対応気温帯:6℃~14℃
サイズ:S~3XL
カラー:チェレステ、ライトブラック、サヴァイルブルー、レッド
価格:27,500円(税抜)

カステリ SORPASSO RoS BIBTIGHT
対応気温帯:0℃~12℃
サイズ:S~3XL
カラー:ブラックファイアリーレッド、サヴァイルブルー、ブラックリフレックス、ブラック
価格:24,500円(税抜)

カステリ PERFETTO RoS GLOVE
対応気温帯:6℃~10℃
サイズ:XS~2XL
カラー:ブラック
価格:7,800円(税抜)

カステリ ENTRATA SHOECOVER
対応気温帯:4℃~14℃
サイズ:S~2XL
カラー:ブラック
価格:6,300円(税抜)



カステリ TRANSITION 2 JACKET、ENTRATA BIBTIGHT
カステリ TRANSITION 2 JACKET、ENTRATA BIBTIGHT、PERFETTO LIGHT GLOVE、INTENSO UL SHOECOVERカステリ TRANSITION 2 JACKET、ENTRATA BIBTIGHT、PERFETTO LIGHT GLOVE、INTENSO UL SHOECOVER photo:Kenta Onoguchi
TRANSITION 2 JACKETは、前身頃にカステリが誇る名作Gabbaと同じGORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPERを採用した1着だ。定評のある素材が身を切り裂くような冷風から体を守ってくれる防風性を実現。裏地には起毛素材を配し保温性も確保した、気温8℃~16℃のシチュエーションに対応してくれるアウターとなっている。

後ろ身頃はフリース素材とすることで通気性を確保。体から発生する不必要な熱や湿気などが発散されるようになっているため、春のようなミッドシーズンで活躍してくれそうだ。また、冬場も高強度でトレーニングを行うサイクリストなどにも適しているだろう。

TRANSITION 2 JACKETの裏起毛生地は薄手で、春秋のようなミッドシーズンに活躍してくれそうだTRANSITION 2 JACKETの裏起毛生地は薄手で、春秋のようなミッドシーズンに活躍してくれそうだ 背中の黒い部分は通気性を意識した起毛素材が使用されている背中の黒い部分は通気性を意識した起毛素材が使用されている


TRANSITION 2はレーシングウェアのようなタイトフィットではなく、リラックスして着用できる仕立て。気温によってインナーの厚みを変更することで、様々な気温に対応できそうだ。YKK Visionのファスナーや、前後身頃に配置されたリフレクターなど細部のディティールにも抜かりがない。価格は25,000円(税抜)。

今回、TRANSITION 2に合わせたボトムスはENTRA BIBTIGHT。ミドルグレードに位置するモデルだが、ハイエンドに使用されたことがある生地や機能を組み合わせて作られたモデルだという。メインとなる生地はThermoflexという保温性と伸縮性に優れるファブリック。気温6℃~14℃に対応でき、厳冬期とウェットコンディション以外のウィンターシーズンで活躍するタイツに仕上げられている。

カステリ ENTRATA BIBTIGHTカステリ ENTRATA BIBTIGHT photo:Kenta Onoguchi
縫製部分を少なくすることが意識されたENTRA BIBTIGHT縫製部分を少なくすることが意識されたENTRA BIBTIGHT ENTRATA BIBTIGHTに装着されるパッドはKISS Air2ENTRATA BIBTIGHTに装着されるパッドはKISS Air2


ENTRA BIBTIGHTは縫製部分とパターンの量を少なくすることを意識したモデルでもある。縫い目が肌にストレスを与えにくくなっているため、長時間のライドでも快適に着用し続けられるだろう。採用されたパッドはKISS Air2。価格は15,500円(税抜)

インプレッション by 福本元

気温4℃~10℃ほどの天候の中、冬用アンダーと2枚のレイヤリングで日中を過ごしましたが、今日ほどの気温であれば寒さを感じることなくライドができました。防風素材を前身頃に配置し、ウェア内に風が入ってこないことが良い影響を出しているのでしょうね。ライド中に風で体が冷える心配も少なかったです。日中のライドかつ高強度でトレーニングする方であれば、このジャケットのみで対応できそうです。

カステリ TRANSITION 2 JACKETカステリ TRANSITION 2 JACKET photo:Kenta Onoguchi
一方で、背中側は通気性を意識した作りのためか、停車している時は湿気や熱が逃げていくような感覚があります。朝晩など気温が低くなる時間帯や、ライドの途中で休憩を挟む場合は、ウィンドブレーカーなどを羽織っておきたいです。

実はタイツに苦手意識があったのですが、このビブタイツは生地が伸びやかで、ペダリングを妨げることが無かったので好印象でした。グローブも普段は使わないのですが、今回着用したものは生地が薄手で違和感なく使うことができました。薄い生地にも関わらず風が入ってこないので快適ですし、レース志向なカステリというだけあり、ガンガン走る方にぴったりですね。

カステリ TRANSITION 2 JACKET
対応気温帯:8℃~16℃
サイズ:S~3XL
カラー:レッド、イエローフルオ、ライトブラック
価格:25,000円(税抜)

カステリ ENTRATA BIBTIGHT
対応気温帯:6℃~14℃
サイズ:S~3XL
カラー:ブラック
価格:15,500円(税抜)

カステリ PERFETTO LIGHT GLOVE
対応気温帯:8℃~14℃
カラー:ブラック
サイズ:XS~2XL
価格:6,800円(税抜)

カステリ INTENSO UL SHOECOVER
対応気温帯:0℃~14℃
カラー:レッド、イエローフルオ、オレンジ、ライトブラック
カラー:S~2XL
価格:8,800円(税抜)



インプレッションライダーのプロフィール

藤野智一(なるしまフレンド)藤野智一(なるしまフレンド) 藤野智一(なるしまフレンド)

92年のバルセロナ五輪ロードレースでの21位を皮切りに、94/97年にツール・ド・おきなわ優勝、98/99年は2年連続で全日本選手権優勝など輝かしい戦歴を持つ。引退してからはチームブリヂストンアンカーで若手育成に取り組み同チームの監督を務めた。2012年より出身チームのなるしまフレンドに勤務し、現在は神宮店の店長を務める。ブリヂストン時代にはフレームやタイヤの開発ライダーも務め、機材に対して非常に繊細な感覚を持つ。

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福本元(ペダリスト ピナレロショップ青山)福本元(ペダリスト ピナレロショップ青山) 福本元(ペダリスト ピナレロショップ青山)

東京都港区に構えるペダリスト ピナレロショップ青山の店長。中学生からロードバイクを楽しみ、高校に上がるとともに競技生活をスタート。社会人になるタイミングで実業団レースでE1まで昇格し、富士ヒルクライムでゴールドを獲得したレーサー。その経験を活かし、ショップではスクールなども担当。接客のモットーは「要望を実現できる方法を考える」こと。

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