TT世界王者強し。逃げグループから飛び出し、持ち前のスピードを活かしたフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)がエトワール・ド・ベッセージュ4日目に勝利した。
笑顔を見せるジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス) (c)CorVos
総合成績で44秒リードするティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos
豪華メンバーが集う中、全5日間で開催されるエトワール・ド・ベッセージュ(UCI2.1)も既に4日目。南フランス、ガール県の丘陵地帯を駆け巡るコースは152kmで、終盤は小刻みなアップダウンがある21km周回コースを2周。フィニッシュラインは登坂距離1.1km、平均勾配5,5%の登坂を駆け上がった先に引かれている。
パンチャーや軽量スプリンターによる集団フィニッシュが見込まれたこの日は、アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)やフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)、ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)といったメンバーが逃げを打った。
逃げるフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)やドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス) (c)CorVos
EFエディケーション・NIPPOが逃げグループを追いかける (c)CorVos
アタックに次ぐアタックで消耗戦となった前日とは打って変わり、ロット・スーダル率いるメイン集団は1分半〜2分程度でがっちりとタイム差をキープする。TT世界チャンピオンやベルギーチャンピオンが入る手強い先頭グループを監視下に置き、フィニッシュまでの距離を減らしていった。
ボーラ・ハンスグローエやEFエデュケーションNIPPOのペースアップによってタイム差が縮まると、メイン集団からはアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーションNIPPO)やアントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)らがブリッジ。こうしてフレッシュなメンバーを得たエスケープだったが、タイム差減少に待ったはかからず、メイン集団は残り10kmで10秒後方まで迫った。
しかし先頭からはチャンスを見出したガンナがアタック。持ち前のパワーで全員を引きちぎり、独走に持ち込んだガンナは見る間にリードを拡大。一気に40秒弱を稼ぎ、大柄な身体で追走グループを、そしてメイン集団を突き放していく。TT世界チャンピオンのペースは残り1.1kmから始まる登坂に入っても落ちることは無かった。
独走でフィニッシュするフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
17秒届かなかった集団先頭はクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) (c)CorVos
今季初勝利を掴んだフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
「トップガンナ」と呼び親しまれるガンナが、自身、そしてイネオス・グレナディアーズに今季初勝利をプレゼント。追走グループを捉え、ガンナの17秒後方まで迫っていた集団先頭はクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)が確保した。
「今日の目標はクウィアトの側で彼をサポートすることだったんだ。逃げに乗るチャンスを感じた時、彼はアタックして良いよと言ってくれたんだ。逃げ切るモチベーションを高く保ち続け、残り10kmから独走に持ち込んだ。フィニッシュでは本当に嬉しかったよ」と語るガンナ。総合成績で遅れていたため、首位は前日勝者ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が守っている。
共に逃げたドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)がフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)を祝福 (c)CorVos
「総合では3分遅れ。将来的には徐々に総合上位に近づいていければ良いなと思っているんだ。とりあえず明日は上手くレースを走り抜きたい。自分の脚質に合う、登りが少なく平坦基調のステージレースがあれば総合上位に絡むことができると思う」とガンナは語っている。
なおガンナのSTRAVAデータによれば、レース+α(3時間半)の平均パワーは驚きの388ワット。4,364kJを消費し、平均スピードは42.9km/h。独走に持ち込んだ残り10kmの平均パワーは480ワット以上にも及んでいる。


豪華メンバーが集う中、全5日間で開催されるエトワール・ド・ベッセージュ(UCI2.1)も既に4日目。南フランス、ガール県の丘陵地帯を駆け巡るコースは152kmで、終盤は小刻みなアップダウンがある21km周回コースを2周。フィニッシュラインは登坂距離1.1km、平均勾配5,5%の登坂を駆け上がった先に引かれている。
パンチャーや軽量スプリンターによる集団フィニッシュが見込まれたこの日は、アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)やフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)、ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)といったメンバーが逃げを打った。


アタックに次ぐアタックで消耗戦となった前日とは打って変わり、ロット・スーダル率いるメイン集団は1分半〜2分程度でがっちりとタイム差をキープする。TT世界チャンピオンやベルギーチャンピオンが入る手強い先頭グループを監視下に置き、フィニッシュまでの距離を減らしていった。
ボーラ・ハンスグローエやEFエデュケーションNIPPOのペースアップによってタイム差が縮まると、メイン集団からはアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーションNIPPO)やアントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)らがブリッジ。こうしてフレッシュなメンバーを得たエスケープだったが、タイム差減少に待ったはかからず、メイン集団は残り10kmで10秒後方まで迫った。
しかし先頭からはチャンスを見出したガンナがアタック。持ち前のパワーで全員を引きちぎり、独走に持ち込んだガンナは見る間にリードを拡大。一気に40秒弱を稼ぎ、大柄な身体で追走グループを、そしてメイン集団を突き放していく。TT世界チャンピオンのペースは残り1.1kmから始まる登坂に入っても落ちることは無かった。



「トップガンナ」と呼び親しまれるガンナが、自身、そしてイネオス・グレナディアーズに今季初勝利をプレゼント。追走グループを捉え、ガンナの17秒後方まで迫っていた集団先頭はクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)が確保した。
「今日の目標はクウィアトの側で彼をサポートすることだったんだ。逃げに乗るチャンスを感じた時、彼はアタックして良いよと言ってくれたんだ。逃げ切るモチベーションを高く保ち続け、残り10kmから独走に持ち込んだ。フィニッシュでは本当に嬉しかったよ」と語るガンナ。総合成績で遅れていたため、首位は前日勝者ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が守っている。

「総合では3分遅れ。将来的には徐々に総合上位に近づいていければ良いなと思っているんだ。とりあえず明日は上手くレースを走り抜きたい。自分の脚質に合う、登りが少なく平坦基調のステージレースがあれば総合上位に絡むことができると思う」とガンナは語っている。
なおガンナのSTRAVAデータによれば、レース+α(3時間半)の平均パワーは驚きの388ワット。4,364kJを消費し、平均スピードは42.9km/h。独走に持ち込んだ残り10kmの平均パワーは480ワット以上にも及んでいる。
エトワール・ド・ベッセージュ2021 第4ステージ結果
1位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 3:22:57 |
2位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | 0:17 |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン) | |
5位 | ミラン・メンテン(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル) | |
6位 | ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
7位 | シリル・バルト(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
8位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | オーギュスト・イェンセン(ノルウェー、デルコ) | |
10位 | マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) |
個人総合成績
1位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 13:40:54 | |
2位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | 0:44 | |
3位 | マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション) | 0:46 | |
4位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) | 0:48 | |
5位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:49 | |
6位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン) | 0:50 | |
7位 | ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマFDJ) | ||
8位 | シリル・バルト(フランス、B&Bホテルズ KTM) | ||
9位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | ||
10位 | オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、イスラエル・スタートアップネイション) |
その他の特別賞
ポイント賞 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) |
山岳賞 | アレクサンドル・ドゥレットル(フランス、デルコ) |
ヤングライダー賞 | ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | ロット・スーダル |
text:So Isobe
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