ワウト・ファンアールト(ベルギー)が、ユンボ・ヴィズマと2024年までの契約延長を行った。「選手として飛躍したこのチームに残るという決断を下すまで時間は掛からなかった」と、チームへの強い思いを語っている。



スペインでのトレーニングキャンプに参加しているワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)スペインでのトレーニングキャンプに参加しているワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
「2021年以降もユンボ・ヴィズマの一員となることをとても誇りに思っている。本当に嬉しいよ」と、話すのは現在スペインはアリカンテでユンボ・ヴィズマのトレーニングキャンプに参加しているワウト・ファンアールト(ベルギー)。一昨年のツール・ド・フランスで負った大怪我から復活し、ストラーデビアンケ、ミラノ〜サンレモ、ツール区間2勝、世界選手権のロードと個人タイムトライアルで銀メダルと、破竹の快進撃を続ける26歳が、2024年までオランダチームの一員として過ごすこととなった。

先日シクロクロスのベルギー選手権で4度のエリートタイトルを手にしたファンアールトは、残留理由に至った心境を次のように説明する。「強くチームとの契約延長を希望していた。その理由は、このチームで選手として飛躍したから。僕がここ数年で選手として成長したことは誰も目にも明らかだろう。必要なタイミングで身体を仕上げることができたことは、目標を共有したチームの支え合ってこそ。リサインしたいという考えがまとまるまで時間は掛からなかった」。

ファンアールトは更に、「僕とチームの意図していることも良かったし、全て上手くいくと確信があった。この環境でさらに前進できるということに対してとても満足している。チームとの時間はとても心地良く、過去数年でチームの方向性が正しいことも証明してきた。他のチームが興味を持っていたかについて言及はしないけれど、話し合ったことはないんだ。僕の目標は契約を延長することだった」と、ユンボ・ヴィズマとの強い結束をコメントしている。

「強くチームとの契約延長を希望していた」「強くチームとの契約延長を希望していた」 (c)CorVos
チームGMのリチャード・プルッヘGMはリリースの中で、「ワウトは有名選手の一人であり、自転車界のスター選手だ。ワールドランキング3位であり、我々にとって彼を残留させることが重要だった。他チームも興味を持っただろうが、彼の意図は残留にあった。彼を残すことができてとても嬉しく思っている」とコメント。スポルティブ・マネージャーのマーリン・ジーマン氏は「昨年の分析では春のクラシックレースにおける彼へのサポートが不十分だったと思うので、今後数年間この部分をより強化していきたい」と、支援体制のさらなる強化について話している。


チームは今回の契約延長発表にあたり、「全てをこなせるワウト」のムービーを作成し、公開した。時にアシストとしてエースを支え、時にエースとして勝利を掴むキャラクターを、チームキャンプで雑用をこなすシーンと重ねて表現。「全てこなせるなら残留して良い」と言うプルッヘGMの言葉で締められている。

text:So Isobe