チームDSM(旧サンウェブ)が1月5日、マルク・ヒルシ(スイス)の退団を発表した。2021年末まで残されていた契約期間中の離脱となり、移籍先となるチームは明らかになっていないものの、一部報道ではUAEチームエミレーツが有力視されている。



飛躍の2020シーズンを過ごしたマルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)飛躍の2020シーズンを過ごしたマルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ) photo:CorVos
「チームDSMは、2021年12月31日まで結んでいたマルク・ヒルシとの契約を終了することで合意しました。この合意は即時に適応されるものであり、今後のコメントは控えさせていただきます。チームDSMはマルク・ヒルシのキャリアの継続を祈るとともに、マルク・ヒルシのチームへの貢献に感謝の意を表したいと思います」。チームDSMの発表には、このように綴られている。

現在22歳のヒルシは2018年の世界選手権U23ロードで優勝すると、サンウェブでプロデビューを果たした2019年にスイスTTナショナル選手権で2位(ロード4位)に入った。そして2020年はグランツール初出場となったツール・ド・フランス第12ステージで勝利を挙げると、勢いそのままに世界選手権ロードでは3位、ラ・フレーシュ・ワロンヌ優勝、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ3位と立て続けに活躍し、若手パンチャーとしてブレイクを果たした。

2018年のU23世界選手権で勝利したマルク・ヒルシ(スイス)2018年のU23世界選手権で勝利したマルク・ヒルシ(スイス) photo:Kei Tsuji
多くのチームが昨年末までにロースター確定をする中、シーズン開幕直前のこのタイミングで退団が発表されるのは異例。また移籍金(契約期間中に移籍する際に発生する違約金)が一般的ではないロードレース界において、契約期間中の移籍も稀ではあるが、チームDSMはサンウェブ時代からマルセル・キッテルやトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム・バイクエクスチェンジ)などが同じように契約を残した状態でチームを去ってきた過去がある。

現在までにヒルシや移籍先のチーム、及び代理人であるファビアン・ カンチェラーラ氏から正式な発表はないが、オランダのWielerflitsはUAEチームエミレーツへの移籍が濃厚であると報じている。


text:Sotaro.Arakawa

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