来年2月9〜14日に開催予定だった第4回ツアー・コロンビア2.1が、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に中止が発表された。年々規模を拡大を見せていたコロンビア最大のレースが2021年のレースカレンダーから姿を消すことになった。



昨年のツアー・コロンビア 大観衆が集まった市街地昨年のツアー・コロンビア 大観衆が集まった市街地 (c)CorVos
コロンビア自転車協会は12月20日、2021年2月9日から14日にかけて開催予定だった「ツアー・コロンビア2.1」のキャンセルを発表。同協会の会長であるマウリシオ・バルガス氏は「実行委員会にとって非常に難しい決断だった」とコメントした。

またリリースの中でバルガス氏は「中止の主な理由は、レースそのものだけでなく(コロンビア)全体の健康を守るためにある。前回大会からもわかるように、このレースは何百万人もの人が集まることが予想されるイベントだ。訪れるすべての人々をコントロールすることは不可能であり、(開催は)人混みを避けるという取り組みと矛盾する。しかし熱意と決意を持って、2022年に再スタートを切れるよう願っている」と語った。

2018年より始まったツアー・コロンビアは国内最大のステージレースで、コロンビアにおける自転車競技の爆発的な人気も相まって年々その規模を拡大し、昨年は6つのワールドチームが参加した。各チームのコロンビア人選手はもちろん、今年はドゥクーニンク・クイックステップからジュリアン・アラフィリップ(フランス)も出場し、欧州から遠く離れた地にも関わらず、毎年スター選手たちよる激しいレースが繰り広げられている。

昨年大会ではEFプロサイクリングの若手南米クライマーが総合表彰台を独占した昨年大会ではEFプロサイクリングの若手南米クライマーが総合表彰台を独占した (c)CorVos
しかし、コロンビア国内における新型コロナウイルスの感染状況は深刻で、今年8月中旬にピークを迎えた新規感染者数は、12月に入り再び増加し、現在その数は1日1万人を超える日が続いている。

コロナ禍における開催中止は、11月にはオーストラリアで開催予定のサントス・ツアー・ダウンアンダー(1月24日-)とカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース(1月31日)が早々にレースキャンセルを発表。欧州以外での主要レースの開催が続々と危機に瀕している。

しかし、その中でも同じ南アメリカのアルゼンチンで行われるブエルタ・ア・サンフアン(1月31日)は カレンダー通りの開催を予定しており、来季よりイスラエル・スタートアップネイションで走るクリストファー・フルーム(イギリス)の新チームでのデビュー戦になることが発表されている。

text:Sotaro.Arakawa