今年6月にトレック・セガフレードと契約を交わしワールドチームに復帰したピーター・ウェーニング(オランダ)が現役引退を発表。グランツールを16回走ったベテランが、17年に及ぶプロキャリアに幕を下ろした。



ピーター・ウェーニング(オランダ、トレック・セガフレード)ピーター・ウェーニング(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos
現役引退を発表したピーター・ウェーニング(オランダ)は、1981年4月5日生まれのベテランオールラウンダー。育成チームを経て2004年にラボバンクでプロデビューし、8年在籍した同チームから2012年にオリカ・グリーンエッジへと渡り、2016年からは母国オランダのプロコンチネンタルチームだったルームポットへ。2019年限りでのチーム解散に伴い活躍の場を失っていたが、度重なる選手故障を抱えていたトレック・セガフレードと6月5日付で契約を交わしていた。

ウェーニングはストラーデビアンケを皮切りにティレーノ〜アドリアティコを走り、世界選手権のオランダ代表メンバーに選ばれ、そのままジロ・デ・イタリアへと参戦したものの、第4ステージの落車で脳震盪を起こしてリタイア。以降レースを走ることなくシーズンを終え、そのままキャリアの引退に繋がった。

今年の世界選手権オランダ代表メンバーに選ばれたピーター・ウェーニング(オランダ、トレック・セガフレード)今年の世界選手権オランダ代表メンバーに選ばれたピーター・ウェーニング(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos
「こうして現役引退を発表できてハッピーだ。20年近くにも渡り、夢見た、そして一番愛した仕事に就くことができた。レースを走った全シーズンを楽しむことができたし、今はとても幸せな気分だ。ただしここ数週間、自分自身に”もう十分だ”と静かに言い聞かせてきた」と、ウェーニングはチーム公式サイトの中で話す。

「契約した時に、ジロをどう走れたかを客観的に判断して来年の身の振り方を考えようと思った。レース前の高地キャンプでは良い感触を得ていたけれど、4日目に馬鹿な落車でリタイアし、脳震盪の症状と共に帰宅することになった。ブエルタに向けて体調を整えようと思ったけれど、ドクターが提示したのは休養。その時に”(引退の)時が来たんだ”と感じた。肉体的なものではなく、精神的な決断だったんだ」。

2011年のジロ・デ・イタリア第5ステージで優勝したピーター・ウェーニング(オランダ、当時ラボバンク)2011年のジロ・デ・イタリア第5ステージで優勝したピーター・ウェーニング(オランダ、当時ラボバンク) photo:Riccardo Scanferla
マリアローザに袖を通したピーター・ウェーニング(オランダ、当時ラボバンク)マリアローザに袖を通したピーター・ウェーニング(オランダ、当時ラボバンク) photo:Riccardo Scanferla
「ジロは決して自分の望んだ形にはならなかったけれど、後悔はしていない。ツール・ド・フランスで2005年に、ジロでは2011年と14年に勝利し、マリアローザを4日間着用したことはキャリアの中で最高の思い出だ。振り返れば毎年毎年たくさんの思い出に満ち溢れている。いい記憶があるからこそ新しいチャレンジに向かうことができる」と語っている。

インタビューによれば、ウェーニングが選手を退いてもなお自転車界と関わりを持ち続けるが、まだ詳細は明らかにしていない。「今は妻と、二人の子供と過ごす時間を大切にしたい。今は将来に関していくつか考えとアイディアがあるけれど、まだ発表できるタイミングではない」と話している。

text:So.Isobe

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