2020/10/17(土) - 09:39
ミラノ〜サンレモと似たレイアウトのジロ第13ステージで、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)がステージ2勝目。接戦スプリントで2位となったホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)がボーナスタイムを6秒加算している。
チームプレゼンに登場した新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) photo:CorVos
アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)とトロフェロ・センツァフィーネ photo:CorVos
マリアローザのホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)が声援に応える photo:CorVos
ド平坦からの4級山岳2連発。エミリア=ロマーニャ州のチェルヴィアからヴェネト州のモンセリーチェまで北上するジロ・デ・イタリア第13ステージの192kmコースは、まさにパンチャーに絞り込むために設定されたかのようなレイアウト。
穏やかな150kmを走ってから丘陵地帯「コッリ・エウガネイ」に突入するレイアウトはミラノ〜サンレモにも似ているが、平均勾配が4%前後しかないチプレッサ&ポッジオの組み合わせよりも4級山岳ロッコーロ(全長4.1km・平均8.3%・最大20%)と4級山岳カラオーネ(全長2.1km・平均9.8%)の難易度は遥かに高い。
10月16日(金)第13ステージ チェルヴィア〜モンセリーチェ 192km ☆☆ photo:RCS Sport
10月16日(金)第13ステージ チェルヴィア〜モンセリーチェ 192km ☆☆ photo:RCS Sport
冷たい雨に見舞われた前日から天候も回復し、スタート地点チェルヴィアは気温15℃の曇り空。ベストやジャケットを着込む選手が多数を占め、パレードランを経てスタートフラッグが振られる。この日は7名が逃げを打ったものの、精鋭パンチャー向けコースであること、そして総合争い勃発の可能性があることを踏まえメイン集団はタイム差を2分半で固定した。
逃げグループを形成した7名
ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼル)
シモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
シモーネ・ラヴァネッリ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
ロドリゴ・コントレラス(コロンビア、アスタナ)
アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF・ファイザネ)
ハーム・ファンフック(ベルギー、ロット・スーダル)
ロレンツォ・ルタ(イタリア、ヴィーニザブKTM)
ペローはステージ5位となった前日に続く2日連続エスケープ。敢闘賞に直結するコンビナーダランキングでペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)に次ぐ2位、中間ポイント賞でマルコ・フラッポルティ(イタリア、ヴィーニザブKTM)に6ポイント差で2位というペローは、狙い通り残り73km地点の中間スプリントポイントで先着。10ポイントを加算し、フラッポルティを4ポイント上回って中間ポイント賞ランキング首位浮上に成功する。
2分半リードで逃げ続けるロレンツォ・ルタ(イタリア、ヴィーニザブKTM)たち photo:CorVos
楽しげなヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)やディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)たち photo:RCS Sport
1分40秒遅れて中間ポイントに到着したメイン集団では、マリアチクラミーノを着用するアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)がFDJトレインの力を借りて1ポイントを加算した。集団先頭に位置取っていたランキング2位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は、加速するデマールを見てゴール勝負に切り替えた。
イネオス・グレナディアーズ勢や、好調宣言のダヴィデ・チモライ(イタリア)擁するイスラエル・スタートアップネイションが牽引するメイン集団の後方では、落車によるものかダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が頬から血を流すシーンも。幸いドクターカーで治療を受けたバッレリーニは無事戦線復帰している。
隊列前方に位置取るホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)やペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
4級山岳ロッコーロで逃げ続けるアレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF・ファイザネ)とジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼル) photo:RCS Sport
平穏に150kmの平坦区間を終え、1つ目の4級山岳ロッコーロ(全長4.1km・平均8.3%・最大20%)に突入すると先頭グループからは任務を終えたペローや、コントレラスが脱落。トネッリとブシャールが快調なペースを刻むその後方では、サガンを従えたボーラ・ハンスグローエがペースを上げ、デマール脱落作戦をスタートさせる。
平均8.3%、最大20%という急勾配で狙い通りデマールやエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)といったスプリンター勢が遅れを喫した一方、マリアローザのホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)など総合勢はしっかりとポジションをキープした。
しかしマリアチクラミーノを着るデマールは勝負を諦めなかった。山頂で50秒遅れたデマールは、グルパマアシスト勢による捨て身の追走によって、2つ目の4級山岳カラオーネ突入前に辛くも合流を果たす。しかし喜びも束の間、イネオス・グレナディアーズやトレック・セガフレードが、次いでUAEチームエミレーツの高速牽引が始まった。
ディエゴ・ウリッシ(イタリア)の区間2勝目を目指すべく、昨年ジロでマリアローザを着用したヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が加速し、集団を粉砕。デマールはもちろんサガンも遅れ、先頭で粘っていたトネッリはここで吸収。ステージ優勝と総合上位勢集団前方に集結した状態で、マリアアッズーラのルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)を先頭に山頂を超えた。
精鋭グループ内でフィニッシュを目指すホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
ハイスピードダウンヒルをこなし、先頭集団に残ったのは僅か20名だけだった。山頂で15秒遅れたサガンは共に遅れたメンバーと共に追走を試みたものの、マリアローザグループとの差は思うように縮まらない。その20〜30秒後方ではデマールグループが追走したが、やはりマリアローザグループ、そしてサガングループとの差は縮まらなかった。
結局マリアローザグループは、サガングループとデマールグループの追走を許さずフィニッシュ前に到達。人数を揃えたドゥクーニンク・クイックステップがアルメイダのためにペースを作り、最後の180度コーナー前からブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ)が、そしてミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がリードアウト。その背後からウリッシとアルメイダが同時に発進した。
ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)にホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)が迫る photo:CorVos
コンラッド、アルメイダ、ウリッシが横一線でハンドルを投げ込む photo:CorVos
ホイール半分差で先着したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
2勝目を目指すウリッシと、これまで6位、3位、3位、9位と一桁リザルトを重ねてきたアルメイダ、そして急加速したパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)が横一線でハンドルを投げ合ったその末に、手を上げたのはウリッシ。ホイール半分の差で先着したウリッシが、狙い通り区間2勝目を挙げてみせた。
「スプリンターを振り払い、小集団でフィニッシュにたどり着くという作戦通りの走りができた。もし彼らを引き離すことができればスプリントでチャンスがあると分かっていたんだ。完璧なシナリオ通りの走りを見せてくれたチームに感謝したい。何よりもコンティに、そしてスプリントをお膳立てしてくれたマクナルティに感謝だ。シーズン再スタートから非常に調子がよく、このジロで2勝もできたことを嬉しく思う」と語るウリッシは、ジロのステージ通算勝利数を8に伸ばすことに成功。フィニッシュ直後はカメラに向けて両手で8を作りアピールした。
大会2度目のステージ表彰を受けるディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
山岳ポイントを加算したルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング) photo:CorVos
なお、Velonによれば、ウリッシと2位アルメイダの17秒に渡る最終パワーデータを見比べると、最高速でアルメイダが0.2km/h(ウリッシ64.4km/h、アルメイダ64.6km/h)上回っているのに対し、ウリッシは平均スピードで0.1km/h上回っている(ウリッシ60.6km/h、アルメイダ60.5km/h)。マックスパワーはウリッシ1010ワット(平均870ワット)、アルメイダ1120ワット(平均880ワット)と、データ上でも接戦だったことが見て取れる。
破れたアルメイダだが、2位のボーナスタイム6秒を得て再びマリアローザのリードを積み重ねることに成功。「僕より速い選手に先着されてしまったものの、僕らにとっては満足できるステージだった。再びトップ3、そしてボーナスタイムを得たことはチームスピリットの表れだ。合計11日間もマリアローザを着用できただなんて信じられないよ。週末(のTTと山頂フィニッシュ)に向けて気合いも高まった」と話している。
![チームプレゼンに登場した新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043669jpg.jpg)
![アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)とトロフェロ・センツァフィーネ](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043663jpg.jpg)
![マリアローザのホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)が声援に応える](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043665jpg.jpg)
ド平坦からの4級山岳2連発。エミリア=ロマーニャ州のチェルヴィアからヴェネト州のモンセリーチェまで北上するジロ・デ・イタリア第13ステージの192kmコースは、まさにパンチャーに絞り込むために設定されたかのようなレイアウト。
穏やかな150kmを走ってから丘陵地帯「コッリ・エウガネイ」に突入するレイアウトはミラノ〜サンレモにも似ているが、平均勾配が4%前後しかないチプレッサ&ポッジオの組み合わせよりも4級山岳ロッコーロ(全長4.1km・平均8.3%・最大20%)と4級山岳カラオーネ(全長2.1km・平均9.8%)の難易度は遥かに高い。
![10月16日(金)第13ステージ チェルヴィア〜モンセリーチェ 192km ☆☆](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/02/plan852x8522020tappa-13.jpg)
![10月16日(金)第13ステージ チェルヴィア〜モンセリーチェ 192km ☆☆](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/02/alt1280x852tappa-13.jpg)
冷たい雨に見舞われた前日から天候も回復し、スタート地点チェルヴィアは気温15℃の曇り空。ベストやジャケットを着込む選手が多数を占め、パレードランを経てスタートフラッグが振られる。この日は7名が逃げを打ったものの、精鋭パンチャー向けコースであること、そして総合争い勃発の可能性があることを踏まえメイン集団はタイム差を2分半で固定した。
逃げグループを形成した7名
ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼル)
シモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
シモーネ・ラヴァネッリ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
ロドリゴ・コントレラス(コロンビア、アスタナ)
アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF・ファイザネ)
ハーム・ファンフック(ベルギー、ロット・スーダル)
ロレンツォ・ルタ(イタリア、ヴィーニザブKTM)
ペローはステージ5位となった前日に続く2日連続エスケープ。敢闘賞に直結するコンビナーダランキングでペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)に次ぐ2位、中間ポイント賞でマルコ・フラッポルティ(イタリア、ヴィーニザブKTM)に6ポイント差で2位というペローは、狙い通り残り73km地点の中間スプリントポイントで先着。10ポイントを加算し、フラッポルティを4ポイント上回って中間ポイント賞ランキング首位浮上に成功する。
![2分半リードで逃げ続けるロレンツォ・ルタ(イタリア、ヴィーニザブKTM)たち](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043697jpg.jpg)
![楽しげなヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)やディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)たち](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-ditalia-2020-edizione-103-tappa-13-da-cervia-monselice-km-192-1.jpg)
1分40秒遅れて中間ポイントに到着したメイン集団では、マリアチクラミーノを着用するアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)がFDJトレインの力を借りて1ポイントを加算した。集団先頭に位置取っていたランキング2位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は、加速するデマールを見てゴール勝負に切り替えた。
イネオス・グレナディアーズ勢や、好調宣言のダヴィデ・チモライ(イタリア)擁するイスラエル・スタートアップネイションが牽引するメイン集団の後方では、落車によるものかダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が頬から血を流すシーンも。幸いドクターカーで治療を受けたバッレリーニは無事戦線復帰している。
![隊列前方に位置取るホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)やペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043774jpg.jpg)
![4級山岳ロッコーロで逃げ続けるアレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF・ファイザネ)とジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼル)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-ditalia-2020-edizione-103-tappa-13-da-cervia-monselice-km-192.jpg)
平穏に150kmの平坦区間を終え、1つ目の4級山岳ロッコーロ(全長4.1km・平均8.3%・最大20%)に突入すると先頭グループからは任務を終えたペローや、コントレラスが脱落。トネッリとブシャールが快調なペースを刻むその後方では、サガンを従えたボーラ・ハンスグローエがペースを上げ、デマール脱落作戦をスタートさせる。
平均8.3%、最大20%という急勾配で狙い通りデマールやエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)といったスプリンター勢が遅れを喫した一方、マリアローザのホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)など総合勢はしっかりとポジションをキープした。
しかしマリアチクラミーノを着るデマールは勝負を諦めなかった。山頂で50秒遅れたデマールは、グルパマアシスト勢による捨て身の追走によって、2つ目の4級山岳カラオーネ突入前に辛くも合流を果たす。しかし喜びも束の間、イネオス・グレナディアーズやトレック・セガフレードが、次いでUAEチームエミレーツの高速牽引が始まった。
ディエゴ・ウリッシ(イタリア)の区間2勝目を目指すべく、昨年ジロでマリアローザを着用したヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が加速し、集団を粉砕。デマールはもちろんサガンも遅れ、先頭で粘っていたトネッリはここで吸収。ステージ優勝と総合上位勢集団前方に集結した状態で、マリアアッズーラのルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)を先頭に山頂を超えた。
![精鋭グループ内でフィニッシュを目指すホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043812jpg.jpg)
ハイスピードダウンヒルをこなし、先頭集団に残ったのは僅か20名だけだった。山頂で15秒遅れたサガンは共に遅れたメンバーと共に追走を試みたものの、マリアローザグループとの差は思うように縮まらない。その20〜30秒後方ではデマールグループが追走したが、やはりマリアローザグループ、そしてサガングループとの差は縮まらなかった。
結局マリアローザグループは、サガングループとデマールグループの追走を許さずフィニッシュ前に到達。人数を揃えたドゥクーニンク・クイックステップがアルメイダのためにペースを作り、最後の180度コーナー前からブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ)が、そしてミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がリードアウト。その背後からウリッシとアルメイダが同時に発進した。
![ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)にホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)が迫る](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043808jpg.jpg)
![コンラッド、アルメイダ、ウリッシが横一線でハンドルを投げ込む](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043779jpg.jpg)
![ホイール半分差で先着したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043784jpg.jpg)
2勝目を目指すウリッシと、これまで6位、3位、3位、9位と一桁リザルトを重ねてきたアルメイダ、そして急加速したパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)が横一線でハンドルを投げ合ったその末に、手を上げたのはウリッシ。ホイール半分の差で先着したウリッシが、狙い通り区間2勝目を挙げてみせた。
「スプリンターを振り払い、小集団でフィニッシュにたどり着くという作戦通りの走りができた。もし彼らを引き離すことができればスプリントでチャンスがあると分かっていたんだ。完璧なシナリオ通りの走りを見せてくれたチームに感謝したい。何よりもコンティに、そしてスプリントをお膳立てしてくれたマクナルティに感謝だ。シーズン再スタートから非常に調子がよく、このジロで2勝もできたことを嬉しく思う」と語るウリッシは、ジロのステージ通算勝利数を8に伸ばすことに成功。フィニッシュ直後はカメラに向けて両手で8を作りアピールした。
![大会2度目のステージ表彰を受けるディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043804jpg.jpg)
![山岳ポイントを加算したルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/10/17/giro-043799jpg.jpg)
なお、Velonによれば、ウリッシと2位アルメイダの17秒に渡る最終パワーデータを見比べると、最高速でアルメイダが0.2km/h(ウリッシ64.4km/h、アルメイダ64.6km/h)上回っているのに対し、ウリッシは平均スピードで0.1km/h上回っている(ウリッシ60.6km/h、アルメイダ60.5km/h)。マックスパワーはウリッシ1010ワット(平均870ワット)、アルメイダ1120ワット(平均880ワット)と、データ上でも接戦だったことが見て取れる。
破れたアルメイダだが、2位のボーナスタイム6秒を得て再びマリアローザのリードを積み重ねることに成功。「僕より速い選手に先着されてしまったものの、僕らにとっては満足できるステージだった。再びトップ3、そしてボーナスタイムを得たことはチームスピリットの表れだ。合計11日間もマリアローザを着用できただなんて信じられないよ。週末(のTTと山頂フィニッシュ)に向けて気合いも高まった」と話している。
ジロ・デ・イタリア2020第13ステージ結果
1位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 4:22:18 |
2位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
3位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
6位 | セルジオ・サミティエル(スペイン、モビスター) | |
7位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) | |
8位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | |
9位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
10位 | ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
116位 | 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) | 13:20 |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 53:43:58 |
2位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:40 |
3位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | 0:00:49 |
4位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング) | 0:01:03 |
5位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:01:07 |
6位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:01:17 |
7位 | ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ) | 0:01:25 |
8位 | ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:01:27 |
9位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:01:42 |
10位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) | 0:02:26 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 221pts |
2位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 184pts |
3位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 78pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング) | 87pts |
2位 | ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ヴィーニザブKTM) | 76pts |
3位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 45pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 53:43:58 |
2位 | ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ) | 0:01:25 |
3位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 0:02:45 |
チーム総合成績
1位 | イネオス・グレナディアーズ | 61:11:31 |
2位 | ドゥクーニンク・クイックステップ | 0:07:12 |
3位 | サンウェブ | 0:08:35 |
text:So Isobe
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