優勝したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)や強い走りを見せたシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)ら、ヘント〜ウェヴェルヘム上位選手たちのコメントを紹介。牽制で沈んだワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)とマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)の言葉もお届けします。



1位:マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)

4名のスプリント勝負を制したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)4名のスプリント勝負を制したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
3人(セネシャル、ベッティオル、トレンティン)が集団から抜け出した時、マチューとワウトが追いかけてくれることを期待したけれど、彼らは動かなかった。そこで自分自身で追いかけ、3番手の選手の後輪につき、最後はそこからスプリント。ロングスプリントが好きで、自分向き。今日のような雨のち晴れという天候のレースはとにかくキツいけれど、どうやって走れば良いか心得ている。間違いなくキャリア最大の勝利の一つだ。

レースを走るたびに様々なことを学んでいる。今日はいつもより頭を使って走ろうと心がけたことが幸運にも働いた。アタックしたトレンティンたちまでジャンプして、さらにスプリントするのに十分な脚が残っていたので良かったよ。わずか数秒で判断を下す必要があった。グループが少し減速したので、"OK、一か八かのトライだ"と言い聞かせてジャンプ。一人で追いかけなければならないと分かっていたが成功したんだ。(追いつけずに)4位か、それ以下でフィニッシュする可能性もあったけれど、少なくともトライしなければならなかった。今日は成功したけれど、次も成功する保証なんてどこにもない。

先頭グループのローテーションを回すマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)先頭グループのローテーションを回すマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
2年前にフランドルに出場した時はうまく走れたし、僕がクラシックレースでの優勝候補だということを今日証明できたことは大きい。世界選手権を逃してしまったけれど、その代わりにフランドルクラシックに向けて準備が整えることができた。

今日チーム全体が素晴らしい働きをしてくれた。クラシックシーズンが始まる前に「その日その日をシーズン最後のレースだという気持ちで走ろう」とチーム全体で気合を高めていたんだ。レースで何が起こるか分からないからこそ、1つのレースに全力を投入して走りたい。シュヘルデプレイスと、日曜日のフランドルでもその流れを継続していくつもりだ。



2位:フロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

スプリントで2位になったフロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)スプリントで2位になったフロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
結果に満足しているよ。当然1位だったらもっと喜ばしいけれど、僕自身一度クラッシュし、超タフコンディションの中、死力を尽くすようなレースで優勝を目指し戦った結果なのでかなり良いと思う。レースを通してコンディションも良く、チームとして何かしてやろうというモチベーションを持ち、チームとしてレースを動かした。その結果、一人の選手が単純に僕よりも強かったということさ。それでも僕らがこのレースを通して大きな自信を得たことは、残るシーズンに向けて大きな糧となってくれるだろう。



3位:マッテオ・トレンティン(イタリア、CCCチーム)

未舗装路「プラグストリート」を走るマッテオ・トレンティン(イタリア、CCCチーム)未舗装路「プラグストリート」を走るマッテオ・トレンティン(イタリア、CCCチーム) photo:CorVos
本当に厳しいレースだったが、予想の範囲内と言える。自分自身喜べるレースができたし、チームは1度めのケンメルベルグ突入前に素晴らしい働きをしてくれた。何度も何度もアタックを掛け、最終盤の残り2km地点でも勝負を決めるアタックを仕掛ける脚を残せていたけれど、唯一マッズの合流を許してしまったのが誤算。この日最も強かった選手が最後の最後に勝利した。今日は最高の脚を持っていた選手が勝つレースであり、それがマッズだった。

最後のセレクションでは超強力なメンバーが出揃ったので誰が勝つか全く予測ができなかったよ。最後は全員がそれぞれ攻撃を続け、実際残り3km地点でマチューと協力して差を詰めた時は脚を使い過ぎてしまったかと思った。それでも最後アタックを仕掛けるだけのパワーは残っていた。表彰台獲得は素晴らしい結果だし、シーズン再開後からここまでずっと好調を維持できている。今日は勝てなかったけれど、自分の強さを証明できた。これがこのクラシック連戦の最終的な目標だ。



4位:アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFプロサイクリング)

デゲンコルプらと追走グループを組むアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFプロサイクリング)デゲンコルプらと追走グループを組むアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFプロサイクリング) photo:CorVos
最後から1年をおいて、今年初のフランドルの石畳へと戻ってきた。そして今はとても美しい気持ちに包まれている。今日チームは僕が4位に入ったヘント〜ウェヴェルヘムで最高のサポートをみせてくれた。自分にとってもこの4位は、昨年優勝したロンド・ファン・フラーンデレンに向けて良いサインになった。



5位:シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)

レース開始後100km地点で落車に巻き込まれバイクが壊れてしまった。ジェイクとファビアンが助けてくれたけど、もうすでにレースが活性化している中、およそ30kmも追走していたんだ。集団に追いついてからようやくダメージを負っていたバイクを交換し、その後やってきたケンメルベルグの前辺りから本当の勝負が始まったんだ。

(残り60kmで形成された)逃げグループに入ったけれど、一度牽制が入ってからローテーションが回らなくなったので最後のケンメルベルグ通過後に自らアタック。15〜20秒程のリードを得ていたので「彼らが牽制を始めたらチャンスがやってくる」と信じてプッシュした。でも彼らが上手くローテーションを回している様子を見て戻ることにしたんだ。

残り3km地点で運試しを試みたけれど、ファンアールトが差を詰め、ファンデルプールが全員を引き連れて振り出しに戻してしまった。そこからカウンターアタックが掛かり、それが決まった。その後ライバルたちが牽制することを期待して追走したが逃してはもらえず、思い通りにはならず5位でフィニッシュした。今日は非常に積極的に走り、本気で勝ちだけを狙っていたんだ。

今日チームはたった4人だけでスタートを切ったので様々なことが本当に大変だった。彼らにたくさん感謝しないといけない。こういったクラシックレースを戦う上では大きなビハインドだが、3人は素晴らしい仕事をやってのけた。



6位:ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル)

ケンメルベルグを越えるジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル)ケンメルベルグを越えるジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル) photo:CorVos
ギャンブルであり、そして脚比べのレースでもあった。調子が良かったので何度も勝利を目指してアタックした。とても厳しいレースだった。僕は好調だったしチームもレース前方で数を揃えていた。僕自身自信を感じていたし、チームも僕を信じてくれていた。このレースの最前線で勝負に加わることができて良かった。僕が愛してやまないレースであり、この場所にいることができて良かった。



8位:ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)

ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)とマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)は8位と9位に終わるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)とマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)は8位と9位に終わる photo:CorVos
予想通りのタフレースで、僕らは絞り込まれた精鋭グループの中で戦った。脚も良く動いたし、このレースで最強の選手の一人だと思っていたんだ。けれど、僕は一度も自由に動くことができなかった。スプリントならチャンスがあることは分かっていたけれど、全てのアタックに反応することは不可能だ。最後は賭けに出たけれど、残念ながら見返りを得ることはできなかった。脚はあったがチャンスを掴むことはできなかった(チーム公式)。

予想通り僕とマチューは精鋭グループの中に入った。実際脚もあったし、あの中では力があったと認識している。そしてその中で、ずっと僕をマークし続けていた選手が1人いる。そう、ファンデルプールだ。どうやら彼は彼自身が勝つことよりも僕が負けることを選んだようだ。多分彼は僕が既にロードで何勝も挙げていることを忘れていたんだろう(Sporza)。



9位:マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)

3度めのケンメルベルグで加速するファンアールトとファンデルプール3度めのケンメルベルグで加速するファンアールトとファンデルプール photo:CorVos
(上記インタビューに対して)僕側の意見を述べたい。ワウトの言ったことは何かおかしい。彼は先頭グループ内最強の選手の一人だったし、そんな彼が仕掛けるなら僕は反応しなければいけない。そうしなかったのならば、レース後にチームバスで「なんで奴らを行かせてしまったんだ」と問い詰められるだろう。

彼を負かすための走りなんてしていないし、僕はいつでも勝つために走っている。実際何度も彼のアタックをフォローしたので彼の言うことを責めるつもりはないが、今一度言いたいのは勝つための走りだったということ。彼は世界屈指の選手の一人であり、この大前提を忘れてはならない。

何度も登りで彼とペースを合わせて走ったけれど、最終的に最強だったのは僕ら以外の選手だった。4人が逃げてしまった後、僕の脚はいっぱいいっぱいだった。スプリントの映像を見ればはっきりと分かると思う。別にワウトにメッセージを送ったりはしないよ。このインタビューを彼も読むだろう。一連の話題に関して、僕の意見を述べたかっただけだ(Sporza)。

text:So Isobe

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