有力勢が多数出場したベルギー選手権でドリス・デボントが独走勝利。アルペシン・フェニックスは2年続けてナショナルタイトルのキープに成功している。



ツールを走り終えたばかりのグレッグ・ファンアーヴェルマート(CCCチーム)ツールを走り終えたばかりのグレッグ・ファンアーヴェルマート(CCCチーム) photo:CorVos笑顔を見せるフィリップ・ジルベール(ロット・スーダル)笑顔を見せるフィリップ・ジルベール(ロット・スーダル) photo:CorVos

ミュール・カペルミュールを駆け上がるジャスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)ミュール・カペルミュールを駆け上がるジャスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード) photo:CorVos
新型コロナウイルス感染拡大によるレースカレンダー再編に伴い、ツール・ド・フランスと世界選手権に挟まれた9月23日(火)に開催されたベルギー選手権(他国の多くは8月末に開催済み)。

ロンド・ファン・フラーンデレンの象徴として君臨したミュール・カペルミュール(正式名称ミュール・ファン・ヘラールツベルヘン)が組み込まれたレースには、オリバー・ナーセン(アージェードゥーゼール)、グレッグ・ファンアーヴェルマート(CCCチーム)、セップ・ファンマルク(EFプロサイクリング)、ティム・ウェレンス&トーマス・デヘント&フィリップ・ジルベール(ロット・スーダル)、イヴ・ランパールト(ドゥクーニンク・クイックステップ)といった、ベルギーを代表するクラシックハンターが多数出場した。

235kmに及ぶレースは序盤から激しく動き、スタート後僅か61kmで序盤の逃げグループを吸収する。残り131.6kmから始まる周回コース(x7周)に入ると、エドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード)のアタックに反応した20名の先頭グループが生まれた。

20名の先頭グループを生み出したエドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード)のアタック20名の先頭グループを生み出したエドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード)のアタック photo:CorVos
メイン集団からアタックするセップ・ファンマルク(EFプロサイクリング)メイン集団からアタックするセップ・ファンマルク(EFプロサイクリング) photo:CorVos
トゥーンスやドゥクーニンク・クイックステップのピーター・セリーとイーリョ・ケイセ、ロット・スーダルのイェーレ・ワレイスとトッシュ・ファンデルサンド、ヤン・バークランツ(サーカス・ワンティゴベール)らが入った先頭グループは瞬く間に5分のリードを稼ぎ出し、終盤に入ってもなおメイン集団に対して差を維持した。

ジルベールやナーセン、ファンアーヴェルマートといった有力勢が軒並み入ったメイン集団は足並みが揃わず、結果的に先頭グループの逃げ切りを許してしまう。優勝争いを引き寄せた先頭グループでは残り10.5kmの登坂区間でセリーがアタックしたが、頂上の鋭角コーナーで勢い余らせスリップダウン。アタックに唯一反応したドリス・デボント(アルペシン・フェニックス)が飛び出す形となった。

残り10kmでアタックしたピーター・セリー(ドゥクーニンク・クイックステップ)だったが、直後にスリップダウン残り10kmでアタックしたピーター・セリー(ドゥクーニンク・クイックステップ)だったが、直後にスリップダウン photo:CorVos
後続を10秒引き離したドリス・デボント(アルペシン・フェニックス)	後続を10秒引き離したドリス・デボント(アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
独走でベルギー選手権を制したドリス・デボント(アルペシン・フェニックス)独走でベルギー選手権を制したドリス・デボント(アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
フィニッシュ後崩れ落ちるドリス・デボント(アルペシン・フェニックス)フィニッシュ後崩れ落ちるドリス・デボント(アルペシン・フェニックス) photo:CorVos6秒遅れの後続集団で先着したのはイーリョ・ケイセ(ドゥクーニンク・クイックステップ)6秒遅れの後続集団で先着したのはイーリョ・ケイセ(ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos


「ピーターに付いて抜け出し、彼がアンラッキーな落車でいなくなった後は躊躇することなくアタックを続けた」と言うデボントの走りは強力だった。追走グループを抑えたまま残り10km区間を耐え抜き、最後はペースを緩めてフィニッシュ。先のティレーノ〜アドリアティコでティム・メルリエ(ベルギー)とマチュー・ファンデルプール(オランダ)のアシストを務め、区間2勝に貢献した29歳がベルギー選手権初勝利。アルペシン・フェニックスに2年連続のナショナルタイトルをもたらした。

「長い戦いになると分かっていたので先頭グループではなるべく力を使わないように気をつけていたんだ。無線で(メイン集団の)有力勢が牽制を始めたと聞いて、優勝候補なしの先頭グループでの勝負になると思った。ここまで僕を育て上げてくれた全ての人に感謝したい」とデボントは語っている。

ジョリーン・ドール(ブールス・ドルマンス)との一騎打ちを制したロッテ・コペッキー(ロット・スーダル)ジョリーン・ドール(ブールス・ドルマンス)との一騎打ちを制したロッテ・コペッキー(ロット・スーダル) photo:CorVos
タイムトライアルとのダブルタイトルを得たロッテ・コペッキー(ロット・スーダル)タイムトライアルとのダブルタイトルを得たロッテ・コペッキー(ロット・スーダル) photo:CorVos
また、同じ登坂区間を含む131.6kmで争われた女子エリートレースでは、終盤に抜け出したロッテ・コペッキー(ロット・スーダル)とジョリーン・ドール(ブールス・ドルマンス)の一騎打ちに持ち込まれた。

先のジロ・ローザ第7ステージで勝利し、翌日からの山岳ステージを走ることなく調整したコペッキーと、かつてナショナル選手権を4度制し、オムニアムなどトラック長距離種目のトップ選手でもあるドールのスプリントで先着したのはコペッキー。パワフルなスプリントを持ち味にする24歳が、8月に開催されたタイムトライアル選手権に続くダブルタイトルを射止めている。
ベルギーナショナル選手権 男子エリート(235.8km)
1位 ドリス・デボント(アルペシン・フェニックス) 5:10:55
2位 イーリョ・ケイセ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 0:06
3位 ピーター・セリー(ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 ヤン・バークランツ(サーカス・ワンティゴベール)
5位 エドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード)
ベルギーナショナル選手権 女子エリート(131.6km)
1位 ロッテ・コペッキー(ロット・スーダル) 3:24:18
2位 ジョリーン・ドール(ブールス・ドルマンス)
3位 シャリ・ボシュイ(NXTGレーシング) 0:06
4位 エリゼ・ファンデルサンド 0:10
5位 キム・デバート(シクロテル)
text:So Isobe
photo:CorVos

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